著者
清木 康 金子 昌史 北川 高嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.509-519, 1996-04-25
被引用文献数
100

画像データを対象としたデータベースシステムにおいては, 検索者の印象や画像の内容による検索を実現する方法が重要である. 我々は, 文脈あるいは状況に応じて動的に変化するデータ間の意味的な関係を計算するモデルである意味の数学モデルを提案している. 本論文では, 意味の数学モデルを用いた意味的画像探索方式を提案し, また, その学習機構を示す. 本方式では, メタデータ空間と呼ぶ正規直交空間を形成し, その空間上に画像データ群, および, 検索に用いるキーワード群を配置する. そして, その空間上での距離計算により, 検索者の印象, および, 画像の内容の指定に応じた画像探索を実現する. 検索対象の各画像は, 画像の特徴(印象あるいは内容)を表す言葉(単語群)によって表現されることを前提とする. 本方式は, 検索者が発行する検索語, および, 画像データの特徴を表現する単語間の相関関係の分析により, 画像を検索する方式として位置づけられる. 本方式では, 検索者が指定する印象あるいは画像の内容を文脈として言葉により与えると, その文脈に対応する画像をメタデータ空間より動的に抽出する. 本学習機構では, その文脈から得られた画像が, 本来, 抽出されるべき画像と異なる場合, 抽出されるべき画像を指定することにより, 文脈を構成している言葉についての学習を行う. 本学習機構を適用することにより, 画像の印象表現における個人差に対応することが可能となる.
著者
岡田 龍太郎 中西 崇文 本間 秀典 北川 高嗣
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.1341-1354, 2016-05-15

本稿では,メディアコンテンツを対象とした統計的一般化逆作用素の構成方式を示す.これは,与えられた印象を表す単語とその重みで表される印象メタデータからメディアコンテンツを生成する機構を実現するものである.本方式は,従来,我々が提案してきた手法であるメディアコンテンツから印象を表す言葉をメタデータとして抽出する,メディアコンテンツを対象としたメタデータ自動抽出方式手法の逆演算として構成される.しかしながら,本逆演算においては一般的に,不良設定問題が発生する.この不良設定問題を解決するために,制約条件としてそのメディアの種類に応じた統計情報やそのメディアを対象とした研究成果・理論を用いる.これにより,メディアコンテンツと言葉の間の相互変換を可能とする.さらに,本方式を楽曲メディアコンテンツに適用し,印象語で表現された印象メタデータから楽曲メディアコンテンツを生成するシステムを実装する.これを用いて実験を行い,提案方式が実現されていることを示す.
著者
清木 康 金子 昌史 北川 高嗣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J79-D2, no.4, pp.509-519, 1996-04-25

画像データを対象としたデータベースシステムにおいては,検索者の印象や画像の内容による検索を実現する方法が重要である.我々は,文脈あるいは状況に応じて動的に変化するデータ間の意味的な関係を計算するモデルである意味の数学モデルを提案している.本論文では,意味の数学モデルを用いた意味的画像探索方式を提案し,また,その学習機構を示す.本方式では,メタデータ空間と呼ぶ正規直交空間を形成し,その空間上に画像データ群,および,検索に用いるキーワード群を配置する.そして,その空間上での距離計算により,検索者の印象,および,画像の内容の指定に応じた画像探索を実現する.検索対象の各画像は,画像の特徴(印象あるいは内容)を表す言葉(単語群)によって表現されることを前提とする.本方式は,検索者が発行する検索語,および,画像データの特徴を表現する単語間の相関関係の分析により,画像を検索する方式として位置づけられる.本方式では,検索者が指定する印象あるいは画像の内容を文脈として言葉により与えると,その文脈に対応する画像をメタデータ空間より動的に抽出する.本学習機構では,その文脈から得られた画像が,本来,抽出されるべき画像と異なる場合,抽出されるべき画像を指定することにより,文脈を構成している言葉についての学習を行う.本学習機構を適用することにより,画像の印象表現における個人差に対応することが可能となる.
著者
櫻井 鉄也 北川 高嗣 多田野 寛人 佐々木 建昭 長嶋 雲兵 池上 努 立川 仁典
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では, 次世代計算機環境における大規模シミュレーションを実現するために, 特に並列化が困難な内部固有値問題の解法を対象として, 複素周回積分を用いた固有値解法の実用技術を開発した.ここで開発した解法を, マルチコアによる大規模並列環境向けのソフトウェアとして実装した.開発したソフトウェアを複数の応用分野の問題を対象として適用し, 実用性を想定して性能改善を行った.
著者
井上 尚 岡田 龍太郎 北川 高嗣
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.17, pp.1-7, 2011-10-27

本稿では色から人間が受ける印象を定量化したデータベースを活用し,ユーザの画像作成時に印象という側面から情報を提示し、支援するシステムを提案する.我々はこれまでに言葉と言葉の意味的相関を計量する事のできるモデルである意味の数学モデルと,各種メディアデータの専門家の知識データベースを用いメディアデータから言葉とその重みのメタデータを抽出する Media-lexicon Transformation Operator を組み合わせる事により,各種メディアデータを統合的に取り扱う枠組みを提唱している.本稿ではカラーイメージスケールと呼ばれる色彩とそれから受ける印象の関係について述べた心理学の研究成果を専門家の知識データベースとして利用し,上記の手法を用いることで,ユーザの画像作成時にそれから受ける印象を動的に計算し,提示するシステムを作成する.本システムはブラウザ上で動作する Web アプリケーションで,線画の閉領域に対し色を対応させていくぬり絵のような形式をとる.まず最初にユーザが表現したい画像のイメージを任意の英単語の組み合わせとして入力させ,それらの単語群の持つ印象に対応する色をいくつか提示する.さらに画像作成時の支援として,ユーザが画像に色を付けると,画像から動的に計算し,それから受ける印象のリストをフィードバックする.これらのシステムにより,色による印象という専門家の知識を一般のユーザが意識することなく活用することが可能となる.This paper presents an implementation of drawing support application utilizing database for defining the relation between color and impression. We have realized Mathematical model of meaning that be able to compute semantic correlations between words and Media-lexicon Transformation Operator that be able to extract weighted words from media data using knowledge database for various media. Using both methods, we have realized a connecting method among heterogeneous media data. In this paper, we implement a drawing support application that suggest impression words computed by using method previously described with "Color Image Scale" (the database written about the relation between color and impression ). This application operates with browsing software. Users draw in monochrome line art. First,users input a combination of words as impression which users want to express, then suggested some colors corresoonding to this combination. And while users draw art,this application suggests a list of impression words which understand current art. This application implemente layman leverage specialist knowledge about color without regard for it.
著者
宮川 明子 清木 康 宮原 隆行 北川 高嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-10, 2000-02-15
被引用文献数
2

画像データなどのメディアデータを対象としたデータベースシステムの実現において,検索者が求めるメディアデータを適切かつ高速に抽出することは重要である.本論文では,意味の数学モデルを拡張した意味的画像連想検索を対象とした高速化アルゴリズムの実現方式を提案する.意味の数学モデルは,文脈あるいは状況に応じて動的に変化するデータ間の意味的な関係を計算するモデルである.本論文で提案するアルゴリズムは,指定された時間内の限られた計算回数で有効な検索結果を得ることを目的としたものである.このアルゴリズムによる意味的画像検索の実験を行い,実験の結果よりその有効性を明らかにした.In the database system design for multimedia database, it is important to develop a correct and fast retrieval method for media data(e.g. image, music). This paper proposes a fast algorithm and its implementation method for semantic associative image search based on our mathematical model of meaning. This model has been designed for computing semantic relation between data items dynamically accoding to context and situation. The objective of this algorithm is to obtain the available and correct retrieval results within the given limited time in the semantic associative search. This paper also shows some experimental results of semantic image search to clarify the feasibility and effectiveness of the proposed algorithm."