著者
大倉 典子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.124-127, 2016-01-15

情報通信基盤が整備した21世紀の高度情報化社会において,日本生まれのゲーム・マンガやアニメーションなどのいわゆるディジタルコンテンツが世界中に広がっている.一方,従来のものつくりの価値観である性能・信頼性・価格に加え,感性を第4の価値すなわち「感性価値」として認識しようという国の取組みも開始された.著者らは,日本生まれのディジタルコンテンツの人気の大きな要因の1つにキャラクタ等の「かわいさ」が挙げられると考え,人工物の感性価値としての「かわいい」に着目し,その物理的諸属性を系統的に解析する研究を行ってきた.ここでは,「かわいい形」「かわいい色」「かわいい質感」「かわいい大きさ」について,概説する.
著者
山崎 陽介 大倉 典子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.109, pp.19-22, 2013-06-18

21世紀に入り,人工物の感性価値の重要性が認識されている.しかし「かわいい」という感性価値についての研究はあまり多くない.そこで我々は,人工物の物理的属性について「かわいい」という感性価値の研究として、これまでにかわいい形や色、大きさ、質感などについて実験を行ってきた。本稿では再度大きさに着目し、拡張現実と仮想現実を用いた表示による「かわいい」大きさの評価の違いを調べる実験を行ったので、それについて報告する。
著者
大倉 典子
出版者
特定非営利活動法人 横断型基幹科学技術研究団体連合
雑誌
横幹 (ISSN:18817610)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.14-19, 2015 (Released:2016-02-15)
参考文献数
22

In the 21st century, the affective/kansei values of industrial products are considered very important. However, since not many studies have focused on the kawaii attributes, we focus on a systematic analysis of kawaii interfaces themselves, that is kawaii feelings caused by the attributes such as shapes, colors, and materials. This article introduces the results of our experiments for abstract objects in virtual environment and obtained tendencies on kawaii attributes such as kawaii shapes and kawaii colors as kawaii rules.
著者
スリーピァン ピーラヤー 大倉 典子 タネースーン ケージケーオ 宮武 恵子
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.389-393, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
21

Because the color of lipstick is important for total fashion image, we tried to analyze the characteristics of colors of lipsticks of popular brands especially for Japanese female students. Preparing a database consists of 294 color images obtained from websites of lipsticks, we performed statistical analyses such as distribution chart and decision tree for their RGB values. The analysis results show that “MAC has relatively different RGB values from other brands,” “The products with high R values tend to be CHANEL,” and some similarities between brands. Those successfully gave the subjective evidences for the empirical knowledge of the fashion expert.
著者
鍋田 啓太 今井 貴広 木村 昌臣 大倉 典子 土屋 文人
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.287-294, 2011 (Released:2011-12-09)
参考文献数
18
被引用文献数
5 5

There are many reports of medical errors mainly caused by the similarity of drug names in Japanese such as ‘_??__??__??__??__??_’ (Amaryl) and ‘_??__??__??__??__??_’ (Almarl). In order to prevent such errors, one of the authors studied methods of measuring the similarity of drug names and implemented a search engine to find pairs of similar medicine names. However, the existing methods only evaluate sequences of common substrings. In addition, although some methods took the similarity of character (letter) shapes into consideration, they assumed that the similarity of each character pair is given, usually by hand. In order to define the objective similarity index of medicine names, it is also necessary to measure the similarity of character shape objectively. In this study, we propose a method to evaluate character similarity by image processing and apply the method to the medicine name similarity that we propose.
著者
大倉 典子 後藤 さやか 村井 秀聡 青砥 哲朗
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.281, 2008

人工物自体の「かわいさ」、すなわち人工物の形状や色・テクスチャや材質等の諸属性に起因する「かわいさ」を系統的に解析し、その結果から「かわいい」人工物を構成する手法を明確化することを目的として、研究を行なっている。今回は、3次元物体の色の要素をきちんと規定して実験を行なうことにより、人工物の「かわいい色」に対する一定の結論を得ようという意図で、バーチャル空間を利用して、バーチャルオブジェクトにおけるかわいい色について系統的な実験を実施した。
著者
原田 圭裕 古屋 貴大 高橋 信道 長谷川 光洋 中里 智章 大倉 典子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.68, pp.131-134, 2014-05-22

近年,若者の車離れが指摘されている.その問題に対して先行研究では,若者が車に対して魅力を感じてもらうためには,車の外見だけではなく「運転する楽しさ・喜び・感動」といった「わくわく感」を体感できることが重要だとされている.そこで本研究では,若者の「わくわく感」を生体信号で定量評価し,そこで得られた知見を,車載機器に適用し,評価することを目的とする.本報では,作成したわくわくするコンテンツに対して,生体信号から導出される生理指標を用いて評価した実験について報告する.
著者
青木 勇祐 小松 由枝 桐谷 幸治 嶋田 裕希 青砥 哲朗 柴田 卓巳 中山 慎一郎 渡辺 洋子 大倉 典子
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第1回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.148, 2005 (Released:2006-06-27)

都市環境や建造物に対して防災やバリアフリーの観点から「安全」を規定する法律はあるが、「安心」を実現するための法的な規制は未だない。本研究の目的はバーチャルリアリティを利用して、社会的弱者が安心して暮らせるために必要な「生活空間の条件」を明確にし、安心空間のガイドラインの策定に寄与することである。今回はまず、バーチャル環境から得られる印象と実環境から得られる印象との差異について検討した。
著者
嶋田 智和 大倉 典子
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.403-414, 2012-11-25 (Released:2019-07-01)
参考文献数
62
被引用文献数
1

As the progress of aging is very rapid in Japanese society, it is more important for us to approach for elderly people to live safety, peacefully and comfortably. It is crucial to consider the usability of artificial products and environments for elderly people, such as IT devices, home electric appliances, public devices and public facilities. However, the usability evaluation for these methods have not been established because not so many researches concerning on usability for elderly people have been investigated. In this paper, we surveyed recent researches on usability of artificial products for elderly people in Japan and classified researches and evaluation of usability. As a result, we concluded that this survey revealed research direction that is necessary in the future.
著者
大倉 典子 荒巻 孝輔 中村 康明 中山 記男
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.51-58, 2004
被引用文献数
4 2

This paper focuses attention on the concepts used in the developments of various therapeutic robots. Websites related to these concepts were statistically analyzed from the standpoint of Kansei Engineering. Results of this analysis highlighted important keywords employed in relevant Websites that indicate the concepts of the developments. Another analysis using dual scaling also revealed the position of each therapeutic robot. This study also clarified transitions of the weights of the employed keywords and the robot's positions. This new knowledge will contribute to suggesting trends in the therapeutic robots of the next generation.
著者
木村 昌臣 鍋田 啓太 大倉 典子 土屋 文人
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.93, 2009

医薬品の使用の安全性は、医薬品に関する医療事故を防止するためのキーとなるもののひとつである。これを担保するため、従来は医薬品の名称・外観が類似したものについての注意喚起や実務に採用しないなどの工夫がされてきたが、このような工夫にも関わらず、実際に事故が起こってしまったことを鑑みるとこれらの工夫だけでは対策として不十分と言わざるを得ない。本来、正しい医薬品を適切に使用するためには、用法・用量が正しいものであるかを使用者に確認させる必要があり、これにより使用の安全が担保されると考えられる。そのためには、各医薬品の用法・用量に関する情報を保持するためのデータベースが必要である。そこで、PMDAから公開されている医薬品添付文書情報のうち、用法・用量に関係する部分に対し、テキストマイニング手法を適用し、これに含まれている情報を抽出し、このデータベースのスキーマ定義に必要な項目を提案することを試みる。
著者
伊藤 真琴 三重野 はるひ 藤沼 誉英 大倉 典子 渡辺 洋子
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.161-170, 2010 (Released:2016-11-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The main purpose of this paper is a proposal for restoration support system of historical buildings using virtual environments. Trend has developed to restore historical Japanese buildings such as theaters as symbols of town renovation. However, the restoration of such buildings commonly encounters many difficulties such as a lack of documents, and different construction materials and structures between the old era and the present. Virtual images of a restored building should be a great help in evaluating and discussing various restoration plans. We have constructed a restoration support system for historical buildings, using virtual environments to help the design plan for indoor restoration. CAD data based on actual measurements of an old theater, Tsurukawaza in Kawagoe, were employed to construct the 3D model for the system, which ensures reproduction of the interior details of the theater. The experimental results show the effectiveness of the support system.
著者
大倉 典子 青砥 哲朗
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.82-82, 2007

かわいい人工物の系統的研究について、その研究を行なう趣旨や背景について述べ、関連する文化論を紹介する。さらに、そこから立てた仮説を検証するための簡単な予備実験を実施し、人工物の形に対する「かわいい」という評価が年齢や性別によって異なることを示す。
著者
大倉 典子
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.124-127, 2016-01-15

情報通信基盤が整備した21世紀の高度情報化社会において,日本生まれのゲーム・マンガやアニメーションなどのいわゆるディジタルコンテンツが世界中に広がっている.一方,従来のものつくりの価値観である性能・信頼性・価格に加え,感性を第4の価値すなわち「感性価値」として認識しようという国の取組みも開始された.著者らは,日本生まれのディジタルコンテンツの人気の大きな要因の1つにキャラクタ等の「かわいさ」が挙げられると考え,人工物の感性価値としての「かわいい」に着目し,その物理的諸属性を系統的に解析する研究を行ってきた.ここでは,「かわいい形」「かわいい色」「かわいい質感」「かわいい大きさ」について,概説する.