著者
永井 成美 亀田 菜央子 小橋 理代 西田 美奈子 堀川 千賀 江川 香 吉村 麻紀子 北川 義徳 阿部 圭一 木曽 良信 坂根 直樹 小谷 和彦 森谷 敏夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.257-264, 2007-10-10 (Released:2009-01-30)
参考文献数
22

L-カルニチンがヒトの空腹感に及ぼす影響を明らかにするために, 若年健常女性12名 (21.3±0.3歳) を対象として, L-カルニチン300mgを含有するフォーミュラ食と通常のフォーミュラ食を用いた二重盲検プラセボ対照試験による検証を行った (ウォッシュアウト : 1週間)。前夜からの絶食の後, フォーミュラ食を朝食として摂取させ, 食前および食後6時間まで満腹感スコア (ビジュアルアナログスケールズ ; VASs), 唾液コルチゾール, 血清カルニチン濃度, 血糖値, および心拍変動パワースペクトル解析を用いた自律神経活動指標を経時的に測定した。実験結果から, L-カルニチン摂取により主観的空腹感が軽減される可能性があること, および, 空腹感の軽減には血清総カルニチン濃度が関連していることが示唆された。さらに, 唾液コルチゾールはL-カルニチン摂取30分後, 2時間後には低値を示したが, 空腹感軽減との明確な関連は明らかではなかった。