著者
崔雄 関口 博之 八村広三郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.100, pp.39-44, 2008-10-11
被引用文献数
5

本研究の目標は,モーションキャプチャによる身体動作データを用いて居合道の熟練度を定量的に分析することである.居合道の熟練度を比較するために,切りおろし動作を対象にして被験者の身体動作データを収録した.データ分析には多変量解析 (主成分分析,クラスター分析) を用いて身体動作データから抽出した身体の特徴量を定量化した.その結果,切りおろし動作に対する居合道の熟練度は身体重心と切り下ろしの速度,身体の安定性で分類できることがわかった.The purpose of this research is to make a quantitative analysis of laido (the Japanese martial art of using the Japanese sword) proficiency with multivariate data analysis. We carried out expenments of motion capture on Kirioroshi (a straight overhead slash) movement of Roppon-me (a sword thrust using two hands) in laido. We can analyze the proficiency of an laido practitioner by conducting PCA (Principal Components Analysis) and cluster analysis of parameters of body movement. In addition, it is expected that our research will help laido practitioners and masters with laido training through giving new information on laido movements.
著者
石井 晃 崔 雄 李 亮 関口 博之 八村 広三郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.465-474, 2013

We propose an interactive healthcare system that uses feces data to support health promotion using smart phone. User inputs feces data, such as shape, color, smell, etc., into the system when they go to the lavatory. If the input data is significantly bad, the user will be notified that the condition of his/her health requires more attention. The user can print feces data that is stored in the system and show it to a doctor. We expect the users can adhere to input their data to the system without getting bored by introducing an interactive game interface.
著者
八村広三郎 英保 茂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.91, pp.37-44, 1995-09-15
参考文献数
6
被引用文献数
25

画像のような視覚メディアは、多くの感性的情報を人間に与え、我々はこのような情報を、無意識的に画像の検索などの際に利用していると考えられる。画像処理操作により、画像中から、このような感性的要素を抽出することができれば、これらの情報は、大規模な画像データベースから目的の画像を検索するために、有効に利用することができる。ここでは、画像のひとつのカテゴリーとして絵画を選び、絵画の中から感性的要素を抽出し、検索に利用する方法について報告する。対象とした絵画は近代日本の花鳥画である。まず最初に、花鳥画について、SD法と因子分析により、印象構造の抽出を試みた。この結果、絵画の印象は描かれているモチーフにより支配される傾向が強く、また、モチーフを描くために使用されている色彩は、絵画の中で、比較的目立つ色であることが多いことが分かった。このような観点から、画像処理手法により、対象の絵画から、主要な色の領域と背景の色の領域を抽出し、これらの情報を用いて絵画の検索を行う手法について述べる。さらに、色彩の組み合わせと印象語との対応データを利用して、印象語を入力し、その印象語に対応した絵画を検索することも試みた。いずれも比較的簡単な処理であるが、絵画の検索の一つの方法として有効であることが判明した。Visual image data usually give us impression-related information, which we unconsciously use for recalling and retrieving images. Method of image processing for extracting these impression-related factors from image data makes it possible to efficiently retrieve data from a large-scale image database. We have been working with the method for extracting some impression-related factors from color paintings, especially Japanese paintings. This paper describes a method for indexing color paintings by extracting "principal" color regions and background color regions from paintings. Paintings in the database can be retrieved by specifying the color and location of principal color regions as well as background colors. Because a combination of colors induces some specific impression which can be expressed by a corresponding word, this relationship can be used for retrieving paintings by giving impression words. The method described here is rather simple, but the processing results has been fairly satisfactory.
著者
八村 広三郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1557-1561, 2007-11-01 (Released:2010-01-15)
参考文献数
9
被引用文献数
2
著者
崔 雄 西浦 敬信 矢野 桂司 八村 広三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.381, pp.365-370, 2011-01-13

本研究では,バーチャル・へリテージ研究の一環として,京都祇園祭りの山鉾巡行の様子をバーチャルに再現することを試みた.ここでは,京都の街路モデルには「バーチャル京都」の成果を利用し,その上に,4基の山と鉾を配置し,さらに,この中の一つの鉾(船鉾)の曳方,音頭取り,車方などの巡行関係者の人物モデルとそのアニメーションを付与した.また,巡行当日,世界中から集まる観客に関しても,それぞれアニメーションをつけたものとして,街路上に配置した.音響についても,実際の囃子や観客の話声などの音場を記録し,これを3D映像に付与している.これらは,リアルタイム・インタラクティブなコンテンツとして再現し,20人の被験者による評価実験も行い,良好な結果を得た.現状では,実際の山鉾巡行の規模には遠く及ばないが,今後さらに多くの山と鉾,また観客や巡行関係者の数を増やし,また,解説等のリンクを付与していくことを考えている.また,鉾の上の囃子舞台の上に乗って,巡行時の揺れや振動を仮想体験できるようなシステムを構築することも計画している.
著者
阪田 真己子 丸茂 祐佳 八村広三郎 小島 一成 吉村 ミツ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7, pp.49-56, 2004-01-23
被引用文献数
4 3

本研究は,日本舞踊における身体動作の感性情報処理研究の一環として,感性評価実験によって得られた主観的情報と,モーションキャプチャシステムによって得られた物理的情報との対応関係を検討することを目的としている.日本舞踊の既存の演目の中から,「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」という7種の感性情報を伝達すると想定される振りについて,モーションキャプチャを用いた計測と分析を行った.本稿では特に時性要因としての速度情報に着目し,主成分分析によって特定された各振りの代表マーカの速度情報と感性評価で得られた主観的な情報との関連性について検討した.The purpose of the current study is to investigate the correspondence between subjective information obtained from KANSEI evaluation experiments and physical data obtained using a motion capture system. This study is a part of the current research dealing with KANSEI information found in the physical movements in Japanese traditional dance. Using existing Japanese traditional dance programs, several motions which are supposed to communicate seven KANSEI information of 'lonely', 'happy', 'solemn', 'sharp', 'flowing', 'dynamic' and 'natural' were selected. These motions were then measured and analyzed using a motion capture system. In the current study, in particular, special attention was paid to the speed data as the time factor. And investigation was made between the speed data of the representative marker of each motion and subjective factors which had been obtained from KANSEI evaluation experiments.
著者
遠藤 保子 八村 広三郎 小島 一成 崔 雄
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

無文字社会であったアフリカにおける身体芸術(特にダンス)の研究は、舞踊の原点を知る上で重要である。またジャズやブルースの誕生に深くかかわっているため、現在の芸術を知る上でも必要である。そこで本研究は、アフリカの身体芸術とアフリカの今日の社会に焦点をあてて以下を行った。I研究目的:I・1.アフリカ(特にナイジェリアとケニア)における身体芸術と文化社会の現状I・2.身体芸術をモーションキャプチャによる記録・解析I・3.2の動作特性と文化・社会との関連性とその意味・構造を明らかにする。II研究方法:II・1.アフリカに関する文献研究II・2.アフリカにおける文化人類学的フィールドワークII・3.アフリカ人ダンサー(日本へ招聘)によるダンスのデジタル記録・解析である。III研究対象:III・1.ナイジェリアの代表的な舞踊:Kabulu,Bata,Maliki,Swange,Iri-Agha(ナイジェリア国立舞踊団抽出)III・2.ケニアの代表的な舞踊:Gonda,Orutu,Borana,Sukuti,SamburuSengenya,Kikuyu(ボーマス・オブ・ケニア抽出)である。IVモーションキャプチャの記録プロセス:立命館大学アート・リサーチセンターにおける光学式モーションキャプチャを利用してIV・1.カメラ設置IV・2.キャリブレーションIV・3.被験者にマーカー付着IV・4.計測IV・5.データ編集を行った。V研究結果の主な点:V・1.トルソー(肩と腰)の動かし方に特徴が見られるV・2.ダンスの熟練と非熟練者の違いは、トルソーの動かし方にみられる等。本研究は、現地のダンサーやダンス関係者にコンピュータ解析によって新しい見方を可能するなど、有益であると思われる。
著者
八村 広三郎 関口 博之 英保 茂
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.335-336, 1993-09-27
被引用文献数
1

我々が絵画をひと目見たときに感じる印象には、色彩、構図、対象物の形状、筆のタッチ、技法、描かれている事物、テーマ、寓意など、さまざまな要因とレベルに基づくものがあるが、それらの中でも、色彩分布に基因するものが最も直接的、直感的に我々の感覚に受け取られる。実際、新聞や雑誌などにおける絵画の評論文についての調査では、色彩に関連した用語が高頻度で使用されていることが分かっている。ここでは、絵画で使用されている色彩の分布に基づいて、絵画の印象を表現するいくつかの「感性語」を抽出する。なお、本研究は、絵画を見たときの第一印象で得る「感性」と、画像としての絵画に含まれる「特徴」との関係について解明する研究の一部分であって、将来的には、絵画の他の要素、すなわち、構図やテキスチュアなどにより得られる印象と一緒に総合的に取り扱われる。本報告はその中間報告である。
著者
八村広三郎
雑誌
情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-1, 2010-10-28

人文科学へのコンピュータの導入は必ずしも新しい話題ではなく,コンピュータの発明とほぼ同時期から応用が始まっているといわれている.しかしながら,相変わらず人文科学はコンピュータとは遠い存在であるとの認識が,少なくとも日本では一般的である.ところが,21世紀に入って,欧米を中心としてデジタル・ヒューマニティーズと呼ばれる学問領域が突然出現している.日本ではこのコンセプトはまだあまり知られていないが,これは,ネット時代の現代社会における人文系研究活動の在り方として,大きな示唆を与えるものである. 本講演では,このデジタル・ヒューマニティーズの考え方と現状を紹介する.
著者
八村 広三郎 赤間 亮 吉村 ミツ 遠藤 保子 小島 一成 崔 雄 丸茂 美恵子 中村 美奈子 阪田 真己子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,舞踊における身体動作の計測と保存のためのアーカイブ技術,およびそのデータに対する数量的解析を行うことを目的としている.ここでは,デジタル画像処理技術で身体動作を精密に計測できる光学式モーションキャプチャ・システムを利用して,舞踊の身体動作データを取得する.キャプチャして得た各種の舞踊動作データを保存し,これを各種の解析や情報処理において活用する。さらに,動作データは解析や処理の研究に使うだけでなく,CGなどでコンテンツとして作成し,教育や広報活動の素材としても利用する.また,新しい芸術表現の可能性を探るものとして,これらのCGによる舞踊動作の表示を,仮想現実感(バーチャルリアリティ:VR)の環境下で活用することも視野に入れて研究活動を行ってきた.解析の結果や,CG・VRでの表現は,舞踊研究者,舞踊家,芸能研究者など,いわゆる文系の研究分担者へフィードバックし,さらに高度で,よい解析結果や,新しい表現の創出を心がけてきた.このように,このプロジェクトの研究は,単に理が文を支えるということだけではなく,文一理の間で情報を巡回させることにより,より深い成果を得るという形を重視してきた.期間内に対象とした舞踊は,日本舞踊と能楽が中心であったが,そのほかにも,アフリカの民族舞踊なども扱った.また,舞踊の種類には限定されないが,一般的に,舞踊という身体表現,あるいは日常動作をも含む身体動作に共通の動作解析手法,たとえば動作のセグメンテーション,動作や動作者の識別,身体動作の類似検索などの手法についても研究を行った.舞踊動作の質を評価する試みとして,舞踊の中の特徴的動作の抽出やラバン動作解析の手法による,動作の評価を行った.さらに,筋電図などの生体情報とモーションキャプチャによる動作データとの同時計測を可能にし,これらに基づいて熟練者と初心者の違いについて明らかにした.
著者
鹿内 菜穂 澤田 美砂子 八村 広三郎
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.93, 2011

鑑賞者は舞踊からから何を感じとるのか.舞踊のどのような身体動作からどのような印象を受けるのか.本研究では,舞踊に対する鑑賞者の感性を調べるため,運動情報のみの条件による鑑賞者の舞踊動作の読み取りについて検討することを目的とした.舞踊の熟練者(男女各3名)は,喜び,悲しみ,怒り,歩行の4種類を表現した.モーションキャプチャとデジタルビデオカメラにより収録を行い,点光源映像は3Dアニメーションソフトウェアで作成した.また,点光源映像は正立像と倒立像の2種類を用意した.鑑賞者が,1)表現者の意図する感情を識別できるか,2)運動情報のみでも印象を得ることができるか,ということを確かめるため評価実験を行った.その結果,鑑賞者は,正立像における感情表現は識別可能であること,正立像と倒立像において近似した印象を得ることがわかった.
著者
鹿内 菜穂 八村 広三郎
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.5, pp.1-4, 2011-05-14

本研究では,ダンスにおける他者とのインタラクションの効果を明らかにするため,モーションキャプチャを用いて二者によるアップダウン動作の実験を行った.互いに向き合う対面条件と,一方が相手を見ることができる非対面条件を設定した.他者を意識させる条件下での二者間の身体動作の特徴を定量化し分析する.Effects on interactions between people on dance movements were investigated. Up-down dance movements were recorded in two conditions, using a motion capture system; the face condition, in which two people faced each other, and the non-face condition, in which one person faced the other's back. Interpersonal characteristics of movements when people were conscious of the other's movements were analyzed.
著者
鹿内 菜穂 八村 広三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.85-89, 2013-11-09

鑑賞者の有無でダンス学習者の感情と身体動作にどのような違いがあるかを検証した.感情の評価には日本語版PANASを使用し,身体動作の解析にはモーションキャプチャを用いて動作データを取得した後,動作特徴量を体の開きとして周波数解析を行った.鑑賞者がいる時の方がポジティブな感情もネガティブな感情も高くなること,鑑賞者の有無で体の開きとその周波数に違いがあること,また身体動作においてダンスの経験歴が影響を及ぼしていることを示した.
著者
長谷川聡 鹿内菜穂 八村広三郎 泉朋子 仲谷義雄
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.599-601, 2014-03-11

義務教育においてダンスが必修化され, その中でも現代リズムダンスとしてHIPHOPやLOCKダンスに注目が集まっている. しかし, ダンスを教える立場である教師のほとんどがストリートダンスの未経験者であるという問題が発生している. プロのダンサーによる教師への講習会の機会が非常に少ないため, 教師が十分な指導が受けられていない現状がある. そこで本研究では, 熟練者のダンスの映像を手本として, 教師どうしで互いに教え合うピアエデュケーションの場を設定し, そこで支援するシステムを検討する. また, 著者らの先行研究である初心者と経験者のストリートダンス動作の解析結果を参考にして, 教師どうしでチェックしあう際のポイントを明示化し意識させる.
著者
阪田 真己子 八村 広三郎 丸茂 祐佳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.65-72, 2003-10-24
参考文献数
9
被引用文献数
3

本研究では,1名の演者が松本の7Motivesのキーワード「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」に対応する振りを演じた映像を刺激として評価実験を行った.刺激映像からどのようなイメージが感じ取られるかを調べ,さらにイメージに運動の型がどのような影響を及ぼすかを示す重回帰モデルの構築を試みた.主成分分析の結果,42語からなる松本のCheck List2から6つの成分が抽出され,日本舞踊独自の認知構造が提示された.また,重回帰分析の結果,それぞれの振りから感受される感性的イメージには,固有の運動の型が寄与していることが示唆された.