著者
石井 俊哉 江上 いすず 中野 徹 小野村 光正 中川 二郎 奥村 純市
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.171-176, 2007-12-25
参考文献数
9

現在、日本は銘柄豚ブームとも思えるほど、数多くの銘柄豚が存在する。その内容は品種、飼料や水の違いを訴えるもの、地域色を出したものなど多岐に渡り、皆様々なアピールを展開し、味の違いを訴えている。人の味覚的な好みは個人によって異なっており、銘柄豚だけが好まれるわけではない。従って、より多くの消費者に好まれるために、銘柄豚の開発段階で、人の好みの傾向を捉えておくこと、次代の消費動向の鍵を握る青年層の好みを把握することは重要と考えられる。そこで本研究は、日本の銘柄豚の代表格である黒豚肉(イギリス系バークシャー種)と一般豚肉(三元交雑種)を、味覚官能検査を主体に比較し、青年層の好みを把握することと、黒豚肉の味覚官能的な優位性を検証することを目的に行い、若干の傾向を得たので報告する。
著者
中野 徹也
出版者
關西大學法學會
雑誌
關西大學法學論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.1101-1132, 2011-01-31
著者
堤 親範 阿部 俊也 岡山 卓史 空閑 啓高 下川 雄三 植田 圭二郎 西原 一善 中野 徹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.1063-1069, 2021 (Released:2021-12-30)
参考文献数
27
被引用文献数
1

自己免疫性膵炎(AIP)は限局性病変を形成し,膵癌と鑑別困難な症例が存在する.本検討は当院で経験したAIP 34例を対象とし,その臨床学的因子,手術症例の周術期因子を解析した.AIPの5例(14.7%)で膵癌を疑い,手術を施行した.AIPにおいて,多変量解析でCA19-9高値(>37U/mL)(P=0.01),膵外病変なし(P=0.01),EUS-FNA未施行(P<0.01)が手術施行に関わる独立した因子であった.また,単変量解析で 血管浸潤所見(P=0.03)を認めるAIPで有意に手術が施行され,限局性膵腫大(P=0.06)を認めるAIPで手術が施行される傾向にあった.AIPと膵癌の特徴を同時に認める症例ではそれらの鑑別が困難になりやすく,AIPに対する手術を回避するためにはAIPに特徴的な所見を含め,EUS-FNA/FNBの重要性を再認識する必要があると考えられた.
著者
井川 達也 勝平 純司 櫻井 愛子 保坂 亮 中野 徹 松澤 克
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0806, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】腰部脊柱管狭窄症(LSCS)は脊柱管の狭窄により馬尾や神経根が圧迫され神経症状を呈する疾患である。特徴的な症状として姿勢による症状の変化や神経性間歇跛行が挙げられ,また歩行の特徴としては,体幹前傾角度の増大,歩行速度や歩幅の減少,股関節角度の減少などが挙げられる。この前傾姿勢は減圧による症状緩和を可能にするにも関わらず,特徴的な姿勢を示さない患者も存在する。そこで本研究の目的は,腰部脊柱管狭窄症患者の歩行時の体幹前傾角度と関連する変数(下肢関節,骨盤,体幹の角度など)を明らかにすることである。【方法】対象は当院に手術目的に入院したLSCS患者111名(年齢70.9±6.2歳)とした。歩行動作の計測は,約5.5mの歩行路における自然歩行を3次元動作解析装置(Vicon Motion Systems社製:100Hz)と床反力計(AMTI社製:1000Hz)を用いて記録した。安定して行えた自然歩行を2試行記録した。測定時には計測着を着用し,四肢,骨盤,体幹,頭部に計49か所の反射マーカーを貼付した。得られたデータから,歩行速度,ケーデンス,左右の歩幅,一周期時間,左右立脚期の体幹前傾最大角度,骨盤前傾最大角度,骨盤回旋最大角度,下肢三関節の屈伸および底背屈最大角度,内部関節屈伸および底背屈モーメント最大値,関節パワー最大および最小値を111名222肢について求めた。なお,関節モーメントと関節パワーは体重で標準化した値を用いた。各変数について,2試行の平均値を解析に用いた。また歩行計測時の下肢痛(VAS)と日本整形外科学会腰痛評価質問表の小項目である歩行機能障害因子も併せて聴取した。統計解析は,まず体幹前傾角度とその他の変数の相関関係を明らかにするため単変量解析(Pearsonの積率相関係数とSpearmanの順位相関係数の算出)を行った。次に体幹前傾角度に関わる要素を明らかにするため重回帰分析を行った。体幹前傾角度を従属変数とし,単変量で有意な相関を認めた変数を独立変数とするステップワイズ法を用いた。統計解析には,IBM SPSS Statistic(Version21)を用い,両側検定にて危険率5%未満を有意水準とした。【結果】体幹前傾角度と有意な相関を認めた変数は,歩幅(r=-0.17,p=0.01),骨盤前傾最大角度(r=0.29,p=0.01),股関節屈曲最大角度(r=0.27,p=0.01),股関節伸展最大角度(r=0.47,p=0.01),股関節屈曲モーメント最大値(r=-0.44,p=0.01),股関節パワー最小値(r=0.38,p=0.01),膝関節屈曲最大角度(r=0.33,p=0.01),膝関節伸展最大角度(r=0.33,p=0.01),膝関節パワー最大値(r=-0.22,p=0.01),足関節底屈モーメント最大値(r=0.20,p=0.01)であった。次に,独立変数に上記10項目を採用した重回帰分析を行った結果,体幹前傾角度と有意な独立変数として検出された項目は,股関節伸展最大角度(β=0.416),股関節屈曲モーメント最大値(β=-0.348),歩幅(β=0.257),であった。自由度調整済み決定係数は0.294(p<0.01)であった。予測式はy=0.359×股関節伸展角度-8.008×股関節屈曲モーメント最大値+15.251×歩幅+1.607となった。【考察】LSCS患者にとって体幹前傾姿勢の可否は症状緩和のために重要な姿勢であると広く言われている。本研究の結果から,体幹前傾姿勢には疼痛の程度や骨盤,足関節,膝関節運動ではなく,股関節運動が関与していることが示唆された。体幹前傾が大きいLSCS患者は立脚期後半の股関節伸展角度が大きいにも関わらず,股関節屈曲モーメントが小さい傾向にある。これは,股関節屈曲筋力低下のため,上半身重心を前方に変位させることにより股関節屈曲モーメントを減少させる姿勢戦略を選択している可能性が考えられる。腸腰筋筋力低下はLSCSの最も初期の徴候であるとの報告もあることから,この腸腰筋筋力低下が体幹前傾姿勢をとる要因であることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究の新規性はLSCS患者の体幹前傾姿勢と歩行パラメータとの関係性を示し,立脚期後半の股関節機能の重要性を示したことである。またLSCS患者の除圧術後の理学療法は,歩行中の体幹前傾姿勢を改善させるために立脚期後半を想定した股関節屈曲筋力の改善が重要であることが示唆された。
著者
原 毅 佐野 充広 四宮 美穂 野中 悠志 市村 駿介 中野 徹 松澤 克 櫻井 愛子 草野 修輔 久保 晃 久保田 啓介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.184-192, 2013-06-20 (Released:2018-04-12)
参考文献数
37
被引用文献数
11

【目的】消化器がん患者の周術期から自宅復帰後における身体運動機能とQuality of Life(以下,QOL)の経時的変化,各時期間の身体運動機能変化と自宅復帰後QOLの関連性について検討すること。【方法】対象は,周術期消化器がん患者42例(男性23例,女性19例,年齢60.6±11.3歳:平均±標準偏差)とした。本研究では,身体運動機能を等尺性膝伸展筋力,Timed "Up and Go" test,6分間歩行距離の3項目,QOL指標にShort-Form 36-Item Health Survey version 2のアキュート版を使用し,手術前,手術後,退院後の3つの時期に各々評価した。【結果】身体運動機能とQOLは,手術後一時的に有意な低下が認められた。退院後では,身体運動機能が手術前と同程度まで向上する一方で,QOLの身体的健康が手術前より有意に低かった。また,手術前後の身体運動機能変化比と退院後のQOLの間に有意な相関関係が認められた。【結論】消化器がん患者の周術期の身体運動機能変化が自宅復帰後のQOLと関連することがあきらかとなった。
著者
中野 徹 小澤 洋平 直島 君成 亀井 尚 宮田 剛 大内 憲明
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.1169-1174, 2014 (Released:2014-11-29)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

食道癌肉腫は食道癌の中で比較的まれな組織型である.当院において,2000年から2013年の間に食道切除術が施行され,病理学的に癌肉腫と診断された7例について臨床病理学的検討を行った.全例男性,平均71歳.食道亜全摘術が5例に対して,食道亜全摘胃全摘術が2例に対して施行された.肉眼的形態は4例で0-Ip型を呈した.病理学的腫瘍深達度はT1bが3例,T2が2例,T3が2例であった.リンパ節転移を57.1%の症例に認めた.7例中2例に免疫染色でG-CSF陽性であった.1例は術後1年後に肺転移を生じ化学療法を施行している.1例は術後30病日に脳出血のため死亡した.7例中5例が無病生存中で,うち3例は5年以上生存している.深達度の浅い症例でもリンパ節転移の可能性があるので,治療には郭清を伴った食道切除術を中心とし,必要に応じて化学療法や放射線療法を加えることが妥当と考える.
著者
直井 信久 中馬 秀樹 中崎 秀二 丸岩 太 新井 三樹 中野 徹
出版者
宮崎医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本年度の研究は人体で計測した臨床電気生理学的実験とネコ、ニワトリ網膜を用いて行った動物網膜の電気生理学的実験を行った。臨床電気生理学的には正常者と網膜内層の異常があると考えられる緑内障眼において、多局所網膜電図(Sutterら)を測定した。緑内障眼では有意に多局所網膜電図各波の振幅の低下、頂点潜時の延長が認められたが、これが網膜内層の変化を反映しているのか、視細胞など外層の変化を反映しているのかは、来年度以降の基礎実験が必要である。基礎実験の内、M波については薬理学的手法を用いて行った。TTXを用いてナトリウム依存性活動電位を抑制するとM波は変化しないがERGのoff反応は減少した。M波のon反応はAPB投与により極性が反転し、この反転した波はaspartateによって消失した。また網膜電図のSustained negativer responseはAPBによって変化しなかった。この様にM波の臨床的ERGへの関与は小さいが、パターン刺激のように小さい刺激野で刺激する場合などでは関与する可能性が考えられた。Scotopic threshold response(STR)に関しては、微少電極でこの波のdepth profileを調べることができたが、STRは内網状層付近で最大となり、網膜中心付近(60%の深さ)で極性が逆転した。このことは、この点より近位側に電流のsinkが存在することが推定され、電流のsourceはさらに遠位側にあると考えられた。またカリウム選択性電極を用いてカリウム変化を測定した結果ではカリウム濃度の変化と網膜電図の変化に密接な関係がみとめられた。