著者
佐藤 俊樹
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.15, pp.58-68, 2002-06-01 (Released:2010-04-21)
参考文献数
24

Contemporary sociology is often said to be built on multiple paradigms, but there is little substance behind this assertion. New theories or methods such as Foucault's concept of power, discourse analysis, and social constructionism, are not destruction, not even reconstruction, but merely reproduction of traditional sociology. Although they reject concepts such as “subject” or “society”, through their rejection they reintroduce equivalent concepts. If we will really wish to go beyond traditional sociology, we must abandon all terms that attempt an overview of society as a whole and discard almost all attempts to explain social phenomenon. Only a small set of basic concepts, like “addressing and addressed” (J. Butler), and a few regulative concepts based on them, like “response” and “action”, can help us.
著者
佐藤俊樹
雑誌
精神医学
巻号頁・発行日
vol.43, pp.17-24, 2001
被引用文献数
3
著者
佐藤 俊樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.404-423, 2017 (Released:2018-12-31)
参考文献数
38

最近注目されている統計的因果推論やベイズ統計学は, 効果量 (効果サイズ) の分析などとともに, 社会学にも大きな影響をあたえうる. これらは基本的な考え方ではウェーバーの適合的因果や理解社会学と共通しており, 量的データにもテキスト型データにも適用できる.例えば, 統計的因果推論は個体レベルの因果の多様さを前提に, その期待値として集団単位の因果効果を厳密に測定する方法であり, 一回性の事象にも理論上は適用できる. 潜在的な結果変数と原因候補と全ての共変量の同時分布を想定することで, 適合的因果をより正確かつ一貫的に再定義したものにあたる. 理解社会学であれば, 主観的で仮説的な先入観をデータの客観的な情報を用いてくり返し修正していくベイズ更新として, 再定式化できる.こうした方法群は主観性と客観性の両面を同時にもっている。それゆえ, これらを通じて観察される社会の実定性もこの両面をつねにもつ.
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.363-372, 2014 (Released:2016-07-10)
参考文献数
38

盛山和夫『社会学の方法的立場』ではM・ウェーバーやN・ルーマンらの方法論が批判的に再検討されているが,我々の考えでは,これらは彼らへの批判というより,その理論と方法の再記述にあたる.例えばウェーバーの方法は,近年の英語圏や独語圏での研究が示すように,主にJ・フォン・クリースの統計学的で分析哲学的な思考にもとづくもので,経験的な探究では『理念型』や『法則論的知識』は因果分析での反事実的条件としても使われている.彼の『価値-解釈』はベイズ統計学での事前分布と機能的に等価であり,有名な『価値自由』論が意味しているのは,内部観察である社会科学にとって不可避な,観察の理論負荷性である.
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社会科学研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.157-181, 2006

靖国神社(およびその前身の東京招魂社)は,長く「国家神道」の中心施設だと見なされてきた.しかし実際には,第二次大戦以前でも,その宗教的な性格や政治的な位置づけはかなり変化しており,特に1900年代の前と後では大きくことなる.ほとんどの靖国神社論は政治的立場のいかんを問わず,この点を無視されている.それらが1911年に出た『靖国神社誌』の靖国神社像を踏襲しているからである.本論では,『武江年表続編』や東京ガイドブックといった同時代史科をつかって,1900年代以前の靖国神社(東京招魂社)がどんな宗教的・政治的な意味をおびていたかを,政治家でも宗教家でもない,東京のふつうの生活者の視線から描きだす.それによって,戦前前半期の日本における宗教-政治の独特な様相の一端を明らかにする.
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.363-372, 2014

盛山和夫『社会学の方法的立場』ではM・ウェーバーやN・ルーマンらの方法論が批判的に再検討されているが,我々の考えでは,これらは彼らへの批判というより,その理論と方法の再記述にあたる.例えばウェーバーの方法は,近年の英語圏や独語圏での研究が示すように,主にJ・フォン・クリースの統計学的で分析哲学的な思考にもとづくもので,経験的な探究では『理念型』や『法則論的知識』は因果分析での反事実的条件としても使われている.彼の『価値-解釈』はベイズ統計学での事前分布と機能的に等価であり,有名な『価値自由』論が意味しているのは,内部観察である社会科学にとって不可避な,観察の理論負荷性である.
著者
竹山 峻平 佐藤 俊樹 野嶋 琢也
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.1, pp.1-6, 2010-08-16
被引用文献数
1

人はその口唇形状を,発話や食事,感情表現などのために自らの意志に基づいて変化させることが可能である.近年,この口唇形状を利用した読唇システムなどが研究されている.しかしながら,多くの研究は 「発話」 という機能に重点を置いており,その他の口の持つ機能に注目しているものは少ない.そこで本研究では口唇形状認識インタフェースの異なる可能性を検討するため,口唇の形状・動きをインタフェースとしたエンタテインメントシステムを提案する.People often change their shape of lips especially when they speak. Then, many researchers focus on recognizing the shape of the lips for "lip reading". However, the shape of lips are also changed when people eat, and when they express their emotion. Furthermore, lips are the part of human body that have high degree of freedom of motion. Then, in this research, we propose to use the shape of lips as human machine interface. In this report, we describe on the entertainment system that utilize shape of lips.
著者
佐藤 俊樹
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.55, pp.7-21,247, 2001-09-30 (Released:2009-01-15)
参考文献数
9

The various reformations of 90's Japan are often summarized as "From equality of result to equality of opportunity". However, the cause and implication of this change are not sufficiently made clear. On statistical data, the improvement of equality, both of result and of opportunity, has been stagnant since 80's. So the reformation in 90's was not caused by excess of the equality of result, but this stagnation itself caused the change of the principle of equality. In this paper, with re-examination of the concept of "opportunity", we show how this change is related to the new phase of 90's Japan, such as stagnation of equalization, sustainable society, and privatization.
著者
佐藤 俊樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.734-751, 2009-03-31 (Released:2010-04-01)
参考文献数
28
被引用文献数
3 2

階層帰属の定義は主観と客観の間をゆれ動いてきた.ここでは,そのどちらも前提にせず,SSMデータにもとづいて,階層帰属とはどんな変数なのかを再検討する.2005年調査では,「上/中/下」帰属が質問文の順番に左右されない客観性をもつ.また,本人収入による「上/中/下」帰属の分布の乖離はさらに拡大したが,その一方で,「1-10」帰属は「5」に集中する形にかわっており,分化と斉一性の二重性という特徴が見られる.階層帰属は当事者カテゴリーとしての「上/中/下」を準拠枠として,自らの階層的リアリティを位置づけたものと考えられる.いわば階層的社会の見え姿であり,それ自体が現代の自省的階層社会の一部となっている.それゆえ,階層帰属の分析は,現代社会学や理論社会学の研究にとっても重要な事例になる.
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

1)意味システム論としてのコミュニケーションシステム論を、特に従来の社会学での制度概念とのつながりと複数の分野への応用しやすさに注目して、理論的に再構築した。2) 1)の成果を都市の生成に適用することで、都市の自己生成の形態を、自己産出的な意味システム論の視点から明らかにした。
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.37-48, 2000-06-30 (Released:2016-09-30)
参考文献数
21

社会学は「システム」という用語を瀕用するが、その経験的意義は決して明確ではない。ここではN.ルーマンのシステム論を、相互作用システムという事例から考察する。彼の理論は行為概念の変更までふくむラディカルなものであり、「社会とは何か」への有力な答えとなっている。だが、厳密にその論理をおっていくと、複数のレベルを交錯させることで、システムの実在性を不当前提している可能性が高い。そのことは、たんに「システム」だけでなく、「行為」「コミュニケーション」「社会」といった社会学の基本概念自体に再検討をせまる。
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.2_3-2_20, 1990-11-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
25

プロテスタンティズムの倫理は近代資本主義を生んだか? この問いは現在の社会学の出発点である。だが、Weber自身のを含めて、従来の答えはすべて失敗している。経営の規律性や強い拡大志向、資本計算などは日本をはじめ多くの社会に見出されるからだ。この論考では、まずそれを実証的に示し、その上で、プロテスタンティズムの倫理が「禁欲」を通じて真に創出したものは何かを問う。 それは合理的な資本計算や心理的起動力などではない。個人経営においても、経営体(組織)と個人の人格とを原理的に分離可能にしたことである。この分離と両者を規則を通じて再結合する回路こそ、日本の経営体に決定的に欠けているものであった。なぜなら、それが近代の合理的組織の母型になったのだから。その意味においてはじめて、プロテスタンティズムの倫理は近代資本主義を生んだといえるのだ。
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本年度は特に、(1)本研究プロジェクトの学術的成果をふまえて、社会学の従来の方法論と統計的因果推論などの最新の分析手法との連続性と非連続性を明確にして、因果推論の方法を社会学のなかに適切に位置づける、(2)それらをふまえて「量対質」の対立をこえた安定的な因果分析の枠組みを構築する、の二つを主な課題にして研究を進めた。特に研究成果を狭い範囲の専門家だけでなく、隣接諸分野の研究者や大学院生や学生なども読者層となる媒体に成果の一部や、それらをふまえたより実践的な考察を掲載することができ、より一般的な形での成果の発信・還元を進めることができた。佐藤俊樹「コトバの知と数量の知 百年のウロボロス」(『現代思想』20年9月号)では、マックス・ウェーバーの比較宗教社会学をとりあげて、それが適合的因果の方法論に厳密にしたがっており、それゆえ彼の社会学的研究全体もこの方法論を軸に体系的に整理できることを述べた。佐藤俊樹「知識と社会の過去と美来」(『図書』860,862,864号)では、新型コロナ感染症のパンデミックへの対応を主な事例にして、現代の社会と社会科学がどのような状況にあるのかを素描した。今回のパンデミックは大規模感染症がもつ確率的な事象という面に対して、社会が反省的な対応を迫られた最初の事例である。偽陽性と偽陰性が第二種の過誤と第一種の過誤の問題であるように、「知る」ということは科学的には確率的な推論であるが、社会の側ではそれを受け入れられない。そのずれは社会科学の内部にもその成立以来、ずっとありつづけおり、ウェーバーの方法論はそのずれへの反省的対処の最初の試みの一つにあたることを示した。
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.151-170, 1988

理解社会学という方法は,社会学の最も古典的な方法の一つで,かつ,現在でも多くの社会学者が意識的または無意識的に用いている方法である。にもかかわらず,この方法はこれまで,理解をめぐる哲学的議論や学説史的な視点からのみ問題にされ,具体的な社会記述の方法として反省的に定式化され理論的に検討されることは,ほとんどなかった。本論考ではまず,理解社会学の方法を,Weber固有のジャーゴンを離れ,行為論の一般的な術語を用いて,公理系として捉える。そして,この公理系の検討を通して,通常全く自然な作業と思われている「理解社会学的に理解している」ということが実際にはどういうことなのか,その射程と限界について明らかにする。
著者
佐藤 俊樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.2_151-2_170, 1988-10-09 (Released:2009-03-06)
参考文献数
22
被引用文献数
1

理解社会学という方法は,社会学の最も古典的な方法の一つで,かつ,現在でも多くの社会学者が意識的または無意識的に用いている方法である。にもかかわらず,この方法はこれまで,理解をめぐる哲学的議論や学説史的な視点からのみ問題にされ,具体的な社会記述の方法として反省的に定式化され理論的に検討されることは,ほとんどなかった。本論考ではまず,理解社会学の方法を,Weber固有のジャーゴンを離れ,行為論の一般的な術語を用いて,公理系として捉える。そして,この公理系の検討を通して,通常全く自然な作業と思われている「理解社会学的に理解している」ということが実際にはどういうことなのか,その射程と限界について明らかにする。