著者
白川 友紀 鈴木 敏明 鴫野 英彦 佐藤 博志 長澤 武 武谷 峻一 加茂 直樹 山岸 みどり 夏目 達也 渡辺 公夫
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

本研究では各大学における教育目標、教育方針、アドミッションポリシーと中等教育の多様性の適合度を明らかにしたいと考え、入学者受入方針等に関する調査を行うとともに、AO入試の実施状況、オープンキャンパスにおける高校生に対する情報提供の現状と課題、専門高校および総合学科高校出身者の大学受入の現状、ならびに入学者の志望動機等に関するアンケート調査などを実施した。また、専門高校、総合学科高校、SSHと高大接続、総合的な学習と高大接続などの高校での学びの多様化と大学入試について研究会を開催し、話し合った。モデル化も行う予定であったが、この数年でAO入試実施大学が急激に増加し、そのアドミッションポリシーも新たに独白性を持ったものが増えており、今後さらに増加すると予想されるため、静的なモデルではあまり意味がないと考え現状分析を行った。今後、時代の変化に応じた新しい入試や大学進学を扱う、環境適応能力を表現できる動的なモデルを考える必要があると思う。アドミッションポリシー、入学試験や合格者への調査は本研究のメンバーによって大変精力的に行われ、大きな成果があったと考えている。一方、入学後ある程度の時間を経た学生や大学側の満足度のような指標の調査はあまり広く実施できなかった。複数の大学で共通のアンケート調査を実施して卒業研究評価を試み、幸い九州大学と筑波大学の2大学で実施した結果を平成18年度の入研協で報告できることとなったが、このような共同研究は大学間の調整の困難さだけでなく、アドミッションセンターと学部や学科との間の調整がかなり困難であるらしいことも分かった。海外調査はSARSの影響で平成16年度以降に行った。欧州の調査は行えなかったが本研究メンバーが他の研究費で行ったフィンランド等の調査結果について本研究のミーティングで知ることができた。本研究では米国、オーストラリア、中国、台湾の調査を行い、各国で入試の多様化が進んでいることが分かった。「理科離れ」について、理科教育を熱心に行っている教員や学芸員、SSHの教員との研究会を開催してAO入試との関連について話し合った。総合的な学習で理科が好きになる、総合的な学習の時間を減らして理科の時間を増やすべき、などの意見があった。しかし、私見であるが、実践されている授業内容に大きな違いは無いように思われ、また、理科離れは科学振興という社会の要請と生徒や学生の個人の幸福が結びついていないというところにも問題があると思われた。さらなる研究が必要である。本研究の成果は、平成15、16年度中間報告書とシンポジウム論文集ならびに成果報告書の4部に収録した。
著者
佐藤 博志
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.331-339, 2007 (Released:2007-08-18)
参考文献数
6
被引用文献数
1

神経学的障害を持つ患者が機能的活動を再獲得するための過程において,患者が持つ潜在能力を適正に捉え,その顕在化を阻害している因子を改善することは,その評価と治療的アプローチにおける課題である。これらの患者の多くは姿勢制御不全を来たし,機能的活動の阻害因子となっている。随意運動としての行動の発現には姿勢制御が先行すること,姿勢制御のためには異なる種類の多くの感覚入力が必要である事などを考慮すると,姿勢制御を獲得する過程が適応行動の神経基盤として重要であると考える。本稿では臨床的な視点での姿勢制御の構成要素に注目し,神経学的障害を持つ患者の評価と治療的アプローチについて述べる。
著者
佐藤 博志
巻号頁・発行日
2015

科学研究費助成事業 研究成果報告書:挑戦的萌芽研究2013-2014 課題番号:25590218
著者
大寺 真史 吉田 直史 佐久間 秀明 佐藤 博志 斎藤 真一 佐藤 弘一 手代木 昌宏 齋藤 弘文 半沢 伸治
出版者
福島県農業総合センター
雑誌
福島県農業総合センター研究報告 (ISSN:18825613)
巻号頁・発行日
no.3, pp.29-45, 2011-03

(1)2009年に「あぶくまもち」として品種登録出願され、福島県で糯米品種として奨励品種(特定品種)に採用された。(2)1993年に福島県農業試験場において、「ふ系172号」を母、「奥羽糯347号」を父として交配された。F1~F3世代は温室で集団養成、F4世代では個体選抜、F5世代以降は系統育種法により選抜および固定が図られた。(3)「あぶくまもち」の特性は以下のとおりである。A 出穂期、成熟期ともに「ヒメノモチ」よりも2日前後早く、「こがねもち」よりは10日程度早い。福島県の熟期区分では'中生早'に属する。B 草型は'中稈・穂重型'で、耐倒伏性は「こがねもち」よりも強く、「ヒメノモチ」並の'やや弱'である。C いもち病真性抵抗性遺伝子型は'Pia, k'と推定され、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちともに「こがねもち」よりも強く、「ヒメノモチ」並の'強'と判定された。D 障害型耐冷性は'極強'で、「ヒメノモチ」および「こがねもち」より3ランク強い。E 穂発芽性は'やや難'で、「ヒメノモチ」および「こがねもち」より3ランク優る。F 収量性は「ヒメノモチ」並で、粒大はやや小さい。品質に関して、青未熟粒がやや目立つが、形質や色沢、白度等を加味すると、総合的に「ヒメノモチ」および「こがねもち」と同等である。G 餅つき後の硬化が「ヒメノモチ」よりも早く、切り餅および丸め餅に対する加工適性に優れる。H 食味は丸め餅でコシが強く、伸びは悪いが、総合的には「ヒメノモチ」並である。また、おこわでは「ヒメノモチ」を上回る評価である。(4)栽培普及地帯は県内の阿武隈山間地域である。(5)耐倒伏性がやや弱く、青未熟粒により品質が低下する場合があるため、多肥栽培は避け、適期刈取りに留意する。