著者
尾崎 哲 掛布 智久 加藤 太一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
アイソトープ・放射線研究発表会 第58回アイソトープ・放射線研究発表会 (ISSN:24364487)
巻号頁・発行日
pp.81, 2021 (Released:2021-09-06)

これまで、「大気圧GM管」をベースに、中学・高校における放射線教育に利用する目的で計数機能を付加したタイプなどを開発し、活用してきた。計数データのさらなる活用にはICT教育の観点が必要なことから、検出器からの音響信号をPythonで処理することにより、放射線の検出から波形のグラフ化、データファイルへの書き出しなどの基礎的な展開を試みた。
著者
本間 希樹 加藤 太一 植村 誠 野上 大作 秦 和弘 大島 誠人 笹田 真人 田崎 文得 秋山 和徳
出版者
国立天文台
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

巨大ブラックホールの直接撮像のため、スパースモデリングを用いた電波干渉計の超解像技法を開発した。それを既存の実データに応用して超解像が可能なことを実証し、M87の巨大ブラックホールの最も近いところでジェットの根本を分解することに成功した。また、巨大ブラックホールの直接撮像を目指す国際ミリ波VLBI網の観測を2017年4月に初めて実現した。そして、開発した手法によりブラックホール撮像可能な分解能が得られ、巨大ブラックホールの直接撮像が実現できるレベルに到達していることを示した。さらに、スパースモデリングの手法を天文学の様々なデータ解析にも応用し、この手法の有効性を幅広く示した。
著者
大畑 充 庄司 博人 清水 万真 谷川 博康 加藤 太一朗 野澤 貴史
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.89, no.926, pp.23-00168, 2023 (Released:2023-10-25)
参考文献数
18

This study aims to develop a numerical simulation-based method for predicting ductile crack growth resistance curve (R-curve) for pre-strained components for rational assessment of ductile crack growth controlling fracture for pre-strained structural component with any plastic constraint. Experiments on R-curve of 3-point bend specimen with a shallow crack for steel pre-strained by 6% over uniform elongation provides that the pre-strain does not significantly reduce ductile crack initiation and growth resistance, even though the pre-strain induces disappearance of uniform elongation and work hardening together with drastic reduction in elongation. Observations of damage evolution in terms of micro-void formation indicate that ductile crack growth behaviors in both virgin and pre-strained steels are based on a micro-void nucleation-controlled ductile fracture mechanism. These experimental results demonstrate that the ductile damage model that we have already proposed for predicting R-curve for virgin steel that exhibits micro-void nucleation-controlled ductile fracture behaviors can be applicable for these virgin and pre-strained steels used. Thus, based on the previously proposed ductile damage model, a simulation-based method to predict the R-curve of pre-strained specimens only from the properties of virgin steel is proposed taking material degradation (change in strength and damage properties) due to pre-strain into account. The applicability of the proposed method is verified by showing the predicted R-curve for pre-strained steel are in good agreement with experimental results.
著者
根来 誠司 武尾 正弘 加藤 太一郎 竹原 一起 藤井 翼
出版者
兵庫県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

国内外でポリマーの再資源化やモノマーのバイオ生産が重要視されている。Arthrobacter sp. KI72株はナイロンオリゴマー分解酵素NylA/NylB/NylCにより、6-アミノヘキサン酸(Ahx)オリゴマーをAhxまで分解する。Ahxはアミノトランスフェラーゼ(NylD)によりアジピン酸セミアルデヒドに変換され、その後、デヒドロゲナーゼ(NylE)によりアジピン酸へと代謝されること、ⅱ)NylDについては2種、NylEについては20種の類似遺伝子が認められること、ⅲ)NylD1,NylE1を共役させた反応系により、Ahxは約90%の変換率でアジピン酸へ変換されることを明らかにした。
著者
永野 新太 加藤 太一 井部 賢吾 川越 潤一 安井 清彦 矢野 幸彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Bb1409-Bb1409, 2012

【はじめに、目的】 自己身体部位失認についてFrederiks(1985)は「身体図式」の異常に起因すると報告した.しかし,身体部位失認という多義的で曖昧な概念に対しては,呼称の障害であるのか,空間定位の障害であるのか,あるいは他者身体各部位の呼称・空間定位障害も含めた障害であるのかについて依然多くの論議がなされている.鶴谷・大東(2007)は,失語症を伴わない自己身体失認症例に対し詳細な評価を行った結果,自己中心座標系を利用してターゲットとなる部位の位置をオンラインで処理する過程の問題として理解可能であるとした.今回,失語症を伴った左頭頂葉・側頭葉出血の症例に対し,身体部位失認様の症状を認めたため評価を行った.その方法と結果を報告する.【方法】 50歳代左利き.画像所見ではCT上で左頭頂葉・側頭葉に出血を認めた.JCS1-1,Brunnstrom Stage右上肢2・手指2・下肢3レベルで座位保持可能,立位保持は非麻痺側優位であり,麻痺側踵部は床面から浮いた状態であった.触覚については「触っているのは何となくわかる」とのことであったが,その他の感覚については右上下肢とも重度鈍麻,感覚全般において中枢部より遠位部に強く障害されていた.高次脳機能障害としては,流暢性失語を認め,聴理解は良好だがジャルゴン様の発話を認めた.自画像描写課題では身体像の欠落を認め,保続や失算,失書,左右失認,手指失認症状を呈した.トイレ動作では非麻痺側上肢にて手すりを把持し立位保持できるものの,麻痺側足底の接地位置不良,下衣の上げ下げに介助を要した.評価として,身体部位14か所(頭・首・胸・腹・左右の肩・左右の肘・左右の腰・左右の膝・左右の手)を刺激としたPointing課題(鶴谷・大東、2007)を行った.Pointingについては1)言語提示,開眼・自己身体条件2)言語提示,閉眼・自己身体条件3)言語提示,開眼・他者身体条件4)視覚提示,自己身体条件5)視覚提示,他者身体条件6)触覚提示,閉眼条件を設定条件とし,正答率と誤反応(近接エラー,概念エラー)について検討した.【倫理的配慮、説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき患者,家族に症例報告より評価の妥当性について第47回全国理学療法学術大会にて報告することを説明し,同意を得た.【結果】 部位別では,頭・首・左肩・胸・左膝で正答率100%,右肩・腹・右腰・右膝で正答率83%,左腰で正答率66%,右手で正答率50%,右肘・左肘・左手で正答率33%であった.設定別では,1)正答率64%,誤反応概念エラー2)正答率57%,誤反応近接エラー3)正答率87%,その他エラー4)正答率79%,誤反応近接エラー5)正答率71%,誤反応近接エラー6)正答率93%,誤反応近接エラーであった.また,左右の身体部位における正答率は両側共に66.4%であり左右差を認めなかった.モダリティー別の正答率は,言語69%視覚75%触覚93%であった.【考察】 両側性の身体失認について大東(1983)は,身体中央部よりも外側部においてより強いと報告している.臨床所見に加え,左右の身体部位における正答率に差を認めなかったこと,部位別の正答率が身体遠位で優位に低下していたことから本症例は両側性の身体失認を呈していると判断した.部位の位置・範囲等・身体一般の構造的知識である視空間性表象(視覚提示条件),部位名・機能的定義等の命題的知識である意味性表象(言語提示条件)が低下していたのに対し,現在の姿勢・外空間と身体の位置関係のオンライン処理である動的身体表象(閉眼での触覚提示条件)は比較的良好であった.失語症の影響のみで意味性表象が低下していると考えるならば,部位別の正答率は一様に低下するはずである.同様に,誤反応は概念エラーではなく近接エラーが多く観察されたことから,本症例においては失語症の影響のみによる身体部位失認の可能性は低いことが示唆されたが,鶴谷・大東(2007)が報告した自己身体に限定された空間定位の病態とは一致しなかった.したがって,自己身体部位失認の病態については,自己身体における空間定位の障害に加えて,視空間性表象・意味性表象での処理過程と動的身体表象での処理過程の双方をつなぐシステムに何らかの障害が発生していることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 自己身体部位失認については症候論的理解にとどまることが多く,その病態についての定義は依然確立されていない.今回の評価結果を踏まえ,今後は,簡素な評価法の確立・アプローチ方法の検討を行っていきたい.
著者
加藤 太一
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

難治性疾患である肺高血圧発症に対する分子状水素の抑制効果を評価するために、ラットモノクロタリン肺高血圧モデルを作成した。飽和水素水投与により、右室圧の低下、肺血管の筋性化の軽快を認めた。肺高血圧に対し脱水素水投与した群で増加していた肺血管周囲マクロファージ、線維芽細胞、酸化ストレスマーカー陽性細胞、細胞増殖マーカー陽性細胞は飽和水素水により減少した。これらの結果より分子状水素は肺高血圧症の改善に炎症の抑制、酸化ストレスの抑制、細胞増殖抑制を介して寄与する可能性が示された。
著者
加藤 太一郎
出版者
兵庫県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

「光る虫」といえば「ホタル」とすぐに連想できるほど、我々にとってホタルは身近で、かつ心が惹きつけられる存在である。このようにホタルルシフェラーゼといえば発光反応を触媒する酵素だと思われがちであるが、実は立体選択的なチオエステル化という、もう一つの触媒活性があることを発見した。例えば構造中に1つの不斉点を有するケトプロフェンを基質とした場合、ヘイケボタル由来ルシフェラーゼはR体を優先的にチオエステル体へと変換する。本研究では、本酵素がどのように基質の不斉を識別しているのかを明らかにするために、ホタルルシフェラーゼを用いたチオエステル化反応の詳細な機構解析やMDシミュレーション、および結晶構造解析を試み、その理由の一端を明らかにすることができた。