著者
向田 茂 鈴木 絢香 磯野 勝宣 加藤 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.29, pp.1-6, 2002-04-12
参考文献数
16
被引用文献数
5

顔輪郭の形状(太め、細め)、表情(無表情、笑顔、悲しみ)そして、化粧(ノーメイク,アイシャドウ,口紅)の組み合わせによる印象の変化について検討した.顔を実験刺激として用いる心理実験では,実験刺激の統制が難しく,慎重に行わなければならない.そこで,本研究では個人の一枚の顔画像から,さまざまな条件の顔画像を合成することで,統制された実験刺激を実現した.実験の結果,赤いアイシャドウとピンクの口紅の組合わせは,青いアイシャドウとピンクの口紅の組合わせよりも,「派手」,「近づきがたい」と評定された.この結果は,アイシャドウのような物理的にはごくわずかな色の差であっても,顔の印象に影響を与えることを示している.
著者
蒲池 みゆき 向田 茂 吉川 左紀子 加藤 隆 尾田 政臣 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.97, no.509, pp.73-80, 1998-01-23
被引用文献数
34

人間の顔に対する記憶表象や, 表情認知を探る心理実験において, 複数の画像を合成した刺激 (平均顔やカリカチュア顔など) を作成するFUTON System (Foolproof UTilities for Facial Image ManipulatiON System) を開発した. FUTON Systemは, 心理学的に顔研究を行う場合に必要な, 自然な顔画像合成の要求を満たすため, 既存のシステムに対応点の定義や操作性等の点で改良を加えたものである. このシステムにより, 大量の顔画像データを一括に処理することも可能になった.
著者
岩田 まどか 隼田 尚彦 向田 茂 齋藤 一 安田 光孝 大島 直樹
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.71-76, 2013-09-27

これまでプログラムの可視化・可聴化を取り入れた学習支援手法の研究が多く行われてきた。しかし,メディアアートのような視覚的な魅力に着目した研究はあまり見られない。本研究では,ソースコードの可視化・可聴化を行うプログラミング学習支援システムと学習者との間に起こるインタラクションに着目した。この相互作用を通じて獲得されるメタ認知の仮説を示し,メディアアートのエッセンスを用いたアプリケーションのプロトタイプを開発した。
著者
加藤 隆 佐伯 昌子 宅間 三起 亀井 美砂 向田 茂 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.452, pp.25-30, 1999-11-19
被引用文献数
1

顔情報の微妙な違いに対する人の感受性について,認知的・感性的観点から検討を加えた.実験1では,個々の顔と平均顔をモーフィング合成する際にテクスチュア情報と形状情報の混合比率を独立に操作し,記憶ベースの類似性判断におけるテクスチュア情報と形状情報に対する感受性を検証した.その結果,テクスチュアの違いが顕著に表れない場合のみ,微妙な形状の違いを認知できることが示された.実験2では,顔の見え方(view)によって印象が異なるかを検証したところ,「やさしそう-こわそう」という顔の形態に依存する印象は見え方による影響をあまり受けないが,「たのしい-かなしい」という心の情動状態を表す印象は顔の見え方によって比較的強い影響を受けることが示された.
著者
向田 茂 蒲池 みゆき 尾田 政臣 加藤 隆 吉川 左紀子 赤松 茂 千原 國宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.1126-1137, 2002-10-01
参考文献数
12
被引用文献数
34

近年,顔の認知に関する心理学的研究が盛んに行われている.心理実験を行うには実験デザインに応じた実験刺激の作成が必要となるが,これまで実験刺激の生成を目的とした統合的な顔画像合成システムは見当たらなかった.我々は,先行研究で用いられてきた合成顔を容易に作成できるとともに,今後検討されるであろう様々な実験刺激の作成にも柔軟に対応できるよう,心理学研究からの要求を考察し,実験デザインの段階から実験刺激の作成までの一連の作業をサポートする顔画像合成システムの開発を行った.特に,一連の作業の中で,操作者への負担が大きくなる,特徴点の取得作業の負荷を軽減できるよう,採用した操作者補助の機能の有効性を実験により確認した