著者
西尾 信博 中沢 洋三
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

新たながん治療法として、キメラ抗原受容体(CAR)を用いた遺伝子改変T細胞療法(CAR-T療法)は有望であり、各種がんへの応用が期待されている。本研究では、骨肉腫の表面に高発現する抗原に対する新規キメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞を作成するためのpiggyBacトランスポゾンベクターと、piggyBacトランスポゾン法を用いて高い導入効率を可能とする培養方法を開発した。本研究で開発したベクターと培養法を用いて作成した新規CAR-T細胞は、ヒト骨肉腫細胞に対して強力な細胞傷害性を発揮した。本研究により、骨肉腫に対する新規免疫療法の基盤データを得ることができた。
著者
中沢 洋三
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

FLT3/ITD遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病(AML)患者の生命予後は不良である。FLT3/ITD遺伝子変異AML細胞株(MV4-11)はGM-CSF受容体(GMR)を高発現する。そこで、GMRと特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を構築し、GMR CARを発現する遺伝子改変T細胞を樹立した。GMR CAR-T細胞とMV4-11細胞を1:5の比で混合し5日間培養したところ、GMR CAR-T細胞はMV4-11細胞の98%を死滅させた。GMR CAR-T療法はFLT3/ITD遺伝子変異陽性AMLの治療に有用である可能性が示唆された。
著者
齋藤 章治 中沢 洋三
出版者
信州医学会
雑誌
信州医学雑誌 (ISSN:00373826)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.425-433, 2018-12-10 (Released:2019-02-06)
参考文献数
32