著者
中井 英一 倉坪 茂彦 藤間 昌一
出版者
茨城大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

フーリエ級数の収束問題について、1変数の関数の場合には1960年代までの研究によりほぼ解決しているが、多変数関数の場合にはまだ分からないことが多い。近年では、Gibbs現象に加え、Pinsky現象、倉坪現象が発見され、多変数フーリエ級数の複雑さがより明らかになった。一方、ガウスの円問題は、円の面積とその円内の格子点の個数との誤差を評価する問題である。Gaussは、誤差のオーダーは円の面積の1/2乗以下であることを証明した。1915年、Hardyは、1/4乗に限りなく近いと予想した。しかし、現在でも未解決である。本研究では、この一見無関係と思われる2つの未解決問題の同値性を証明した。