著者
下楠 昌哉 東 雅夫 紀田 順一郎 堀澤 祖門 佐藤 久子 立 恵子
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日本が近代化を進める時期に西洋から多くの芸術作品が流入し、現在に至るまでそれらは日本で様々な芸術に携わる人々の想像力を刺激してきた。その結果、現代の日本において作成される各種芸術作品には、西洋を起源とする題材の活用が多くみられる。そうした作品で用いられる題材やモチーフは多くの場合、日本に受け入れられてからある程度の変容が生じている。本研究では、主に文学作品における幻想性・怪奇性に焦点をあて、そのような題材・モチーフがいかに受容され、日本で変容し、かつ世界に向けて再発信されるかの過程を追った。研究成果は、海外出版社からの英語による論文集に収録されて刊行されるなど、様々な媒体で世に問うた。
著者
下楠 昌哉 Masaya Shimokusu
出版者
同志社大学英文学会
雑誌
主流 (ISSN:03893138)
巻号頁・発行日
no.71, pp.21-37, 2009

論文(Article)裏表紙のタイトル表記に誤りあり (誤)Ryutaro → (正)Ryuta
著者
下楠 昌哉 シモクス マサヤ Masaya SHIMOKUSU
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-31, 2003-03-31

本論では、ブラム・ストーカー(1847-1912)の初期の小説作品である『蛇峠』(1890)、『ドラキュラ』(1897)、『海の神秘』(1902)における風景描写と、登場人物たちが利用する交通機関との関係性を扱う。鉄道の登場とその速度、および一九世紀半ばのイギリス本土における鉄道網の確立と旅行の大衆化は、ヴィクトリア時代の人々の視覚に重大な変容をもたらし、風景を見る者から隔絶した次々と移り変わる「パノラマ」として捉える感覚を、人々に遍く実装させるに至った。ストーカーの三作品はどれも旅行者を主人公としており、それらの作品における風景描写は、風景とそれをまなさす者との間の断絶と、その断絶を生み出した列車の速度の影響をはっきりと表象している。テクノロジーの発展と人間の知覚の変容との関係性を記録したメディアとして、ストーカーの小説を読み込んでゆくこと。それが本論で試みられているプラクシスである。This paper deals with the relationships between scenery descriptions and means of transport in three early works of Bram Stoker (1847-1912): The Snake's Pass (1890), Dracula (1897) and The Mystery of the Sea (1902). The invention of the train and its high velocity caused a critical change of perception. The establishment of the British railroad system and the democratization of tourism in the middle of the 19th century then allowed the perception to prevail among Victorians. People came to perceive landscapes through the windows of trains as a string of swiftly-changing "panoramas," which the seeing subjects were completely dissociated from what they saw. All protagonists of the three novels of Stoker are travelers. The scenery descriptions in the stories represent the gap between the landscapes and the subjects viewing them. The speed of characters' movements are also deeply related to the gap. The critical praxis attempted in this paper is to read Stoker's novels closely as media recording the relationships between technological developments and the change of human perception in the 19th century.
著者
下楠 昌哉 シモクス マサヤ Masaya SHIMOKUSU
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-31, 2003-03-31

本論では、ブラム・ストーカー(1847-1912)の初期の小説作品である『蛇峠』(1890)、『ドラキュラ』(1897)、『海の神秘』(1902)における風景描写と、登場人物たちが利用する交通機関との関係性を扱う。鉄道の登場とその速度、および一九世紀半ばのイギリス本土における鉄道網の確立と旅行の大衆化は、ヴィクトリア時代の人々の視覚に重大な変容をもたらし、風景を見る者から隔絶した次々と移り変わる「パノラマ」として捉える感覚を、人々に遍く実装させるに至った。ストーカーの三作品はどれも旅行者を主人公としており、それらの作品における風景描写は、風景とそれをまなさす者との間の断絶と、その断絶を生み出した列車の速度の影響をはっきりと表象している。テクノロジーの発展と人間の知覚の変容との関係性を記録したメディアとして、ストーカーの小説を読み込んでゆくこと。それが本論で試みられているプラクシスである。
著者
下楠 昌哉
出版者
上智大学
雑誌
ソフィア (ISSN:04896432)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.96-103, 1999
著者
下楠 昌哉
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の成果は、1)日本における、あざらし女を民話を基にした西洋の文芸作品の受容の過程と現状を海外に発信したこと、2)文学に現れた、ブリテン諸島における"mermaid"と日本における「人魚」の概念に関する比較研究を行ったこと、3)スコットランドのオークニー諸島と北アイルランドでフィールドワークによって実際に民話を収集したこと、4)松村みね子の翻訳作品を研究するにあたっての留意事項を明らかにしたこと、5)ジェイムズ・ジョイスの紀行文とアイルランドの民間伝承の関係性を検証したこと、6)日本、英国、アイルランドをつなぐ研究者間の連携を促進したこと、である。