著者
下條 信輔 シャイア クリスチャン ニジャワン ロミ シャムズ ラダン 神谷 之康 渡辺 克巳 岡田 美苗 柏野 牧夫
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.219-225, 2001-03-01
参考文献数
24
被引用文献数
9

聴覚刺激による視知覚の変容に関する三つの新しい発見を概説する。第1に, 視覚的な時間分解能は, 音が付随すると, 視聴覚刺激の時間系列及び遅延に依存して, 向上もしくは低下する。第2に, 単一の視覚フラッシュは, 複数の音と共に提示されると, 複数のフラッシュとして知覚されることがある。第3に, 互いに近づくように動く二つの物体からなる多義的な運動パタンは, それと同期していない音が鳴っても, あるいは音がなくても, 二つの物体が交差してまっすぐ動いていくように知覚されるが, 二つの物体が重なった時点に同期して音が鳴ると, それらの物体が衝突して反発するように知覚される。これらの発見に基づいた著者らの主張は, 従来信じられてきた視覚優位性に反して, 聴覚が強力な過渡的信号を与える場合には特に, 聴覚が視覚を変化させるというものである。
著者
市川 伸一 下條 信輔
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.137-145, 2010-02-28 (Released:2010-11-25)
参考文献数
36
被引用文献数
1

ベイズ的な事後確率推定問題の中でも,「3囚人問題」は,とりわけ数学的な解が直観的に理解しにくいことで知られている。我々は,オリジナルの3囚人問題の事前確率を変化させた変形版を提案した.これは,解答者の思考過程や納得のしかたが答えに反映されやすくなるとともに,その規範的なベイズ解は,いっそう反直観的に思えるものである.数理的分析と心理実験を通じて,3囚人問題,とりわけ変形版の難しさがどこにあるのかが検討され,問題構造に関する中間レベルの表象が重要であることを指摘した.また,こうした反直観的な事後確率推定問題を理解するための一つの方法として,数学的に同型な視覚的モデルである「ルーレット表現」を提案した.事後確率を主観的に推定するときの素朴なスキーマやヒューリスティックスの性質と,ベイズ的な推定方法を促すことの可能性について議論された.さらに,これらの研究がどのような意義をもつものかを,近年の関連研究とともに議論していく.
著者
高橋 英之 伴 碧 佐武 宏香 遠藤 信綱 守田 知代 浅田 稔 下條 信輔
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.395-399, 2015-09-18

正弦波に応じてリズムを変動させる太鼓をたたくぬいぐるみロボットを開発,正弦波のパラメータがどのようにその ロボットとの被験者のリズムインタラクション(交互太鼓たたき課題)における主観的感覚に影響を与えるのかにつ いて調べてきた.その結果,リズムを決める正弦波周期が長くなればなるほど,ロボットが被験者に追従していると いう社会的感覚が生じ,その結果,ぬいぐるみロボットに対する親しみなどの主観的印象が向上することが示された.