著者
井上 忠男 尾崎 武司
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.49-50, 1980-01-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
13
被引用文献数
17 22

Yellow vein of Eupatorium chinense var. simplicifolium caused by a geminivirus (Osaki and Inouye, 1979) had long been attracted attentions by some Japanese botanists and plant pathologists. A poem written by the Empress Koken on the yellow leaf of Eupatorium in the year of 752 that appeared in “Manyoshu” would be the first record in all over the world in the literature of the possible plant virus disease.
著者
井上 忠男
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.13, pp.23-37, 2008

人道主義は、いかにして今日の国際社会における普遍的な道義的価値規範として確立されるに至ったのか。本稿は、近代国際法、特に19世紀後半に急速に発展した戦時国際法の法典化の歴史を辿ることにより、人道概念の普遍化の過程を考察するとともに、特に冷戦終結後の武力紛争に伴い国連、NGO、諸国軍隊等による広範な人道支援活動が展開される今日、グローバルな枠組みの中で人道主義が直面する多様な問題とその将来展望を考察する。
著者
吉川 信幸 井上 忠男 Converse Richard H.
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.437-444, 1986
被引用文献数
12

イチゴから分離されたラブドウイルス様粒子の3分離株(RとH, S)について,検定植物(<i>Fragaria vesca</i> UC-4, UC-5, UC-6と<i>F. virginiana</i> UC-10, UC-11, UC12)での病徴を調べたところ, R分離株は典型的なイチゴクリンクルウイルス(SCrV), HとS分離株はstrawberry latent C virus (SLCV)と考えられた。これら3分離株の感染葉とオレゴン州立大学保存のSLCV (SLCV-O分離株)感染葉の超薄切片を電顕により比較観察すると,いずれの分離株からもほぼ同じ大きさのラブドウイルス様粒子とviroplasmが検出されたが, R分離株ではウイルス様粒子とviroplasmが主に細胞質で観察されたのに対し, HとS, SLCV-O分離株では成熟粒子は主に核膜間隙に集積し,未成熟粒子とviroplasmは核内に存在していた。以上のことから,イチゴには2種類のラブドウイルス,すなわち細胞質関連型のSCrVと核関連型のSLCVが存在することが明らかになった。
著者
井上 忠男 Tadao Inoue 日本赤十字秋田看護大学
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 = Journal of the Japanese Red Cross Akita College of Nursing and the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:21868263)
巻号頁・発行日
no.14, pp.79-87, 2010-03-31

赤十字標章は、武力紛争時において医療活動を行う組織、要員及び資機材を保護するために1864年のジュネーブ条約によりその使用が規定された国際特殊標章である。本研究は、同標章の使用と管理を規定する国際文書及び国内文書並びに解説書を網羅した文献集を編纂することにより、標章の使用と管理を行う関係機関がこれらの適正な運用を図ることに資することを目的にする。本稿は、標記研究の成果として平成22年3月に刊行の『赤十字標章ハンドブック~標章の使用と管理の条約・規則・解説集』([株]東信堂刊)の「はしがき」「目次」「凡例」のみを抜粋し、本研究の概要を解説したものであり、研究の全体像については同書を参照ください。The Red Cross emblem, which was first adopted as an international distinctive emblem in the Geneva Convention of 1864, has been exclusively used for protecting the medical services of military or civilian in times of armed conflicts and, after WWII, more widely used in peace time as well. This study is aimed at compiling the collective documents of international, domestic legal instruments and their major commentaries on the applied use of the Red Cross emblem. Henceforth to facilitate proper use/management of the emblem among parties concerned with helping secure a better implementation of the law governing the use of the emblem. This abstract summarizes the outline of study by extracting the "introduction," "contents" and "explanatory notes" from "The Handbook on the Red Cross emblem: documents and commentaries on its use," to be published in March 2010. As for the full contents of the study, please refer to the above Handbook.
著者
佐古 勇 谷口 達雄 尾崎 武司 井上 忠男
出版者
The Kansai Plant Protection Society
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.21-27, 1990
被引用文献数
1

ネギ属植物に潜在感染し, 広く発生分布しているGLVの発生生態解明の一環として伝染方法などについて2, 3の実験を行った.<BR>1. 鳥取県下のラッキョウ畑におけるアブラムシ類の飛来は4月中旬頃から見られ, 5月になると急激に増加し, 5月下旬までその傾向は続いた. その後の飛来は夏季をピークに9月にはしだいに減少したが, 10月下旬まで持続した. 最も飛来数の多かったのはモモアカアブラムシで, 次いでワタアブラムシであった.<BR>2. GLVはモモアカアブラムシによりワケギ, ネギ及びラッキョウの保毒株での5~60分間の獲得吸汁,ラッキョウでの10~60分間の接種吸汁により10~20%の割合で伝搬が確認された. また, ネギァブラムシによってもネギ及びラッキョウの保毒株からラッキョウに10~30%の割合で伝搬された.<BR>3. ラッキョウ畑でのGLVの株の接触による伝染及びソラマメでの種子伝染は認められなかった.<BR>4. ラッキョウ産地においてウイルスフリー株を植え付けると, 再感染株率は植え付け当年の秋季には平均26.7%, 翌春には平均50.0%と高率となったが, 寒冷紗トンネル被覆により再感染が防止された.<BR>5. 種苗伝染試験では, 当代感染した株に形成される新分球のGLVの保毒率は20~69%であったが, 当代感染株からの保毒球を種球として栽培した株に形成される新分球の保毒率は100%となった. また, 在来保毒株からの分球もGLVを100%保毒していた. <BR>6. ELISA法によりりん茎部位別のウイルス濃度を比較すると, 外部より芯部の, また下部より上部のりん葉のウイルス濃度が高かった. しかし, 当代感染株と在来保毒株では全体に前者のウイルス濃度が低い傾向があり, 種苗伝染はりん茎のウイルス濃度との関係が示唆された.
著者
井上 忠男 尾崎 武司
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.49-50, 1980-01-25
被引用文献数
5

Yellow vein of Eupatorium chinense var. simplicifolium caused by a geminivirus (Osaki and Inouye, 1979) had long been attracted attentions by some Japanese botanists and plant pathologists. A poem written by the Empress Koken on the yellow leaf of Eupatorium in the year of 752 that appeared in "Manyoshu" would be the first record in all over the world in the literature of the possible plant virus disease.
著者
大木 理 井上 忠男
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.557-561, 1987-10-25
被引用文献数
1

微生物等の培地用として市販されている Gelrite の二重拡散法担体としての利用を検討した。CMV の純化ウイルスと抗血清を用い, 0.1Mトリス塩酸緩衝液 PH 8.0, 0.85% NaCl, 0.2% NaN_3 に 0.15% Gelrite, 0.2% MgCl_2・6H_2O, 0.3% SDS を添加したゲル (スライドグラスあたり 1.5 ml) を使って同条件の 0.5%精製寒天ゲルと比較したところ, Gelrite ゲルでは室温で 3〜5時間で結果を判定でき, 約50 ng/mlの純化 CMV, 感染タバコ葉の256倍希釈汁液中の CMV を検出でき, 所要時間は寒天ゲルの約半分で検出精度は100倍程度すぐれていることが分かった。沈降帯は TMV 等の長形ウイルスでも明瞭に観察されたのでウイルス抗原の検出診断に広く利用できるものと考えられる。また透明度が高いため, エピトープ分析などにも有用と思われる。