著者
大道 晴香
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.105-129, 2013-06-30

イタコは青森県から秋田県・岩手県に分布する民間巫者であり、マス・メディアによって、今やその存在は全国に知れわたっている。しかし、そうした認知度の高さとは裏腹に、民俗文化としてのイタコと、マス・メディアによって形成される大衆文化としての<イタコ>との間には、少なからず隔たりが存在している。本稿は活字メディアによって作られた言説を分析することで、一九七〇年代〜八〇年代における<イタコ>の実相について、特にオカルトブームとの関連から論じている。七〇年代に始まる日本のオカルトブームは、それまで「他者」の領域に追いやられてきた<イタコ>の宗教性を「オカルト」として再発見することで、「我々」の領域へと編入した。これは価値の転換であると同時に、<イタコ>の宗教性が大衆の消費対象化したことを意味する。こうした宗教性の大衆化こそが、大衆文化としての<イタコ>の定着において非常に重要な役割を果たしたと考えられる。
著者
吉永 進一 GAITANIDIS IOA 大澤 絢子 荘 千慧 栗田 英彦 大道 晴香
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、第一に、終戦直後から1960年代までを中心として、インド、アディヤールにある神智学協会本部所蔵の資料や、戦後日本の神智学系の運動の調査を行い、神智学思想の伝播と流布についての通史を記述する。第二に、同時期の出版メディアの調査を通じて、神智学以外の西洋秘教思想の一般への流布を調べる。第三に、それら1960年代までの動きが、1970年代のオカルト流行とその後のニューエイジへの発展へどう発展し、あるいは断絶したかを検証する。
著者
大道 晴香
出版者
蓮花寺佛教研究所
雑誌
紀要 (ISSN:18828175)
巻号頁・発行日
no.9, pp.237-271, 2016