著者
井上 剛志 堀部 朋宏 内海 政春 安達 和彦
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.359-369, 2012 (Released:2015-03-27)
参考文献数
11
被引用文献数
1

A finite-element model is derived for high-pressure fuel turbopump(HPFTP)rotor system. It considers the effects of gyro-moment, axial force and rotor dynamic fluid forces acting on the impellers, the inducer, the seal, and the turbine. The damped natural frequencies, real parts of eigenvalues, and mode shapes of the rotor system are analysed over the range of 0∼45,000rpm and the results are validated by comparing them with existing experimental data. The effects of gyro-moment, axial force and rotor dynamic fluid forces on the dynamical characteristics of the system are investigated. As a result, it is shown that axial force has a small effect and is considered negligible, wheareas gyro-moment and rotor dynamic fluid force have a relatively large effect on the dynamical characteristics of the rotor system. The frequency response curve of the unbalance response of HPFTP is also obtained using a numerical simulation and the results correspond to its actual vibration phenomenon.
著者
井上 剛志 高木 賢太郎 竹崎 勇輝 石川 昌義
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.78, no.789, pp.1680-1690, 2012 (Released:2012-05-25)
参考文献数
7

The gyroscopic exercise tool which utilizes the gyroscopic effect caused by the whirling motion of the high speed rotating body to train the hand muscle is considered. This tool utilizes the contact phenomenon between the rotor and the case. When the input motion with 3-5 Hz is added to the case, the rotor spins in thousands rpm whirling with the precession motion which is synchronous to the input case motion. Conventional studies on this tool have assumed the continuous rolling motion of the rotor to the case. This paper does not set this assumption, and investigates the dynamical modeling of this tool considering the contact/non-contact conditions and the slip between the rotor and the case. Two kinds of motions are observed in the numerical simulation, one is the uniform precession which was observed in the conventional studies and the other is the periodically reverse precession. These two motions are physically explained, and are also observed in the experiment.
著者
三宅 牧人 桑田 真臣 穴井 智 辰巳 佳弘 井上 剛志 千原 良友 平尾 佳彦 藤本 清秀
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.373-381, 2014 (Released:2014-11-07)
参考文献数
20

膀胱癌に対する5-アミノレブリン酸(5-ALA)を使用した蛍光膀胱鏡補助下経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)の診断精度および膀胱内再発予後の向上について検討した.膀胱癌96例を対象とし5-ALA溶液を経口または膀胱内投与し,白色光モードおよび赤色蛍光検出モードを切り替えながら膀胱内を観察した.採取した膀胱上皮組織の病理診断結果とモード別の画像所見から診断精度を評価した.白色光モードと比較して,蛍光検出モードでは特異度は低下したが(76.3% vs. 白色光84.6%),癌検出感度は向上した(84.5% vs. 白色光71.6%).蛍光膀胱鏡補助下TURBT症例と従来の白色光下TURBT症例をhistorical controlとして再発率を比較したが有意な差は認めなかった.蛍光膀胱鏡補助下TURBTは,診断薬5-ALAに起因する重篤な副作用もなく,癌の検出に有用で安全な手技であることが示されたが,治療成績については今後の多数例での前向き比較試験での評価も必要である.
著者
井上 剛 森山 芳則
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

有効な治療薬が無い難治性てんかんに対して、ケトン食療法が有効であることが知られている。そこで本研究では、ケトン食による代謝変化(ケトン体の上昇、グルコースの減少)に着目し、その作用機序の解明と抗てんかん剤の同定を行った。ケトン体の化学構造を改変する事で、興奮性シナプス伝達を抑え、抗てんかん作用も示す化合物を見出した。さらに、ケトン食による神経抑制・抗てんかん作用の新規メカニズムも見出し、それに基づく抗てんかん剤も見出した。
著者
秋元 創太 三富 悠紀 井上 剛
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0161117a, (Released:2017-02-17)
参考文献数
13

ユーザーイノベーションに関連する研究は、非常に多岐な分野へと広がっている。それに伴って、ユーザーイノベーションを起こせるような先駆的な顧客、所謂リードユーザーの特定が着目されている。本稿では、①はじめてリードユーザーを特定し、②特定したリードユーザーが考案した製品コンセプトを評価するプロセスを構築し、第三者から高い評価を得ることの二つの貢献をした Urban and von Hippel (1988) の解説と評論を試みる。その上で後続の研究を確認し、リードユーザーによって生み出された製品コンセプトが本当に優れているのかについて疑問を提示していく。
著者
近藤 圭 Boulange J. Phong T.K. 平松 和明 井上 剛 渡邊 裕純
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of pesticide science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.312-322, 2012-11
被引用文献数
18

本研究では,農薬動態予測モデルであるPCPF-1モデルとモンテカルロシミュレーションを用いて日本の水田における除草剤流出抑制のための水管理評価を行った。まず,全国5都市における10年間の気象データを用いて,標準的な水管理シナリオのもとモンテカルロシミュレーションを行った。この結果から水管理手法が農薬流出低減に効果的であることが確認されたが,西日本では大きな農薬流出の可能性が示唆された。この結果を受けて,現地調査をもとにした茨城県桜川流域,福岡県筑後川流域における気象,水管理データを用いた,より詳細な農薬流出低減のための水管理解析を行った。この結果により,筑後川流域では,適切な間断灌漑の履行などを行っても多量の農薬が流出する可能性があることがわかった。また,感度解析によって水管理パラメータが農薬流出に及ぼす影響を定量化し,水田水管理と除草剤流出との関係性を明らかにした。
著者
井上 剛男
雑誌
鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学・社会科学編 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Humanities and Social Sciences (ISSN:24339180)
巻号頁・発行日
no.2, pp.207-227, 2019-03-29

本稿の目的は、非認知的能力を育成する上で、子どもの主体性を重視するこれまでの保育・幼児教育のあり方に、どのような課題があるのかを明らかにすることである。そのために、E.デュルケムの教育論を手掛かりに、非認知的能力の意味を捉えなおすことで、課題を照射させることを試みる。その結果、子どもの主体性をめぐる2つの課題を明らかにした。1つは、子どもの主体性の尊重と、教育という行為との区別ができていないことである。教育という行為は、どれほど子どもの主体性を尊重した方法を用いたとしても、価値を押し付ける行為であることは否めない。そのため、子どもの主体性をいくら尊重しても、学ぶことに頑なに応じない子どもが現れる可能性がある。もう1つは、子どもの主体性と、子どもの意志の自律性の違いに無自覚だったことである。自ら進んで規則に従うことが、主体性を示すものであっても、意志の自律性を示すものでは必ずしもない。ある活動に主体的に取り組む子どもの中には、その活動の意味や重要性を理解している子どもと、それらを理解していない子どもが併存し、両者の間で、その活動での学びにかなりの開きが出る蓋然性が高いからである。これらの課題が生じたのは、子どもの主体性を尊重すれば、どの子どももしっかり学べるはずであるといった考えを無批判に信じ、その成長スピードの差を個人差に還元して理解する傾向があったからだと考えられる。
著者
森田 弥左衛門 川上 実 井上 剛史 金井 智美
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.1, pp.42-47, 1990-01-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12

卵自中のタンパク質の分離について,通常のダウンフローカラムと,同一容量の薪規なラジアルフローカラムを比較検討した。その結果,DEAEセルロースのような軟質充填剤の場合は,目詰りのため充填圧が剃約され,両カラムとも秀填密度が0.809/mlであった。この条件で試料保持量は,側面積の大きいラジアルフローカラムの方が,断面積の小さいダウンフローカラムより格段に大きく,大量分取に適していた.また,このカラムで卵白中のタソパク質成分は三分画に分離でき・リゾチームを含むオボグロブリン類,オボトランスフェ.ジソを含むオボムコイド類,およびオボアルブミンの順に溶出した。ヒドロキシアパタイトのような硬質充填剤では,.高圧充填に耐えるダウソフローカラムの充填密度が1.119/ml,充填圧が5kg/cm2以下に制約されているラジアルフローカラムのそれは0.83g/mlで,商者に大きな差があった。この差が分離能に影響し,前者のダウンフローカラムの方が優れていた。また,このカラムによって卵白中のタンパク質成分は四分画に分離でき,オボムコイド類,オボアルブミソ類,オボトランスフェリンを含むオボグロブリソ類.およびリゾチームのように・導電点の小さい順に溶出した。
著者
平手 知 井上 剛志
出版者
日本鉄道技術協会
雑誌
JREA (ISSN:04472322)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.43633-43636, 2019-12
著者
大塚 裕之 西井上 剛資
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学理学部紀要 地学・生物学 (ISSN:03854019)
巻号頁・発行日
no.13, pp.p35-76,図4p,図3枚, 1980-12
被引用文献数
3
著者
鶴田 啓亮 關 匡彦 井上 剛 至田 洋一 淺井 英樹 倉 知彦 中野 健一 川井 廉之 前川 尚宜 福島 英賢 奥地 一夫
出版者
日本神経救急学会
雑誌
日本神経救急学会雑誌 (ISSN:16193067)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.35-39, 2016-06-11 (Released:2016-09-01)
参考文献数
10

Cerebral Fat Embolism (CFE) is known as potentially fatal complication of bone fracture. Patients with CFE develop variable and nonspecific clinical manifestations like a headache and disturbance of consciousness. Brain MRI has been reported to be the most sensitive method for diagnosing CFE, but conventional MR sequence is not sufficient for detecting CFE because some kind of pathological changes shows similar findings. We report a 74-year-old female with unstable pelvic fractures and diffuse axonal injury from traffic accident subsequently associated with cerebral fat embolism successfully diagnosed using susceptibility-weighted imaging (SWI). Brain MRI performed on day 6 revealed multiple high intensity lesions on diffusion-weighted imaging (DWI) in gray-white matter interface which may indicate cytotoxic edema due to DAI. We confirmed the diagnosis of CFE to find the presence of numerous petechial hemorrhages located predominantly in the white matter on SWI.
著者
西川 節 金 安明 正村 清弥 井上 剛 中西 愛彦 生野 弘道
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.221-226, 2012 (Released:2017-05-11)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

Object : To study long-term outcomes of anterior decompression and fusion (ADF) and expansive laminoplasty (ELP).   Materials and Methods : Our study included 120 patients who underwent iliac bone grafting via the modified trans-unco-discal approach (TUD) or ELP with spinous process or ceramic spacers over 5 years ; the neurological symptoms and Japanese Orthopedics Association (JOA) scores of these patients were reviewed.  Results : Neurological symptoms and JOA scores improved in 111 out of the 120 patients (93%), and worsened in 9 patients (8%). There was no significant difference in the rate of improvement of neurological symptoms, and JOA scores in all groups. There was no significant difference in the improvement rates of neurological symptoms and JOA scores between all groups.  Conclusions : ADF and ELP showed comparable rates of improvement in neurological symptoms and JOA scores. It is important to choose the appropriate methods according to the pathophysiological conditions. ADF should be performed only for the appropriate lesions, since the problems pertinent to the adjacent lesions may ensue.
著者
井上 剛 進藤 裕之 松本 裕治
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2017-NL-232, no.8, pp.1-9, 2017-07-12

アラビア語などの形態的に豊かな言語の品詞タグ付けは,英語など形態的に乏しい言語の品詞タグ付けに比べ,タグセットが膨大になるため,困難な問題である.これは,言語固有の情報を反映した高粒度な品詞タグが,各形態統語的カテゴリごとに定義されたタグの組み合わせによって構成されるためである.既存のアラビア語品詞タグ付けでは,各形態統語的カテゴリを独立に予測しており,各カテゴリを予測する上で有益な情報をカテゴリ間で共有できていなかった.本研究では,マルチタスク学習の枠組みを用いて,各形態統語的カテゴリを同時に予測する手法を提案する.また,入力語に対して各形態統語的カテゴリが取りうるタグを登録した辞書情報をモデルに組み込むことで,さらなる性能向上が得られることを示す.Penn Arabic Treebank を用いた評価実験の結果,これまでに報告されている最高性能の品詞タガーの正解率を上回ることを確認した.
著者
青木 淳哉 木村 和美 井口 保之 井上 剛 芝崎 謙作 渡邉 雅男
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.51-55, 2012-01-25 (Released:2012-01-27)
参考文献数
8

約25%の急性期脳梗塞例は発症時間が不明であるためt-PA静注療法の対象から除外される.頭部MRI DWIで高信号を呈していてFLAIRで信号変化がない場合(DWI/FLAIRミスマッチ),発症3時間以内と推定できる.我々は発症時間不明の脳梗塞例に対しDWI/FLAIRミスマッチに基づいたt-PA静注療法を行った.2009年6月から2011年10月までに13例[83 (67-90)歳,NIHSSスコア16 (11-20)点]が登録された.最終無事確認時間からt-PA静注療法まで5.6 (5.0-11.6)時間であった.24時間以内の再開通は10例(完全再開通:5例),症候性頭蓋内出血は0例であった.発症7日後の著明改善例は7例で,3カ月後の転帰良好例(mRS 0-2)は5例であった.発症時間が不明であってもDWI/FLAIRミスマッチがあればt-PA静注療法の対象になる可能性がある.