著者
梯 滋郎 中村 晋一郎 沖 大幹 沖 一雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_1489-I_1494, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
10
被引用文献数
4

In Japan, safety degree against flood is said to have increased by river improvement. However, frequently flooded areas still exist. This means that frequently flooded areas has some characteristics which prevent river improvement. Therefore it is important to clarify the distribution and characteristics of frequently flooded areas for thinking about future river improvement plans.In this research, we clarified the distribution of frequently flooded areas in Japan, using flooded area maps. As a result, it is clarified that most frequently flooded areas exist in narrow valley plains, and the reason why such areas are still flooded is difficulty of embankment.
著者
福島 裕助 中村 晋一郎 藤吉 臨
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.432-436, 2001-09-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
10
被引用文献数
1

スクミリンゴガイ生息田への野菜投入によるイネ苗の被害回避の可能性を探ることを目的として, 水槽内で野菜に対するスクミリンゴガイの選好性と摂餌行動を明らかにした.水槽内で, イネ苗と数種の野菜を同時に与えると, イネ苗よりもメロン, スイカ, レタス, ナスおよびトマトに対する貝の付着頭数または被摂食量が多かった.また, 付着頭数と野菜の被摂食量との間には正の相関関係が認められた.このことから, スクミリンゴガイは, これらの野菜に対する選好性が高いと判断された.選好性の高かったメロンとナス, 選好性の低かったイネ苗とタマネギを同時に与えて, スクミリンゴガイの摂餌行動を観察すると, 本貝は6時間以内に選好性の高い食餌を認識した.また, 選好性の低い食餌に一次付着した貝は, その後, 選好性の高い食餌へ移動した.さらに, 選好性の高かったメロンやナスへの付着時間はイネ苗よりも明らかに長かった.これらの結果から水田へ選好性の高いメロン, スイカ, レタスやナスを投入することによって, スクミリンゴガイによるイネの被害を回避できる可能性のあることが示唆された.
著者
滝澤 恭平 中村 晋一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.D1-0108, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
38

都市の水辺を再生するためには,地域の主体の継続的な協働の取り組みが必要とされる.東京都杉並区善福寺公園内「みんなの夢水路」事業における水辺再生実現までのプロセスと協働の実態を明らかにすることを研究目的とする.水路実現までのプロセスとして,1)川体験,川しらべを通した長期的な地域主体醸成,2)橋渡しの場の形成を契機とした多主体によるビジョン創出,3)事業化を契機とした計画検討,4)水辺を共同管理する権利の承認を通した運営主体確立の4つ段階の過程を明らかにした.協働の分析枠組みとして「橋渡し」概念による分析を行い,市民側と学校側に橋渡しの場が存在したことで,市民活動としての水辺再生の動きと,小学校の継続的な川学習が連携・協働し,地域の集合的な行為としての水辺再生が実現したことを明らかにした.
著者
中村 晋一郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.535, pp.68-73, 2012-01-09

記録的な降雨によって大規模な洪水被害が長期化したタイ。首都バンコクは、中心部を囲む堤防が整備されていたにもかかわらず浸水した。なぜ被害は拡大したのか。現地で1カ月に及ぶ調査を続けた東京大学生産技術研究所沖大幹研究室の中村晋一郎特任助教が、調査結果をもとに解説する。
著者
福島 裕助 中村 晋一郎 藤吉 臨
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.432-436, 2001 (Released:2011-03-05)

スクミリンゴガイ生息田への野菜投入によるイネ苗の被害回避の可能性を探ることを目的として、水槽内で野菜に対するスクミリンゴガイの選好性と摂餌行動を明らかにした。水槽内で、イネ苗と数種の野菜を同時に与えると、イネ苗よりもメロン、スイカ、レタス、ナスおよびトマトに対する貝の付着頭数または被摂食量が多かった。また、付着頭数と野菜の被摂食量との間には正の相関関係が認められた。このことから、スクミリンゴガイは、これらの野菜に対する選好性が高いと判断された。選好性の高かったメロンとナス、選好性の低かったイネ苗とタマネギを同時に与えて、スクミリンゴガイの摂餌行動を観察すると、本貝は6時間以内に選好性の高い食餌を認識した。また、選好性の低い食餌に一次付着した貝は、その後、選好性の高い食餌へ移動した。さらに、選好性の高かったメロンやナスへの付着時間はイネ苗よりも明らかに長かった。これらの結果から水田へ選好性の高いメロン、スイカ、レタスやナスを投入することによって、スクミリンゴガイによるイネの被害を回避できる可能性のあることが示唆された。
著者
伊藤 悠一郎 中村 晋一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.74-83, 2021

<p> 水害への対策を検討したり,将来の水害被害を予測するうえで重要となるのが水害被害を記録した長期統計である.日本の水害被害を扱う記録としては1961年より行われている水害統計調査があるが,それ以前の水害の規模や発生地域,発生要因等を把握する長期統計は存在しない.そこで,本研究では,地方気象台等が作成した水害記録を用いて,日本における水害統計調査開始以前の水害データベースを構築した.本データベースは水害統計調査が開始される以前の日本全国の水害被害を記録した最も詳細且つ長期の水害統計である.この水害データベースを分析した結果,これまで記録の無かった1941年から1945年にも1930年代と同等の水害が発生していたこと,水害イベントの発生頻度及び強度は 1950年以降明瞭に増加する傾向が示された.</p>
著者
伊藤 悠一郎 中村 晋一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.74-83, 2021 (Released:2021-07-20)
参考文献数
13

水害への対策を検討したり,将来の水害被害を予測するうえで重要となるのが水害被害を記録した長期統計である.日本の水害被害を扱う記録としては1961年より行われている水害統計調査があるが,それ以前の水害の規模や発生地域,発生要因等を把握する長期統計は存在しない.そこで,本研究では,地方気象台等が作成した水害記録を用いて,日本における水害統計調査開始以前の水害データベースを構築した.本データベースは水害統計調査が開始される以前の日本全国の水害被害を記録した最も詳細且つ長期の水害統計である.この水害データベースを分析した結果,これまで記録の無かった1941年から1945年にも1930年代と同等の水害が発生していたこと,水害イベントの発生頻度及び強度は 1950年以降明瞭に増加する傾向が示された.
著者
中村 晋一郎 佐藤 裕和 沖 大幹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_1453-I_1458, 2012 (Released:2013-03-26)
参考文献数
10

In this research, we gathered the Historical Maximum Discharge (HMD) of A class rivers in Japan after World War 2nd (1945) and classify these data into the topography-meteorological area. We used Creager curve for analyzing the regional characteristics of HMD. From this analysis, we explained the difference of the flood specific discharge among geographic regions. And we compared the historical maximum specific discharge between as of 1975 and 2009, so we could explain Creager curves in 3 region was updated and the flood specific discharge in most of river converged to Creager curve.
著者
保本 孝利 中 徹 實延 靖 北川 雅巳 中村 晋一郎 岡田 和義 横山 大輔 速水 明香 谷山 貴宏 中嶋 正明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P3145, 2009

【目的】スパズムが生じた筋に対して圧迫によるストレッチ(PS)を加えると,スパズムが緩和することはよく経験するところである.しかし PSを施行する際の有効な施行時間についてはあまり明らかではない.そこで今回,筋スパズム緩和に有効なPS施行時間について,筋硬度,筋組織酸素飽和度(StO<SUB>2</SUB>)などの諸点から比較検討したので報告する.<BR><BR>【方法】対象は立ち仕事の多い健常成人男性6名(29.0±4.2歳)とし,就業後に同一施術者が被検者の腓腹筋中央部に対してPSを腹臥位にて行った.PS時間は10,20,30,60秒とし,各施行は異なる日に行った.各施行の直前,直後,一時間後に,筋硬度,StO<SUB>2</SUB>,組織内ヘモグロビン量(Total Hb)を測定した.筋硬度はASKER社製・DUROMETERを,StO<SUB>2</SUB>およびTotal Hbは近赤外線分光器(オメガウェーブ社製,BOM-L1TR)を用いた.併せて,足関節の背屈のROMを用手計測,筋疲労度(MF)を主観的評価VASにて調べた.統計処理にはフリードマン検定を使用し有意水準5%とした.なお,全ての被験者には本研究の趣旨を説明し,同意を得た上で実施した.<BR><BR>【結果】筋硬度については10,20秒では変化がなく,30秒では,直後で減少(p<0.05)し,一時間後は直前の状態に戻った.60秒の場合は,直後で減少(p<0.01)し,一時間後は直前よりも減少傾向(直前や直後との間に有意差が無い状態)にあった.StO<SUB>2</SUB>は全ての施行時間で直後に増加傾向にあるが有意差は無く,一時間後は直前の状態に戻った.Total Hbは全ての施行時間で変化は無かった.ROMは直後で増加傾向にあるが有意差は無く,一時間後では直前の状態に戻る傾向にあった.MFは全ての施行時間で直後のみ減少(10,20,60秒:p<0.01,30秒:p<0.05)した.<BR><BR>【考察】筋スパズム緩和に有効なPS施行時間としては,筋の柔軟性を短期的に向上させるには30秒間が必要であること,60秒間では施行直後に筋の柔軟性を持続させる可能性があることが今回の研究により示唆された.また,結果は以下についても示唆している.1-筋の柔軟性の変化は血流動態のみで規定されない.2-下腿三頭筋へのPSは短期的に足関節背屈の可動域を増加させる可能性はあるが,持続効果は無い.3-PSは刺激時間に関係なく施行直後に心的なリラクセーションを与える.