著者
森岡 泰三 堀田 和夫 友田 努 中村 弘二
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.212-214, 2005 (Released:2005-07-15)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

ハタハタの卵色の決定に関与する要因を把握するため,異なる餌料で半年間飼育した 2 群から得た成熟卵や餌料の抽出液の吸光度を比較した。オキアミとイカナゴを混合した餌料で育成した群は配合飼料の群に比べて卵,餌料とも吸光度が大きく,群の間に有意差が認められた。前者の卵色は濃い赤や黄色,後者は淡い緑が基調となっており,餌料成分は卵色の決定に関与する要因の一つと推定された。
著者
友田 努 堀田 和夫 森岡 泰三
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.1039-1045, 2006 (Released:2006-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
3 2

ハタハタ人工種苗の生態を把握するため,2000 年 4 月に計 2 群 6,966 尾(平均全長 10.4 cm)を七尾湾と富山湾で標識放流した。2005 年 1 月までに計 123 尾(1.8%)が再捕され,再捕の 9 割強が産卵群と考えられる 2 歳以上の親魚であった。両放流群とも,過半数が富山湾内で再捕され,その他の多くが新潟,山形および秋田県沖で再捕された。本結果は,七尾湾,富山湾に放流した人工種苗が主に富山湾内に滞留し成育,産卵するものの,一部は北上し日本海北部系群や新潟周辺の地域群と交流していることを示すものである。