著者
原田 雅樹
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.47-61, 2006-06-25 (Released:2009-05-29)
参考文献数
17

For a philosophical analysis of the sciences, Jean Cavailles introduced the "philosophy of the concept", which he opposed to the "philosophy of consciousness", in which category he placed Kant's transcendental critical philosophy and Husserl's transcendental phenomenology. Although he took a position against transcendental philosophy, Cavailles did not make common cause with logical empiricism in this opposition. This paper will first explore Cavailles' reasons for opposing the philosophy of consciousness, and his criticism of logical empiricism. Cavailles' notions of "concept" and of "experience" will be examined in order to shed light on the synchronic and diachronic dimensions of "concept" in his philosophy, i.e. its structure and historical dialectic. The paper will then consider the works of some French philosophers, who adopt the philosophy of the concept as a philosophical method. In these investigations, the paper seeks to clarify the meaning of the philosophy of the concept in the contemporary context of philosophy of science.
著者
原田 雅樹
出版者
関西学院大学
雑誌
関西学院哲学研究年報 (ISSN:02892928)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.21-50, 2006

大学から依頼があり、本文は非公開にした。
著者
原田 雅樹 木本 伊彦 藤井 俊彰 谷本 正幸
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.64-73, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
20

フラクタル画像符号化の高速化を実現するために,以下の二つの手法を提案する.第一の手法では,スケーリングパラメータの計算回数を削減させるために,一つのレンジブロック内の最大振幅と一つのドメインブロック内の最大振幅との比(以下ここではこれを最大振幅比と呼ぶ)を用いる.符号として選択されるドメインブロックにおける最大振幅比はスケーリングパラメータ付近の値をとるため,ある閾値を超える大きな最大振幅比を持つ場合にはスケーリングパラメータの計算を行わない.第二の手法では,スケーリングパラメータそのものの計算量を削減させるために,一つのレンジブロック内の輝度偏差と一つのドメインブロック内の輝度偏差との比(以下ここではこれを偏差比と呼ぶ)を用いる.偏差とスケーリングパラメータとの間には相関があるため,計算量の少ない偏差比に定数をかけてスケーリングパラメータを近似的に求める.
著者
原田 雅樹
出版者
仙台白百合女子大学
雑誌
仙台白百合女子大学紀要 (ISSN:13427350)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.31-50, 2007

「テキスト」の解釈学的現象学において、ポール・リクールは、エピステモロジーを現象学と解釈学との媒介として考えている。それは、彼の『時間と物語』においては、三重のミメーシス(ミメーシスI・先形象化、ミメーシスII・統合形象化、ミメーシスIII・再形象化)となって顕在化している。ミメーシスIIにおいて、物語のテキストが自立性を獲得してその指示機能が中立化されるのに対し、ミメーシスIIIにおいては、物語は、テキストと読者との間に再構築された実在世界を指示するようになる。ところで、リクールがフランス語に翻訳したフッサールの『イデーンI』には、現象学的還元において実在を括弧に入れ、その後に、理性の現象学において信念志向性によって実在を措定するという動きがある。このような動きの構造は、ミメーシスIIからIIIへという動きの構造に類似している。拙論では、この構造の類比をもとに、フッサールの純粋現象学を意識中心主義から引き離す一方で、リクールのテキスト概念を自然科学理論の構築の哲学的分析の方向にも広げ、自然科学の理論も、一種のテキストとして考えられることを示す。そうすることで、「科学作品の現象学」というものを提案していく。