著者
井上 卓
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.244-249, 2009 (Released:2009-10-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

当院常勤医師が発症した水痘に対し医療関連感染対策を行った.本人は陰圧個室に入院とし,アシクロビルの点滴治療にて軽快退院し,全発疹が痂皮化するまで自宅待機とした.医師が濃厚に接触したと考えられた院内職員116名および当該科入院患者44名の計160名は水痘帯状疱疹IgG抗体価を検査し,結果がでるまで予定手術は延期とした.感受性者(抗体価4.0未満)は患者2名と職員2名であった.2名の患者に対しては,患者と家族に事態を説明した上で個室管理とし,結果判明日から7日間アシクロビル40 mg/kg/日を予防内服してもらった.2名の職員は結果判明日から接触後21日目まで自宅待機とし,かつ,7日間アシクロビル40 mg/kg/日を予防内服させた.すでに退院した患者と外来患者に対しては電話で事態を説明し,急な発熱,発疹を認めた場合,当院を受診するようにお願いした.感受性者4名を含め,二次発症は認められなかった.   今回の事例を経験し,全職員のウイルス抗体価の測定をしておき,感受性者に対しては可能な限りワクチン対策をとること,職員の感染症に対する意識を高めることが重要であると考えられた.
著者
井上 卓
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.48-60, 2021 (Released:2022-01-11)
参考文献数
26

コーポレート・ガバナンスの原義が「株主の利益のための経営者に対する監督の仕組み」であることから考えても,株主によって構成される,株式会社の最高意思決定機関である株主総会が本来の機能を発揮しているかどうかは,コーポレート・ガバナンス上の重要問題である.本稿では,長年「形骸化」が問題視されてきた日本の上場企業の株主総会の歴史と実態を踏まえ,株主総会の「実質化」とその再生への道筋を考察する.
著者
井上 卓也 安田 祐真 中村 元気 守田 裕啓 林 浩之 尾崎 将之
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.740-744, 2022-08-31 (Released:2022-08-31)
参考文献数
10

認知症のある86歳男性が,市販のかゆみ止めクリーム100gを誤食して当院を受診した。受診時はとくに症状を訴えず,身体所見,採血,心電図,胸部X 線に異常はなかったが,経過観察入院とした。誤食2時間30分後から血圧が207/144mmHgと上昇し,その15分後に嘔吐し,その後急速に意識レベルがJapan Coma Scale(JCS)200へと悪化した。第2病日には意識レベルの改善がみられ,誤食12時間後にはJCS 3まで改善した。誤嚥性肺炎を合併したため抗菌薬投与を開始した。第3病日には意識レベルは以前の状態に回復した。その後経過良好で第12病日に退院した。かゆみ止めクリームに含まれるジフェンヒドラミン,カンフル,リドカインはそれぞれ致死量または中毒量であり,患者背景から気管挿管をしないなど治療制限があったが,患者は一命を取りとめた。同様の症例では無症状でも入院させて,最低4〜6時間は症状発現を厳重に監視する必要がある。
著者
南雲 直子 大原 美保 藤兼 雅和 井上 卓也 平松 裕基 ジャラニラ サンチェズ パトリシア アン
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.123-136, 2022 (Released:2022-06-04)
参考文献数
17

地理情報や被災記録に乏しい途上国において将来の洪水災害に備えるためには,ハザード情報を簡単に可視化・共有でき,住民らが地域の氾濫特性を理解するための手助けとなるような技術が重要な役割を果たす.そこで本研究では,フィリピン共和国の洪水常襲地を対象に,Google Earthを用いて降雨流出氾濫(RRI)モデルによる洪水氾濫計算結果を描画し,建物高さと浸水深の関係を可視化できる3D浸水ハザードマップを作成した.また,このハザードマップに関する講義およびチュートリアル教材を作成し,フィリピンでの技術普及を目的としたオンライン研修で取り上げた.その結果,3D浸水ハザードマップはフィリピンの人々も簡単に作成・利用できるものであり,地域の浸水リスクを理解するのに役立つことが明らかとなった.Google Earthは多言語に対応する無償ソフトウェアであることから,本研究によるハザードマップ作成手法は予算や人材が不足する途上国においても有用な技術であると考えられる.
著者
濱田 啓義 中山 貴弘 ダハール 佐知子 立入 智恵子 山出 一郎 井上 卓也 矢野 樹理 畑山 博
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.262-268, 2017 (Released:2017-09-29)
参考文献数
24

【目的】平成28年度より不妊治療に対する特定治療支援事業では43歳以上の患者が対象外となった.その一方,43歳以上で不妊治療により妊娠・出産に至る例を少なからず経験するところであり,43歳以上に対する治療について検討することは喫緊の課題といえる.今回,その一助とすべく当院での不妊治療による43歳以上の妊娠症例を解析,検討した.【方法】2011年から2013年に当院で不妊治療を行い妊娠が成立した3743例のうち,43歳以上の118例について治療歴,治療内容,転帰を検討した.【成績】妊娠成立時の年齢は平均44歳2カ月,最高齢は48歳8カ月であった.治療開始から妊娠成立までの日数は平均508日(27~2260日)であり,40歳以下に比べると有意に長かった.69%(81例)が初回治療であり,71%(84例)に流産を含む何らかの妊娠歴が認められた.妊娠成立時の治療内容はタイミング法13%(15例),人工授精(以下IUI)3%(3例),体外受精および顕微授精(以下ART)85%(100例)であった.他院治療歴のある症例(37例)の95%(35例)と,妊娠歴のない症例(32例)の94%(32例)はARTにより妊娠していた.ARTでの卵巣刺激法はクエン酸クロミフェン周期が54%(54例)と最も多く,36% (36例)がGnRH agonist short protocol(以下short法)であった.また凍結融解胚移植が約半数(49例)を占めた.妊娠の転帰は生産34%(40例,うち帝王切開26例),自然流産58%(68例),3例が異所性妊娠,5例で人工妊娠中絶が行われていた.【結論】今回の検討では85%の症例がARTにより妊娠していた.他院治療歴ありと妊娠歴なしの症例では大多数がARTでの妊娠であり,43歳以上の患者の治療選択において治療歴と妊娠歴が重要と考えられた.またARTの卵巣刺激法ではクエン酸クロミフェン法やshort法を積極的に使用しても良いと考えられた.ただし妊娠の転帰は厳しく,中期中絶症例があることも今後の課題と考えられた.〔産婦の進歩69(3):262-268,2017(平成29年8月)〕
著者
南場 淳司 阿部 尚央 井上 卓 武田 育子 新川 秀一
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.70-77, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
12

労災認定において詐聴, とくに誇大難聴が存在することは広く知られているところである。今回我々は2006年1月から2009年12月までの4年間に当科を受診し騒音性難聴の労災認定を希望した14症例を対象として, 従来施行してきた検査に加えて聴性定常反応検査 (ASSR) を行った。詐聴の診断はASSR閾値と純音聴力閾値を比較し, 純音聴力閾値がASSR閾値よりも高い場合を詐聴とした。結果は14症例中7例 (50%) を詐聴と診断し, その7例いずれも難聴の存在自体は明らかであり誇大難聴と考えられた。詐聴と診断した7例中6例は, 従来行ってきた検査からも詐聴と診断可能であり, ASSR検査結果と一致した。これまで騒音性難聴の意見書作成の際に, 詐聴の判断に苦慮するケースを少なからず経験してきたが, ASSR検査を行うことによりこれまでよりも正確に詐聴の診断ができる可能性が考えられた。
著者
井上 卓也 杉木 大輔 池上 敬一 上尾 光弘 上山 昌史 山下 勝之 織田 順
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.262-271, 2008-05-15 (Released:2009-07-25)
参考文献数
6
被引用文献数
4 2

喉頭損傷型気道熱傷患者に対して,気管支ファイバー検査(fiberoptic bronchoscopy,以下FOBと略す)を行い,喉頭浮腫の病態について検討し,気管挿管適応基準を作成した。1991年11月から1997年 4 月までに,体表熱傷あるいは気道熱傷を受傷して入院し,受傷後24時間以内にFOBを行えた156例中,喉頭損傷型気道熱傷と診断された68例を対象とした。68例は,入院直後のFOB後,独自の挿管基準に従って挿管の要否が判断された。対象を挿管の有無,挿管時期,挿管理由によって以下の 5 群に分けた。すなわち,初回FOB時に喉頭浮腫の挿管適応基準に従って挿管された14例(I群),初回FOB時,喉頭所見は挿管適応基準を満たさなかったが,他の挿管基準に従って挿管された14例(II群),初回の検査で挿管適応基準を満たさなかったが,その後の経過観察で喉頭浮腫により挿管された 4 例(III群),全経過を通じて挿管されなかった33例(IV群),初回の検査で挿管適応基準を満たさなかったが,担当医の判断により挿管された 3 例(V群)に分けた。(1)I,III,IV群の喉頭浮腫と受傷後時間の関係,(2)I~IV群間の年齢,体表熱傷面積,burn index,prognostic burn index,顔面熱傷の有無,頸部熱傷の有無の関連性,(3)III,IV群間の血清総蛋白濃度,及び喉頭浮腫に影響を及ぼすと考えられる治療内容について検討した。結論:1.受傷24時間以内の初回のFOBで診断された喉頭損傷型気道熱傷のうち,48.5%は我々の挿管適応基準を用いることで,挿管不要であった。この基準は根拠のある挿管のために有用である。2.喉頭損傷型気道熱傷の喉頭浮腫のピークは,受傷 6 時間以内と24時間前後に 2 峰性に認められた。3.喉頭の浮腫形成には,喉頭の直接損傷に加えて,熱傷による全身の浮腫が増悪因子として関与すると考えられた。
著者
御塚 加奈子 尾形 美穂 井上 卓也 中房 淳司 三砂 範幸 成澤 寛
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.259-262, 2007 (Released:2007-07-06)
参考文献数
13

70歳,男性。初診の4ヵ月前より背部にそう痒を伴う紅斑が出現した。膝関節,手背にも紅斑が拡大し,下肢の筋力低下も伴うようになった。臨床所見及び病理組織学的所見より皮膚筋炎と診断した。初診時血液検査にて汎血球減少と異型リンパ球を認めたため,造血器悪性腫瘍を疑い骨髄穿刺を施行し,急性骨髄性白血病と診断した。皮膚筋炎に悪性腫瘍を合併することが多いことは知られているが,急性骨髄性白血病を合併する症例は非常に稀であり,国内外併せて自験例を含め3例のみであった。悪性腫瘍を合併した皮膚筋炎について若干の考察を加えた。
著者
中村 祐貴 井内 美郎 井上 卓彦 近藤 洋一 公文 富士夫 長橋 良隆
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.203-212, 2013-10-01 (Released:2014-08-10)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

長野県野尻湖底には,過去10万年以上にわたり堆積物が累積しており,後期更新世以降の湖水位変動を明らかにし,さらにはその原因である水収支の変動を検討できる可能性がある.本論文では,野尻湖の音波探査記録に見られる湖水位指標と火山灰年代との組み合わせから,湖水位変動を復元した.その結果,湖水位は過去約4.5万年間に8回の上昇・下降を繰り返していることが明らかになった.復元された湖水位変動と,野尻湖における花粉組成や全有機炭素濃度プロファイル,グリーンランドのNGRIPや中国のSanbao/Hulu洞窟の酸素同位体比プロファイル,および地球規模の寒冷化イベントの時期とを比較すると,寒冷期とりわけHeinrich eventなどの急激な寒冷期と湖水位上昇期とが対応している.寒冷期に湖水位が上昇する要因としては,地球規模の急激な寒冷化の影響を受け,冬季モンスーンが強化されたことに伴う日本海からの水蒸気供給量の増加によって,この地方の降雪量が増加したことが,主要因として考えられる.
著者
小林 佐也加 中村 洋之 岩崎 瞳 大林 彩香 山﨑 昌代 喜田 美之 井上 卓哉 喜多 信之 谷本 清隆 岡田 節雄
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.377-382, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
13

「人生の最終段階」における医療・ケアに対して,医師・看護師が,「生命維持治療に関する医師指示書(Physician Orders Life-Sustaining Treatment: POLST)」を用いて終末期指示書を作成し,終末期に患者自身の意思・希望が反映されるよう取り組んだ.多くの患者が終末期に心肺蘇生や挿管を希望しなかった.抗生物質や非侵襲的陽圧換気療法(Non-Invasive Positive Pressure Ventilation: NPPV)は希望者が多く, NPPVは緩和目的を含めて8割が希望した.全ての項目において,肺癌・非肺癌で大きな差は認めなかった.家族は患者より延命治療を希望する傾向にあったが,話し合いの結果,患者自身の希望を尊重する例が多かった.
著者
井上 卓彦 村上 文敏 岡村 行信 池原 研
出版者
地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.301-312, 2007

The 2007 Noto Hanto Earthquake (MJMA 6.9) occurred on 25 March, 2007 at 37°13.2′N, 136°41.1′E, under the northwestern coast of Noto Peninsula, Ishikawa Prefecture. To clarify distribution and activity of active fault, a high-resolution multi-channel seismic survey was carried out in the source area using Boomer and a 12 channel streamer cable. Seismic profiles depict geologic structure up to 150 meters deep under sea floor. Sedimentary sequences ranging in age from Miocene to Holocene time are deformed by ENE-WSW to N-S trending folds and faults. The deformed sediments were truncated by erosional surfaces. The age of erosion is not clear in the offshore area, but the most remarkable erosion surface was formed at the Last Glacial Maximum (LGM) age. The surface is covered by Holocene sediments up to 40m thick. A NW downthrown fault continues in the ENE-WSW direction for more than 21 kilometers. The fault cuts Neogene sediments, but the deformation in the Holocene sediments is recognized as flexure. The fault is located near the northern margin of the aftershock area of the 2007 earthquake, supporting that the fault is connected to the source fault of the 2007 earthquake. The deformations in the Holocene sediments increase downward, indicating that the fault slipped repeatedly during the period of Holocene time. Comparison between the 3.5kHz SBP profiles obtained in 1988 and twelve channel seismic profiles after the earthquake suggests that the deformation during the 2007 earthquake occurred on the seafloor along the fault.
著者
井上 卓也 清水 幸雄 鍛治 徹 高崎 眞弓
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.556-558, 1992-07-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
7

麻痺性貝毒による呼吸筋麻痺の1例を経験した. 59歳の男性. ホタテ稚貝を知人よりもらい受け, 30~40個食べた. 1時間後より口唇, 両手足のしびれ感が現われ, 2時間後には呼吸が停止した. ただちに気管内挿管を行い, 人工呼吸管理を行った. 6時間後より徐々に筋力が回復し, 15時間後には自発呼吸が回復した. 2日後には四肢の麻痺は完全に消失した. 後遺症もなく退院した.
著者
井上 卓也 長谷川 和義 渡部 靖憲 船木 淳悟
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_739-I_746, 2015 (Released:2016-02-22)
参考文献数
27
被引用文献数
2 4

急流河川では,三角状水面波列と呼ばれる恐竜の背のような巨大な水面波列が,洪水時に発生する場合がある.この水面波列は河床の局所洗掘を引き起こし,結果として護床・護岸の安定性に影響を与える可能性がある.この波は反砂堆上の水面波の一種と考えられているが,その発生条件や特性についてはまだ分かっていない部分が多い.そこで本研究では,水面波列の発生条件と横断方向のモード数を把握するための基礎的な実験を行った.実験結果,水面波列の発生条件はフルード数と無次元掃流力に依存し,モード数は川幅水深比に依存することが確認された.
著者
井上 卓弥 平山 高嗣 高橋 友和 川西 康友 出口 大輔 井手 一郎 村瀬 洋 黒住 隆行 柏野 邦夫
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.138, no.11, pp.1399-1409, 2018-11-01 (Released:2018-11-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Recently, the spread of Web cameras has facilitated video-conferencing as a means of communication. Since a Web camera is usually located outside the display while the user looks at his/her partner in the display, there is a problem that they cannot establish eye contact with each other. Various methods have been proposed to solve this problem, but most of them required specific sensors, and robust and accurate feature extraction for various appearances to densely associate facial feature points of the images. In this paper, we propose a method that transforms the eye areas to synthesize eye contact using a single camera that is commonly implemented in laptop computers. Concretely, we implemented a system which transforms the user's eye areas in an image to his/her eye image with a straight gaze to the camera only when the user's gaze falls in a range that the partner would perceive eye contact. We then confirmed the effectiveness of the proposed method in terms of accuracy of the gaze area classification, subjective evaluation score for eye contact, and accuracy of eye contact through experiments.
著者
大杉 隆文 仲西 渉 多井中 美咲 井上 卓也 伊藤 悠 岩井 瞭太 香川 健太 松下 光範 堀 雅洋 荻野 正樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1765-1775, 2017-11-15

本研究の目的は,動物園の来訪者を対象に,園内を回遊しつつ自発的に動物に対する知識を深めることを促すことである.動物園などの社会教育施設では,来訪者に対して学習機会を提供することが可能である.しかし,動物園においては,学習の機会を提供する役割が薄れ,娯楽施設のような認識がされており,来園者の能動的な学習の姿勢を促すような情報の提示方法についての工夫は不十分である.本稿では,展示物に対する説明提示の方法を改善するために,利用者が自発的に動物を観察し,動物に対する知識を得ながら園内を回遊できるアプリケーションを実装した.回遊アプリには,(1)クイズ機能,(2)キャッチフレーズ提示機能,(3) Map機能,(4)動物図鑑機能を取り入れた.ユーザ観察の結果,アプリケーションがより詳しく観察することに貢献していること,動物園の全体に行動が及んでいることが示唆された.The purpose of this research is to encourage a visitor of zoo to deepen their knowledge of animals by facilitating autonomic obserbation while walking around the zoo. In general, the primary role of social educational facilities such as zoo is to offer learning opportunities to visitors. However, particularly at zoo, the role is diminished and it tends to be recognized as entertainment facilities. We assume that ingenuity on presenting information of animals to encourage visitors' active learning is insufficient. In order to improve the problem, this paper proposes a mobile application that users can spontaneously observe animals and get knowledge of the animals while going around in the zoo. The application has fourfunctions: (1) providing a quiz, (2) providing catch phrases, (3) navigating in the zoo, and (4) surveying animals' biology. Experimental results suggested that the application facilitates more detailed observation, and that the participant's behavior is spreading throughout the zoo.
著者
竹田 史章 大松 繁 井上 卓 尾波 宰三 小西 健一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.249-258, 1992-04-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

In conventional bill money recognition machines, we develop the recognition algorithm according to the transaction speed and diffierence of various specifications. However, development of the algorithm for the recognition has been based on the trial and error method. Many researchers have reported that neural networks are suitable for pattern recognition because of the ability of selforganization, parallel processing, and generalization. In this paper, we present a new bill money recognition method with neural network and show the effectiveness of the present algorithm compared with the conventional method by discrimination functions. Furthermore, we transform bill money data by FFT into frequency domain to reduce influence of the noise due to conveyed fluctuation. Then we adopt these Fourier coefficients or its amplitudes as input of the neural network. We show that the ability of recognition can be evaluated in detail by introducing a new measure of reliability.