著者
太田 剛
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.71-76, 2020-02-01 (Released:2020-02-01)

現在,図書館の在り方が大きく変わってきているといわれる。旧来の図書の貸出しを中心とした考え方から,地域づくりの中心施設としての図書館へと移行し,そこに求められる役割も多様化してきている。とくに滞在型の図書館への移行は,空間の居心地の良さが重要視され,そこに配置される家具には,機能性や安全性のみならず,デザイン性も重要な要素となってきている。これまで全国各地で図書館の新設や改修に,アドバイザーやコーディネーターとして関わってきた筆者が,それまで経験した事例をもとに,これからの新しい図書館づくりにおける家具の選定について考察する。
著者
太田 剛 森本 容介 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.197-208, 2016-12-24 (Released:2017-03-23)
参考文献数
26

本稿では,初等中等教育において全国レベルでプログラミング教育が実施されている英国,オーストラリア,米国のカリキュラムを調査し,その内容を総括的に述べる.各国とも情報教育として,プログラミング教育を包含するコンピュテーショナルシンキングの考え方を中核にして,抽象化,問題の分析,アルゴリズム,データ活用,評価,協働作業等の能力の育成を目指した学習内容を定義している.各国のプログラミング教育は類似した内容で,小学校低学年ではロボットやパズルを使用して手順の指示を行い,小学校高学年ではビジュアル言語を使用して分岐や反復を含むプログラムを制作し,中学校高校ではテキスト言語を使用して複数のデータ型やモジュールを含むプログラムを開発する.また,従来のICTの基本的操作,情報倫理,情報の安全教育などを小学校低学年から実施するなど総合的な情報教育の面もある.
著者
Binbin WANG CHENG Chewchuang 江頭 祐嘉合 太田 剛雄 真田 宏夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.181-187, 1995-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
9 10

4週齢のウィスター系雄性ラットを用いて飼料中のオリゴ糖のガラクトサミン肝障害発症に及ぼす影響について検討した。<BRガラクトースを含んでいるラクチュロース, ラフィノース, 2種のガラクトオリゴ糖 (以上ビフィズス菌増殖因子), ガラクトースおよびラクトースにガラクトサミン肝障害発症抑制効果が認められた。同じビフィズス菌増殖因子であるフラクトオリゴ糖とグルコマンノオリゴ糖にはこのような効果が見られなかった。ビフィズス菌増殖因子が必ずしもガラクトサミン肝障害発症抑制効果を示さない場合があった。ガラクトサミン肝障害発症抑制にはオリゴ糖中あるいは単糖としてのガラクトースが深く関与していることが明らかにされた。
著者
西沢 千恵子 太田 剛雄 江頭 祐嘉合 真田 宏夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.499-503, 1998-08-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
19
被引用文献数
17 24

フェルラ酸は,主として細胞壁中にアラビノキシランとエステル結合して存在しており,種々の抗酸化性を有していることが知られている.本研究では,日常的に摂取している食品,特にイネ科の食品中のフェルラ酸含量を,HPLCにより定量した.同一の原料では,例えば玄米の方が精白米より多くフェルラ酸を含み,精製されていないものの方が精製されたものより多く含有していた.またライ麦粉,オートミール,粟などの雑穀や大麦,たけのこには,米,小麦粉及びそれらの加工品より多く含まれていた.さらに食品中の総食物繊維含量や不溶性の食物繊維含量が増加すると,フェルラ酸含量も増加する傾向が認められた.これはフェルラ酸が各部位の細胞壁において,細胞壁マトリックス多糖であるアラビノキシランとエステル結合していることによると推定された.
著者
太田 剛 加藤 浩 森本 容介
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.204-214, 2018-04-01 (Released:2018-05-25)
参考文献数
26

We developed a comprehensive learning-support system for Scratch, a visual programming language. It provides automatic assessment of computational thinking concepts such as conditional statements, loops, data, and parallelism in order to develop students’ programming skills. It also provides more than 60 sample functions that are commonly used in Scratch projects, and analyzes automatically which functions are used in a project. The system could be used in supporting mentors and learners of programming learning, and analyzing a lot of programs to understand how learners master programming.
著者
宮田 悠 中原 一郎 太田 剛史 松本 省二 定政 信猛 石橋 良太 五味 正憲 坂 真人 岡田 卓也 西 秀久 園田 和隆 高下 純平 渡邉 定克 永田 泉
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.145-150, 2016 (Released:2016-06-07)
参考文献数
13
被引用文献数
11 10

We report a case of repeated cerebral infarction caused by internal carotid artery (ICA) dissection triggered by an elongated styloid process, a form of Eagle syndrome. A 41-year-old man presented with sudden, mild left hemidysesthesia. Magnetic resonance imaging (MRI) revealed a small acute cerebral infarction in the right parietal cortex and insular cortex. Magnetic resonance angiography and digital subtraction angiography (DSA) revealed a right-sided ICA dissection distal to the carotid bifurcation. Idiopathic carotid artery dissection was suspected, and the patient was prescribed aspirin and observed. However, 5 months after the initial cerebral infarction, he had a second episode of left hemiparesis and confusion accompanied by occlusion of the right ICA. Because the area of impaired perfusion in the right hemisphere was greater than that suggested by the diffusion-weighted images of head MRI and clinical status was worse than expected, we performed acute revascularization with aspiration of the thrombus and stenting to treat the carotid dissection. Recanalization with thrombolysis of cerebral infarction (TICI)-grade IIB was achieved. Computed tomographic (CT) angiography combined with analysis of bony structures revealed close proximity of the right ICA and an elongated styloid process with its tip directed toward the dissection. In an angiographic suite, a dynamic cone beam CT was performed with the head of the patient variedly rotated and tilted; the carotid artery dissection appeared to be triggered by the elongated styloid process. Resection of this process was performed to prevent recurrence of the cerebral infarction. Under the guidance of a navigation system, the elongated styloid process, which was located ventral to the anterior belly of the digastric muscle, was cut 3 cm from the tip. The patient was discharged on postoperative day 8 without medical problems, and no recurrence was observed for 12 months after the surgery.
著者
梅田 剛利 太田 剛 浅岡 壮平 森 康浩 嶋谷 頼毅 手島 信貴 宮川 創 馬場 武志
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.19-24, 2017-02-25 (Released:2017-04-06)
参考文献数
19
被引用文献数
1

ブナシメジ廃菌床(以下,廃菌床)が泌乳牛用発酵混合飼料(発酵TMR)の原料として利用可能であるかを検討するため,ホルスタイン種泌乳牛4頭に廃菌床を乾物あたり8%含む発酵TMR(廃菌床区)あるいは含まない発酵TMR(対照区)を給与した1期14日間の試験を行い,2期目には処理を反転した.発酵TMRは発酵品質を調査し,TMRの粗濃比,水分含量,有機物含量,粗タンパク質含量およびNDFom含量は両区でそろえた.廃菌床を添加した発酵TMRの発酵品質は良好であり,廃菌床区の乳成分は乳タンパク質率が対照区と比べて低かった(P<0.01)ものの,乳タンパク質生産量は有意差が認められず,乳脂肪率と乳糖率は対照区と比べて有意差が認められなかった.廃菌床区の乾物摂取量および乳量は対照区と比べて有意差が認められなかった.これらのことから,ブナシメジ廃菌床は発酵TMRの原料としての利用可能性が示された.
著者
太田 剛雄
出版者
Japanese Association for Dietary Fiber Research
雑誌
日本食物繊維研究会誌 (ISSN:13431994)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-10, 2000-12-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
63
被引用文献数
1

Ferulic acid is a phenolic acid, ubiquitous in the plant kingdom, which can be absorbed by the small intestine and excreted through the urine. Ferulic acid is extensively reported to have preventive effects against several diseases. It can increase the ratio of HDL to VLDL+LDL cholesterol, and bioavailability of vitamin E and decrease total cholesterol in rats. It also increases vitality of sperm and is a potential medicine for male infertility. Ferulic acid shows strong antioxidant, free radical-scavenging and anti-inflammatory activity, it increases the resistance of LDL to peroxidation, protects LDL cholesterol from oxidation and prevents the oxidative modification of LDL; it is a good topical protective agent against UV radiation-induced skin damage. The most remarkable function of ferulic acid is its anti-tumor and anti-cancer effect. Several reports have suggested that ferulic acid is chemopreventive on oral cancer and that proved that ferulic acid is a potential chemopreventive component for colon cancer.
著者
浦口 健介 小桜 謙一 前田 幸英 太田 剛史 土井 彰 假谷 伸
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.124, no.7, pp.1005-1012, 2021-07-20 (Released:2021-08-04)
参考文献数
33

めまいは救急受診の原因で頻度の高い主訴であるが, めまいの中には致死的な疾患や重篤な後遺症を残す疾患が存在し初期対応には注意を要する. 今回, 当院で救急救命科へ搬送され入院した急性期めまい症例について検討した. また, その集計結果を用いて初期研修医に急性期めまい診療についてのフィードバックを行い, 急性期めまい診療について質問紙調査を行った. 救急搬送された急性期めまい症例224例を対象とした. 入院症例については患者背景・随伴症状・診断名について検討した. これらの集計結果を初期研修医に提示するとともに, 初期研修医への急性期めまい診療講義を行い, その前後に質問紙調査を行った. めまい搬送症例は224例であり, 93例 (41.5%) が入院を要した. 入院症例のうち末梢性めまいが38例, 中枢性めまいが29例, 15例がそのほかの全身疾患, 原因不明が11例だった. 中枢性めまいのうち脳血管障害は18例あり, 15例が椎骨脳底動脈系血管障害 (小脳梗塞8例, 脳幹梗塞4例, 小脳出血3例) であった. 42人の初期研修医への質問紙調査では, 急性期めまい診療に興味はあるが十分な理解ができていないことが示された. めまい診療においては鑑別疾患や診断方法などが重要と考え, 本検討内容を救急救命医や初期研修医へフィードバックをすることで, 今後の急性期めまい診療についての情報共有を行うことができた.
著者
北崎 宏平 大谷 喜永 小原 嘉昭 太田 剛 梅田 剛利 馬場 武志 阿野 仁志 片本 宏
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.147-153, 2019-03-20 (Released:2019-04-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1

暑熱期の乳牛は,酸化ストレス状態にあることが知られている.泌乳牛において,トレハロースの飼料添加による酸化ストレス指標の改善が報告されているが,暑熱期での効果は不明である.本研究では,6頭の泌乳牛を対照区とトレハロース区(1.5%添加)に分け,2群×2期のクロスオーバー試験を暑熱期と適温期に実施し,血液,乳汁及び第一胃内容液の酸化ストレス指標への影響を調べた.暑熱期の飼料摂取量は,トレハロース区が対照区よりも多く(P<0.01),第一胃液中の原虫数は,暑熱期,適温期ともにトレハロース区においてEntodinium 属が多かった(P<0.05).抗酸化能を表す1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカル消去活性は,暑熱期,適温期ともにトレハロース区の乳汁で高く(P<0.05),血漿でも暑熱期のトレハロース区が高い傾向を示した.これらのことから,暑熱期における泌乳牛の飼料へのトレハロースの添加は抗酸化能の改善に有効と考えられた.
著者
伊藤 清 太田 剛雄 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.289-293, 1987-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

清酒もろみ中の香気成分の米粒への吸着について検討を行った。1.みかけの吸着定数を求めたところ, カプロン酸エチルは酢酸イソアミルの約10倍, カプリル酸エチルはそのさらに10倍吸着し易いことがわかった。2. 脂肪酸のエチルエステルは主に米澱粉中のアミコースによる包接作用で米粒に保持され, その他に香気成分全般について米蛋白質への吸着が関与していることがわかった。3.もろみ中でも, 香気成分は米粒に吸着し酒かすへ移行したが, ろ液仕込を行うことにより清酒への移行率を高めることができた。
著者
太田 剛雄 高下 秀春 轟木 康市 岩野 君夫 大場 俊輝
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.922-926, 1992-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
12 11

1. 清酒中の抗酸化活性を調べたところ, 清酒中には原料米中よりも強い抗酸化活性が存在した。2. 清酒中の抗酸化活性はAmberlite XAD-2に吸着され, 50%メタノールにより溶出した。3. 50%メタノールによって溶出される活性区分は分子量の異なるA, B, C, Dの4つのフラクションからなり, C, Dフラクションの主成分はそれぞれフェルラ酸およびチロゾールであった。4.分子量の大きいAフラクションは0.5N NaOHまたはジアスターゼ原末による加水分解でフェルラ酸を遊離し, フェルラ酸の配糖体エステルと推察された。本研究の一部は日本酒造組合中央会との共同研究として実施した。
著者
太田 剛 内藤 英俊 田所 英二 原 雄人 村川 義康 河野 渉
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.1160-1163, 1989-02-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

An epidemiologic study of lumbar intervertebral disc herniation was undertaken at our hospital.200 patients with this condition were operated in recent four years.To all cases, we sent the questionnaire.85 patients were successfully interviewed.It was found that this condition was most likely to be diagnosed among the male sex in the age group of 30's, and the female sex in the age group of 30's, 40's, and 50's.In the occupation, more than half of the male cases were hard-workers and more than half of the female cases were clerks and house-wives.
著者
太田 剛
出版者
四国大学
雑誌
凌霄 (ISSN:18803466)
巻号頁・発行日
no.19, pp.29-80, 2014-04
著者
平山 雅樹 新野朝丈 児玉 公信 松澤 芳昭 太田 剛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-7, 2011-03-07

学生が初めてのソフトウェア開発プロジェクトを経験する中で直面した問題について報告する.対象とする開発プロジェクトは,企業が実際のシステムを外注する際に使用した仕様書を基にしており,企業のソフトウェア開発と同程度の品質を目指すものである.プロジェクトの規模は10人月程度で,アジャイル開発プロセスが試みられた.現在進捗している段階まで,生じた問題について記述して種類を整理した結果,作業の目的の理解不足とリスクの意識不足に起因する問題であることが分かった.In this paper, we report our experience that students faced in the first IS (Information Systems) development project. The project was driven by the RFP (Request For Proposal) which was used in the real situation when the project owner ordered to developers. Although the developers were not students, students tried to develop the system as the same quality as professionals do. Agile process was applied to the project, and the size of the project is approximately ten man-months. Now the project has proceeded to the middle of the goal, and problems that were happened in the project until now were described and classified. Then we have found that the problems are caused by "losing the objective of the work" and "lack of focusing the risk management".
著者
太田 剛弘
出版者
永井書店
雑誌
綜合臨床 (ISSN:03711900)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.2141-2153, 2006-08