著者
和田 一範 岡安 徹也 市山 誠 浜口 憲一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.141-150, 2005-05-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12

The Shingen Embankment built about 450 years ago by Takeda Shingen on the Fuji River and the Kamanashi River was designed to control flood flows in the Midai River (tributary) and the Kamanashi River by means of a series of flood control structures including Ishitsumidashi (stone masonry groins), Shougi-gashira (Japanese chess piece-shaped flow splitters), Hokkiri (dug channel), Juroku-ishi (sixteen large rocks used as energy dissipation works), Takaiwa (natural rock wall) and Kasumi-tei (discontinuous levees). The functions of these flood control structures have been subject to various interpretations, and some of those structures and their functions, such as the functions of a number of Shougi-gashira flow splitters and details on Juroku-ishi, which can only be guessed at today, are mysterious in many ways. This paper introduces an attempt at verifying the flow control technology made possible with these flood control structures by using a table-top hydraulic model developed with the aim of explaining the hydraulic phenomena involved.
著者
和田 一範
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.100-120, 2018-10-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
13

防災の基本は,自助・共助・公助である。自助・共助・公助を語るにあたっては,自助・共助と,公助との連携を考えることが重要である。 自助・共助は,災害に際して,単に避難をするだけではない。また,これを支援する公助も,単に公的な支援の拡充という視点で展開するのではなく,自助・共助側からの発信を受けて,これに応える形で施策を展開してゆく,真の協働のパートナーとしてとらえてゆくことが重要である。 自助・共助側からの自主的な取り組みにこそ,大きな意味と効果がある。公助の推進にあたっては,自助・共助から発信する必要性に基づく,公的な支援,公助の展開をシステム化する。 自助・共助と,公助との連携を社会システム化し,継承してゆくことが重要である。 上杉鷹山の三助,武田信玄の竜王河原宿,信玄堤の神輿練り御幸祭と三社御幸の故事から,これらの教訓をひもとき,つないでゆくことの重要性を再認識する。
著者
和田 一範 有田 茂 後藤 知子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.151-160, 2005-05-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
10

It is said that the Fuji River is the origin of Seigyu (crib spur) which is known as one of the typical traditional river works in Japan. This paper is to investigate the origin of Seigyu in this country by pursuing the kind of historical documents which include the description about the origin of Seigyu. Under the historical document “Jikatahanreiroku” published in 1794, there was a description about Seigyu as “Seigyu is a river method which originate from the period of Shingen, it was used as a measure of large rivers in Kosyu region”. This description is the origin and the tradition of “Seigyu originated at 'the large rivers in Kosyu' which is Fuji River” started to be known.Also, inclusive of the investigation about the origin of Seigyu, the regional differences of river works which could be read from the historical documents was observed.
著者
和田 一範
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.38-72, 2017-10-01 (Released:2019-01-15)
参考文献数
34

平成28年(2016年)10月30日(日),有吉堤竣工百年の碑が建立された。 竣工百年の碑建立は,新たなスタートである。この碑を前に,昔年の多摩川の水害の大きさ,これに対峙した一連の事件と一大プロジェクトを,後世に語り継いでゆく防災教育の継続的な展開が重要である。 アミガサ事件(大正3 年〈1914年〉9 月16日)から有吉堤完成(大正5 年 〈1916年〉9 月)までは 2 年間の出来事である。それからさらに 2 年後には,内務省直轄による多摩川の抜本改修が着工(大正 7 年〈1918年〉)となる。 このわが国近代治水事業の創始期において,洪水の被害に毎年悩まされてきた地域の住民とその指導者たち,公的な機関との連携,あるいは確執には,現代の防災にかかる多くの教訓が見いだされる。 そしてこれら一連の展開を語るにあたっては,やはりアミガサ事件を引き起こした当時の,多摩川の状況をしっかり理解しておく必要がある。 アミガサ事件の直後,大正 3 年(1914年)10月29日付で,御幸村ほか10ケ町村の総代から内務大臣大隈重信に宛てた多摩川沿岸新堤塘築造陳情書には,地域住民の視点からの近年の洪水の原因の分析として, 一.下流ニ架設セル三橋カ一原因 一.(対岸の)築堤及上置腹附カ二原因 一.堤外地ニ果樹密埴カ三原因 一.砂利採掘カ四原因 の記載がなされ,的確な分析で多摩川の洪水の原因を述べ,その分析力は技術者顔負けの内容である。当時の地元住民には,それだけの災害リスクに対する分析力,技術力があったことも大きな驚きである。 本論文は,この多摩川沿岸新堤塘築造陳情書に記された 4 つの原因に着目をして,アミガサ事件の背景を考察したものである。 この論文は,既報, ・多摩川近代改修にみる,防災の主役,自助・共助と,公助との連携について,2016年 4 月,水利科学 No. 348(第60巻第 1 号) ・有吉堤竣工100年・郡道改良事業を検証する,2016年12月,水利科学 No. 352(第60巻第 5 号) の続編である。
著者
吉田 善紀 小林 裕介 和田 一範
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.61A, pp.532-543, 2015 (Released:2015-05-22)

In this research, we proposed the power storage device by energy harvesting from the bridge vibration, for the monitoring system to detect the bridge and predict a tendency toward deterioration of the bridge. We made the prototype monitoring system charging system and verified the operations at the existing bridge. This prototype system demonstrated to measure displacement and temperature at fixed intervals, and the dynamic response of the bridge to passing trains by using only power generated from the bridge vibration.
著者
和田 一範
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-52, 2019-04-01 (Released:2020-06-05)
参考文献数
22

アミガサ事件(大正3年⟨1914年⟩9月16日)の三日後の9月19日,橘樹郡の関係11ケ町村のメンバーが川崎町の橘樹郡役所に集まり,9月29日,「多摩川築堤期成同盟會」が正式に結成された。この期成同盟会は,これまでの陳情が県知事宛であったのに対し,多摩川改修のキーパーソンが内務大臣であることを理解するや,早速内部大臣宛の多摩川新堤塘築造陳情書をまとめあげ,10月29日,神奈川県選出の小泉,井上代議士とともに内務省を訪問,下岡次官に陳情書を手渡し,事情を説明している。アミガサ事件と有吉堤,多摩川直轄改修への道の一連の事件の顚末初期にあたるこの時期,「多摩川築堤期成同盟會」の活動は,多摩川新堤塘築造陳情書をまとめて内務大臣に提出した以降は,川崎市史や多摩川誌をはじめ既往の文献には明確な記述が見られない。 この時期は,アミガサ事件に際して対応した石原健三知事の任期中であり,アミガサ事件から約一年後の大正4年(1915年)9月に有吉忠一知事が赴任をするまでの期間である。期成同盟会のこの時期の活動は,自助・共助の取り組みとして大変重要な意味を持つ。 このたび,神奈川県公文書館に所蔵する武蔵国橘樹郡北綱島村の飯田家文書のなかに,「多摩川築堤期成同盟會報告書」と,「大正4年5月5日付決議録」など,多摩川築堤期成同盟會の奮闘の記録を見いだしたので,ここに活字にして報告する。 防災の主役,自助・共助として,地域住民の様々な代表たちが,多摩川の改修に向けて奮闘する模様が明確に記され,現代の防災に与える大きな教訓が見いだされる。
著者
和田 一範
出版者
水利科学研究所
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.100-120, 2018

<p>防災の基本は,自助・共助・公助である。自助・共助・公助を語るにあたっては,自助・共助と,公助との連携を考えることが重要である。 自助・共助は,災害に際して,単に避難をするだけではない。また,これを支援する公助も,単に公的な支援の拡充という視点で展開するのではなく,自助・共助側からの発信を受けて,これに応える形で施策を展開してゆく,真の協働のパートナーとしてとらえてゆくことが重要である。 自助・共助側からの自主的な取り組みにこそ,大きな意味と効果がある。公助の推進にあたっては,自助・共助から発信する必要性に基づく,公的な支援,公助の展開をシステム化する。 自助・共助と,公助との連携を社会システム化し,継承してゆくことが重要である。 上杉鷹山の三助,武田信玄の竜王河原宿,信玄堤の神輿練り御幸祭と三社御幸の故事から,これらの教訓をひもとき,つないでゆくことの重要性を再認識する。</p>
著者
和田 一範 村瀬 勝彦 冨澤 洋介
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.493-498, 2005-02-01 (Released:2011-06-27)
参考文献数
7
被引用文献数
4 4

The influence of global warming on hazard risk is estimated from the results of the regional climate model by Japan Meteorological Agency and Meteorological Research Institute. The horizontal resolution of the model is about 20km and the model outputs are expected to be useful for the risk assessment of the future. Before beginning the risk assessment, the model output values during 1981-2000 were verified by comparing with observed precipitation data. The verification shows that the precision of the models are generally well in representation of the precipitation, the normal value of the monthly precipitation and the annual maximum daily precipitation in each region. According to the analysis from the model outputs, the extreme daily precipitation in 100-yr time period will increase in some parts of western Hokkaido, northern Tohoku region, Hokuriku region and Nansei islands during 2081-2100. While, the result of the seasonal variation of precipitation shows that the precipitation will decrease especially in many areas in Japan except Hokkaido region from winter to spring, and the drought risk will increase there.
著者
和田 一範 福濱 方哉 木村 嘉富
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.511-515, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
2
被引用文献数
1 2

富士海岸の東端に位置する沼津工区 (通称千本浜海水浴場) では, 隣接する沼津港防波堤の影響による沿い波などにより来襲波浪が増大し, 砂浜の侵食が生じたことから, 人工リーフと養浜を用いた侵食対策が実施され1999年度に事業が完了している. 事業完了後の地形変化や波浪観測結果を基に, これらの効果を長期的視点から分析したところ, 当初計画どおりの保全効果を持続的に発揮していることが確認された. また人工リーフと養浜を複合的に組み合わせることによって, 人工リーフの規模の縮小を図れること, 5年以上にわたり維持養浜することなく安定な海浜を維持可能であることが判明し, 今後の海岸管理システムについての有用な示唆を得た.