著者
剣持 敬 伊藤 泰平 星長 清隆
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.159-164, 2013-07-10 (Released:2014-11-26)
参考文献数
3

The organ procurement team must evaluate whether the organs such as liver, small intestine, pancreas, kidney can be procured or not by the donor conditions, past history, present illness, blood chemistry and ultrasonography. Before donor operation, multiorgan procurement teams should discuss about the order of organ procurement, crossclamp, blood drainage, perfusion technique and the division of the vessels. Donation of the abdominal organs from brain-dead donor is performed with the procedure of multiorgan donation technique. In the abdominal organs, small intestine is first extracted followed by the extraction of the liver and pancreas separately or en bloc. When the liver is solitary procured, en bloc procurement of pancreas and kidneys is popular in Japan. In the back table, the pancreas was isolated from the kidney grafts followed by the separation of both kidney grafts. Both kidneys are divided by the division of the aorta, the vena cava and the connective tissues. The kidney grafts are perfused with UW solution before packing on ice.
著者
會田 直弘 伊藤 泰平 栗原 啓 剣持 敬
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.57, no.Supplement, pp.s154_2, 2022 (Released:2023-02-23)

移植医療の進歩に伴い,移植後の生活の質は向上している.移植後に挙児を希望する患者も増加しており,すでに多くの患者が児をもうけている.男性移植患者に限ってみると,米国のNational Transplantation Pregnant Registryの報告では2015年までに879名の移植患者が児をもうけているとされる.心臓,肺,肝臓,小腸,膵臓,腎臓移植のいずれの男性移植患者でも報告があり,このうち43名は多臓器移植患者であった.このようにいずれの男性移植患者でも児をもうけることは可能である.移植後の妊娠・出産においては,主に女性を中心とした報告が注目を集めている.しかしながら,男性移植患者においても継続的な免疫抑制剤の内服が必要であり,薬剤の妊孕性への影響について移植医は十分に認識すべきである.多く使用されるカルシニューリン阻害薬は動物実験において精子数を減少させる可能性が指摘されており,mTOR形成阻害薬はテストステロンの低下,精子数の減少による受精能力の低下が指摘されている.一方でミコフェノール酸モフェチルは妊孕性への影響の報告はない.また、受精後の周産期合併症や胎児への影響についてはリスクが高いと示すものはなく、健常者と同等であると考えられる.男性移植患者の妊孕性や注意点についてガイドラインに基づき解説する.
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。