著者
小野沢 あかね 吉見 義明 金 富子 宮城 晴美
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

韓国では買春処罰を規定した性売買防止法の制定(2004年)をきっかけに、性売買を性搾取ととらえて性販売女性(いわゆる売春に従事する女性やAV出演女性を本研究ではこのように呼ぶ)の非犯罪者化を目指す「性売買問題解決のための全国連帯」が結成され、各地における相談所・シェルター・自立支援センターの設置、政府による生活援助金の支出を実現した。さらに性販売経験当事者女性たち自身による反性売買運動が展開している。本研究は、脱性売買支援運動に関して、日韓で差異が生み出された歴史的背景の分析を行いつつ、世界の脱性売買支援活動にも視野を広げ、当事者視点に立つ脱性売買支援とはどうあるべきかを考察する。
著者
吉見 義明
出版者
中央大学出版部
雑誌
中央大学論集 (ISSN:03889033)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.11-24, 2021-02-20
著者
吉見 義明 田中 祐介 小薗 崇明
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究代表者は、研究協力者とともに、「野原武雄日記」1929年-1941年, 1948年-1956年, 1966年-1970年(岐阜県歴史資料館所蔵)・「宮下土義日記」1966年1月1日-1971年8月31日(個人蔵)の撮影を行い、また新たに「笠原徳日記」1954年-1989年(「女性の日記から学ぶ会」所蔵)の撮影を行った。また、関連する個人の日記約190冊を古書店から入手した。これらは、いずれも様々な角度から高度成長期の民衆意識の解明に資するものである。「女性の日記から学ぶ会」所蔵の日記類の目録作りを行ない、「時岡八七子日記」の目録化を完了した。また、国立国会図書館所蔵の高度成長期の日記類の調査を行い、本年度は全体の三分の一程度のチェックを行った。「女性の日記から学ぶ会」総会シンポジウムと八千代市中央図書館市制50周年記念シンポジウムに協力し、総論「日記にみる高度成長期」を担当・報告した。これは、次年度に予定している学術シンポジウムの準備を兼ねている。「野原武雄日記」の共同研究を行い、地域の遺族会会長としての軌跡を追い、その成果を公表した。研究分担者(田中祐介)は、「女性の日記から学ぶ会」所蔵日記類の目録作りを継続し、これまでにその約8割を目録化した。また、韓国で開かれた「日記文化」に関するシンポジウムに参加し、日記に関する国際共同研究への糸口を開いた。また、近代の日記文化に関する著書の編集を行ない、刊行した。12月に新たに研究分担者となった小薗崇明は、研究分担者としての活動の期間が今年度はほとんどなかったが、上記の「野原武雄日記」・「宮下土義日記」の撮影に参加した。上記の調査・研究により、高度成長期の日本民衆のデモクラシー意識の特徴とその変容について、民衆世界の変容とともに、具体的に解明できる条件ができた。
著者
林 博史 小野沢 あかね 吉見 義明 兼子 歩
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

日本軍「慰安婦」制度と米軍の性売買政策・性暴力の比較研究をおこなうことを目的として本研究をおこなった。米国や英国などの公文書館や図書館などにおいて、関連史料を多数収集することができた。また各国の研究者との研究交流をおこない、研究協力のネットワークも作ることができた。こうした研究活動を通じて、日本軍のケースと米軍のケースについてその相違についてかなり把握できるようになってきた。同時に、日本軍「慰安婦」制度を世界史のなかで位置づけるためには日米比較だけでは不十分であり、欧州や韓国を含めて国際比較が必要であることも強く認識するようになった。