著者
堀田 龍也 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.117-125, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
31
被引用文献数
2

高度情報通信社会を迎えた今日における情報リテラシーに関する教育はどうあるべきなのか.本稿は,この問いに対する初等中等教育段階を対象とした教育について検討する.まず,これまで我が国の初等中等教育で検討・実施されてきた情報リテラシー教育を概観し,児童生徒の情報リテラシーの実態について把握する.その上で,初等中等教育において取り組まれている情報リテラシー教育の実践や研究を整理し,課題を指摘する.
著者
手塚 和佳奈 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47050, (Released:2023-10-27)
参考文献数
9

Web から信頼できる情報を収集するための批判的思考の技能を児童が獲得できるようにする手立てを検討することを目的に,小学校第5学年1学級を対象に批判的思考の技能を学ぶテキストを活用した実践を1ヶ月間実施した.その結果,Web からの情報収集について基礎的な指導を受けている学級においては,①教科等の学習の文脈で児童がWeb から情報を収集する際に,自分の必要とするタイミングでテキストを参照でき,②学習した批判的思考の技能を実際に発揮しながら鍛えることができる学習環境が,手立てとなることが示唆された.
著者
三井 一希 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46056, (Released:2022-09-02)
参考文献数
7

児童のICT 操作スキルに関して,教師が行った支援方法とその期間を,認知的徒弟制モデルのうち,熟達化を促すための方法に着目して調査し,実態を把握することを目的とした.小学校教師12名の回答を分析した結果,Web サイトの作成スキルのように,教師の手本を観察させて学ばせる期間が長くなるものがある一方で,地図アプリの操作スキルのように,支援を少なくしてすぐに自立の段階に移行できるものがあること等が示された.また,認知的徒弟制モデルに沿った順番どおりの支援が最適とは限らない可能性が示唆された.
著者
堀田 雄大 八木澤 史子 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47048, (Released:2023-11-24)
参考文献数
10

本研究では,教員5名に対して,動画視聴による研修への指向性と意識について実態を調査した.結果,肯定的に捉えている理由には,自分のタイミングで学習を進めることができる,学習の機会が増えたり繰り返し復習ができたりすることができる,という内容が抽出され,否定的に捉えている理由には,他者とのつながりが必要,一人で取り組むことが必ずしも集中につながらないといった内容が抽出された.このことから,今後,動画視聴による研修については,教員個別のペースを保障できる期間や学習環境を設けること,相互評価や交流を取り入れたりすることなどの研修内容の改善に繋がる視点について示唆を得た.
著者
稲木 健太郎 泰山 裕 大久保 紀一朗 三井 一希 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47055, (Released:2023-09-04)
参考文献数
8

本研究は,思考ツールの選択に関するメタ認知にクラウドで共有した他者の振り返りの参照が与える影響を検討することを目的とした.小学校第4学年児童を対象に,思考ツールの選択に関する振り返りをクラウドで学級内へ共有し,参照させ,改めて自覚したことがある場合は振り返りを追記させた.参照前の振り返りにおいてメタ認知に該当する記述数の多かった群を高群,少なかった群を低群とし,記述の分析とインタビューにより参照の影響を検討した.結果,参照が高群と低群のメタ認知を促すこと,参照により,低群では特に自覚が困難だった経験が,高群では特に無自覚になっていた経験が想起され,メタ認知につながったことが示唆された.
著者
内田 佳途 三井 一希 浅井 公太 棚橋 俊介 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45063, (Released:2021-08-25)
参考文献数
10

小学校での1人1台端末を活用する場面において必要になる学習規律を分類・分析するため,小学校教師2名を対象に導入後2か月間で指導した学習規律に関する調査を実施した.結果,11項目の学習規律が指導され,学習規律を一覧表にまとめた書籍を参考に分類したところ,指導場面が一致する「学習上のルール」,一致しない「端末を扱う上でのルール」の2つに大別された.「学習上のルール」は1週間で定着が図られたことから,これまでの学習規律と同様の指導により定着が図られることが考えられるのに対して,「端末を扱う上でのルール」は定着に2週間以上時間を要すること,ICT スキルを伴う指導が必要となることから,これまでの学習規律と指導方法が大きく異なることが示唆された.
著者
渡邉 光浩 三井 一希 佐藤 和紀 中野 生子 小出 泰久 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.84-89, 2021-06-01 (Released:2021-12-01)

本研究では,1人1台情報端末の環境で初めて学習する児童の情報端末や周辺機器等を操作するスキル(以下,ICT操作スキル)の習得状況を明らかにするため,1)キーボードによる日本語入力の速度と2)基本的な操作やアプリの操作の習得に関する意識を調査した。キーボードによる日本語入力は,活用開始から2か月,3か月,4か月と入力速度が有意に速くなり,文章を見たままに入力する視写入力の方が,文章を読んで考えたことなどを入力する思考入力より速いが,4か月でその差が縮まった。また,基本的な操作やアプリの操作は,活用の多い基本操作や授業支援,プレゼンテーションのアプリから身に付き始め,4カ月で多くの学習ツールなどのアプリの操作が身に付く一方,4か月を経過しても難しい操作や活用の少ないものの操作はまだ身に付かないことが明らかになった。
著者
佐藤 和紀 小田 晴菜 三井 一希 久川 慶貴 森下 孟 谷塚 光典
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45061, (Released:2021-11-02)
参考文献数
6

小学校高学年児童がクラウドサービスの相互参照を用いて,他者の文章を参照して意見文を作成する実践を行った.意見文の評価と意識調査の結果,他者の意見文を参照したグループ児童の意見文の評価は有意に高く,他者の意見文を参照していないグループの児童よりも読み手にどう伝わるか気をつけて書く,自分の考え以外の視点でも書く,主語と述語のつながりを注意して書く,形式的なミスを少なくする,ことを意識していた.
著者
槇 誠司 佐藤 和紀 板垣 翔大 齋藤 玲 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.045-048, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
7

情報化社会に向かう今日において,統計的リテラシーを身につけることがより重視されている.本研究では,グラフの傾向を読み取り,考察し,それを根拠にして示された事象について批判する能力(以下,グラフ解釈能力と呼ぶ)を短時間で児童に身につけさせるための学習を授業時間内で実施した.この学習は,児童がグラフ解釈を行った結果を100字以内でまとめ,それらの内容を隣同士で互いに話し合い,最後に全体に向けて発表するまでを10分間でおこなう学習活動である.グラフ解釈に関する短時間学習を14回実施した場合,クラス全体のグラフ解釈能力は7回目頃から向上する傾向にあることが示唆された.さらに,グラフ解釈に関する短時間学習を経験した児童は,これを経験しない児童と比較して,グラフ解釈に関するテストの得点が高いことが明らかとなり,本学習の効果が示唆された.
著者
佐藤 和紀 三井 一希 手塚 和佳奈 若月 陸央 高橋 純 中川 哲 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.353-364, 2021-12-20 (Released:2022-03-18)
参考文献数
24
被引用文献数
2

GIGA スクール構想の標準仕様にしたがってICT 環境が整備され,1人1台の端末を活用している学級へのICT 活用に関する児童と教師への調査から,導入初期の児童によるICT 活用と教師の指導の特徴を検討した.その結果,児童は1人1台の情報端末を日々の活動の中で,さまざまなアプリケーションを組み合わせて活用しながらクラウド上でコミュニケーションを取っていたこと,教師は学校内の情報端末の活用については指導できるが,家庭学習については自治体のルールや情報モラルの観点から指導できていないことが特徴として挙げられた.
著者
荒川 詠美 三井 一希 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45066, (Released:2021-11-15)
参考文献数
10

本研究は,小学校高学年を対象に,複数の情報の読み取りが必要な調査問題を作成し,(1)正答率(2)問題や資料等を読む順序(3)新聞やフィクションを含む読書頻度について調査を行い,正答率と読む順序の関係性と,正答率と読書頻度の関係性の検討を行なった.その結果,(1)正答率と手順の比較では,正答の児童と誤答の児童の読む手順に大きな差はみられないこと,(2)出題した3問全てで正答の児童の方がフィクションを月に数回程度読んでおり,誤答の児童よりも読書頻度が有意に高かったことが示唆された.正誤による読む順序に大きな違いはないがフィクションの読書頻度が異なり,読み方に特徴があると示唆された.
著者
柴田 隆史 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.212-221, 2019-10-15 (Released:2020-12-22)
参考文献数
17
被引用文献数
2

教育の情報化に伴い,学校の教室でタブレット端末を利用する機会が増えている.教室でのタブレット端末の利用は,明るい室内環境の中で決められた自分の座席で用いるなどと日常生活での利用とは異なるため,学校での児童の利用について人間工学的視点により検討することは重要である.そこで本研究では,小学校でのタブレット端末利用における,児童が抱えるユーザビリティの問題と身体疲労に着目した検討を行った.本研究の目的は,児童のタブレット端末利用の実態を明らかにすることであり,そのために,小学校でタブレット端末を1年以上使用した小学1年から6年までの児童830名を対象として,タブレット端末の使いやすさと児童の身体的側面への影響に関するアンケート調査を実施した.その結果,児童の約57%がタブレット端末の画面に蛍光灯が映りこんで見にくいと感じていることや,3人に1人の児童が眼や首,肩などに身体疲労を感じていることが明らかになった.それにより,ICTを活用した学習環境の構築のためには,児童がタブレット端末を無理なく使える対策を講じる必要性が示唆された.
著者
中川 哲 齋藤 玲 板垣 翔大 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.141-156, 2023-01-20 (Released:2023-02-01)
参考文献数
27

本研究では,テスト採点支援システムの利用経験を持つ初等中等教育の教員に対して,テスト採点業務の意識や実態に関するアンケート調査を行った.調査の結果,手採点との比較で,小学校,中学校・高等学校のいずれの学校種における教員においても,今後,採用したい採点手法としてシステム採点が選好された.調査結果の分析から,システム採点の作業面で,採点時間の削減と作業負担の軽減,採点全体の正確さの特性が明らかになった.また,学習指導面では,クラス全体の理解状況の把握についての特性が明らかになった.中学校・高等学校においては,教員自身の指導の振返りについての特性も見られた.一方,学習指導面において,システム採点を行った場合,学習者一人ひとりの理解状況の把握が難しくなるという課題が一部でみられた.この課題については,システム採点において,印刷後の紙の解答用紙を確認するなどの紙とデジタルを併用する解決策がみられた.
著者
伊藤 真紀 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.208-213, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

本研究は,小学校4学年の児童が反転授業の予習に取り組む際に,情報端末を介した外的リソースを,選択・活用しているかの実態,および,活用することによる児童の授業への参加意識の実態を調査した.その結果,①教師がいない環境である家庭においても,自ら外的リソースを選択して予習に取り組む児童がいること,②他者参照や教師のコメントという外的リソースの活用が,児童の予習への取り組みに対して成果の向上や意欲の高まりにつながる可能性があること,③情報端末を介した外的リソースを活用して予習に取り組むことで,93.0%の児童が授業への参加意識に関して肯定的に捉えていることが示唆された.
著者
南條 優 金松 萌々花 若月 陸央 吉田 康祐 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.214-221, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

本研究では,学習方法や学習形態を選択しながら学習している様子をイメージすることができるマルチアングル授業映像を,日常的に1人1台の情報端末を活用し学習の個性化に取り組もうとしている児童が視聴した際に,「学習の個性化」をイメージすることが可能であるかを,質問紙調査で評価を行い検討した.その結果,26名中23名の児童が「学習の個性化」をイメージできたと回答した.具体的には,自由記述で31件と最も多くみられた「学習方法」に関する気づきから,児童の情報収集の方法の違いなどをマルチアングルで確認することで,「学習の個性化」をイメージできた可能性が考えられた.
著者
小倉 光明 佐藤 和紀 森下 孟 村松 浩幸
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46043, (Released:2022-10-17)
参考文献数
6

GIGA スクールプロジェクトに基づく情報端末の運用および活用に対する課題意識(以下,GIGAスクールP における課題意識)について,初期・中期・後期段階の質的変遷を把握した.その結果,小・中学校では初期,中期で運用と活用に関する課題意識が5割程度であり,後期から活用に関する課題意識が6〜7割程度に高まっていた.教育委員会では,中期から活用に関する課題意識が7割程度に高まっていた.運用に関する課題はネットワーク環境やセキュリティに関する内容も多く,教員での解決は難しい.このような内容を踏まえて,主体的・対話的で深い学びの実現に向けてGIGA スクールP における課題意識に合わせた支援が必要であると考えられる.
著者
中村 瑠香 工藤 綾乃 南條 優 若月 陸央 萩原 ほのみ 森下 孟 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.68-75, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

本研究では,GIGAスクール構想下における,1人1台の情報端末のICTを活用した授業実践を把握し,小学校の授業実践に関するDXの現段階を検討することを目的として,2021年1月から2021年11月までに出版された「GIGAスクール構想」「1人1台端末」に関する書籍21冊に掲載された小学校の1人1台端末を活用した授業実践を,SAMRモデルを用いて分類した.その結果,①中学年になるとM・R(変換)の授業実践が増加すること,②教科全体ではS・A(強化)の授業実践が多いが,総合的な学習の時間ではM・R(変換)の実践が多いことが確認できた.
著者
稲木 健太郎 泰山 裕 三井 一希 大久保 紀一朗 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46058, (Released:2022-07-26)
参考文献数
7

本研究は,児童が学習方法を自己選択する授業の経験と学習方法のメタ認知の関係を調査し,学力の高低ごとに検討することを目的とした.調査対象の授業を週15コマ程行った学級を高頻度群,週3コマ程行った学級を低頻度群とし,学習方法のメタ認知に関する振り返りの記述数と学力との関係を分析した.結果,経験頻度と学力の二要因が,学習方法のメタ認知的活動に関係する可能性が示唆された.一方,学習方法のメタ認知的活動を適切に行うには,学習方法を自己選択する経験だけでなく,学習方法に合わせたメタ認知的活動を適切に行うための支援や,学力下位群への支援が必要となる可能性が示唆された.
著者
手塚 和佳奈 佐藤 和紀 三井 一希 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45067, (Released:2021-10-21)
参考文献数
8

本研究は,GIGA スクール構想の標準仕様にしたがってICT 環境が整備された学校で1人1台の端末を活用した実践を先行実施していた小学校教師の情報モラル指導に対する負担感・困難さを検討することを目的に,半構造化インタビューを実施した.その結果,【A 情報モラル指導のタイミングの難しさ】【B 情報モラルの指導形態に関する迷い】【C 端末の活用場面に即した指導だけでは補えない指導内容】【D 情報モラル指導に対する教員間の考え方や進度の調整】【E 情報モラルに関する個別指導】【F 児童間のオンラインでのやりとりの観察】の6種類が確認できた.
著者
佐藤 和紀 三井 一希 手塚 和佳奈 若月 陸央 高橋 純 中川 哲 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45019, (Released:2021-09-14)
参考文献数
24

GIGA スクール構想の標準仕様にしたがってICT 環境が整備され,1人1台の端末を活用している学級へのICT 活用に関する児童と教師への調査から,導入初期の児童によるICT 活用と教師の指導の特徴を検討した.その結果,児童は1人1台の情報端末を日々の活動の中で,さまざまなアプリケーションを組み合わせて活用しながらクラウド上でコミュニケーションを取っていたこと,教師は学校内の情報端末の活用については指導できるが,家庭学習については自治体のルールや情報モラルの観点から指導できていないことが特徴として挙げられた.