著者
大磯 毅晃 石坂 健彦 森崎 耕一 小谷地 進太 浅川 尚熙 国武 陽子
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.131-133, 2020-08-31 (Released:2020-12-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

1989年の千葉東金道路建設の際にトウキョウサンショウウオの生息地が確認され,1993年から1995年にかけて同道路近傍に代替産卵池の整備がなされた。2016年から2020年にかけて,その整備効果を把握することを目的として,地元大学との共同で同池及び周辺地域において産卵状況調査を行った。その結果,同池周辺地域において既存産卵水域は乾燥化などによる消失が多くみられた。一方,同池では年間平均100個以上もの卵塊が確認された。以上より,当池は整備後20年以上経過した現在も,なお効果を十分に発揮しており,道路建設により整備したビオトープが地域個体群の維持に欠かせないものとなっていることが示唆された。
著者
国武 陽子 寺田 佐恵子 馬場 友希 宮下 直
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.217-220, 2010 (Released:2010-10-05)
参考文献数
8

アオキ (Aucuba japonica) の花粉媒介様式と主要な花粉媒介者を, 網掛けによる訪花者の排除実験と訪花昆虫の観察から推定した。花序当たりの結果率は, 花序に網 (1 mmまたは3 mmメッシュ) を掛けて昆虫の接触を制限すると, 無処理区に比べて著しく低下したが, 網を掛けて人工授粉を施すと無処理区との差はみられなかった。また, 1 mmと3 mmメッシュの網では, 網掛けの効果に有意な差はみられなかった。以上の結果より, アオキの種子生産は主に虫媒依存であることが示唆された。次に訪花昆虫の同定と体サイズの測定より, 花粉媒介者は, ジョウカイボンおよびゾウムシなどのコウチュウ目や, クロバネキノコバエなどの長角亜目であることが推測された。花粉媒介はこれらの昆虫の機会的な訪花に依存していると考えられる。
著者
五箇 公一 立田 晴記 今藤 夏子 国武 陽子
出版者
独立行政法人国立環境研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本産およびアジア諸国産のヒラタクワガタ地域系統の系統関係がミトコンドリアDNA分析によって明らかにされ、アジアの大陸分化プロセスにあわせてヒラタクワガタ地域系統の種分化が進行したことが示された。交雑実験により、ヒラタクワガタ系統間の交雑は遺伝的距離が大きいほど交雑和合性が高い傾向が示された。楕円フーリエ解析による大顎形態分析の結果、雑種個体雄成虫は親系統雄の形態とは異なる大顎形態を示すが、雌親系統の形態的特徴が強く示される傾向があることが示され、ヒラタクワガタの大顎形態には母性効果があることが判明した。生殖操作に関与するWolbachiaの感染は、調査した個体すべてから検出はされなかった。
著者
国武 陽子 寺田 佐恵子 馬場 友希 宮下 直
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.217-220, 2010 (Released:2011-05-27)

アオキ(Aucuba japonica)の花粉媒介様式と主要な花粉媒介者を、網掛けによる訪花者の排除実験と訪花昆虫の観察から推定した。花序当たりの結果率は、花序に網(1mmまたは3mmメッシュ)を掛けて昆虫の接触を制限すると、無処理区に比べて著しく低下したが、網を掛けて人工授粉を施すと無処理区との差はみられなかった。また、1mmと3mmメッシュの網では、網掛けの効果に有意な差はみられなかった。以上の結果より、アオキの種子生産は主に虫媒依存であることが示唆された。次に訪花昆虫の同定と体サイズの測定より、花粉媒介者は、ジョウカイボンおよびゾウムシなどのコウチュウ目や、クロバネキノコバエなどの長角亜目であることが推測された。花粉媒介はこれらの昆虫の機会的な訪花に依存していると考えられる。