著者
引地 謙治 森野 祐直 福田 一郎 松本 壮樹 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.413, pp.17-24, 2000-11-02
被引用文献数
10

現在, 触覚フィードバックデバイスの開発が盛んに行われており, 今後は, 触覚メディアも徐々に普及していくものと思われる.我々は, 触覚を含むマルチメディアをネットワークを通じて取り扱う方法について検討し, ネットワークを通じて共有する環境の構築を目指している.現在, 我々は触覚メディアを含んだネットワークサービスに対してのネットワークの影響について議論するための基礎実験の一環として, 触覚や視覚メディアの遅延やパケット損失, 同期の乱れがQoS(Quality of Service)に与える影響を調査している.本稿では, これらの調査の結果をもとに触覚ディスプレイ(PHAMToM)をネットワーク応用するにあたってのシステムの構成を提案し, 持に遅延に対する影響について考察する.
著者
高野 洸 安田 靖彦 猪瀬 博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.17, no.10, pp.606-610, 1963

テレビジョン信号のように直流をふくむ広帯域の信号を符号化伝送することは, 従来PCM, Δ変調を用いて試みられてきた.本報ではΔ変調と同等の簡単な回路でこれよりすぐれた特性が得られるΔ-Σ変調方式を取上げ, この方式によってテレビジョン信号の伝送実験を行なった結果を報告する.実験のため構成した変調装置はトンネルダイオードを基本要素とし, 最高サンプリング周波数60Mc/s, 伝送帯域3.5Mc/sのもので, これによって水平解像度300~350本の再生画像を得た.
著者
竹内 彰次郎 山崎 浩輔 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.421, pp.29-34, 2003-11-07

アドホックネットワークにおいて,殆どの端末がバッテリー駆動であることから,バッテリーは大変重要な資源である. IEEE802.11ではパワーセーブメカニズム(PSM)を定めている.このPSMでは,ノードはATIM windownと呼ばれる定められた時間内はアウェイク状態となる.もし送るべきデータがない場合は,スリープ状態で無線の電源を落す.しかしPSMを使用したアドホックネットワークでは, PSMを用いないIEEE802.11に比べ,大きな遅延とスループットが低下するといった問題がある.そこで本稿では,遅延の軽減とスループットの向上を目的とした,新しいPSMを提案し,シミュレーションによりその効果を示す.
著者
安田 靖彦
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.10, pp.283-288, 1967-10-01

信号をブロック符号に符号化して伝送するとき,受信側では復号に先きだってビット同期およびフレーム同期をとることが必要である.このうちフレーム同期は通常フレーム同期信号を間けつ的にそう入する方法をとっているが,同期の問題を基本的立場から考え直してみると他にもいろいろな方式が考えられる.自己同期符号による同期方式はその一つであり,信号をになう符号自体がある意味で同期情報を運ぶ.したがって同期符号をそう入する必要がない.しかし自己同期符号とするためには冗長度が必要であるから,この冗長度をいかに処理するかによって自己同期符号方式のよさがきまる.本文は自己同期符号の構成の仕方,問題点等を述べたものである.
著者
富永 英義 MUSMANN H. JUDICE C. KUNT M. CHIARIGLIONE エル 小舘 亮之 児玉 明 安田 浩 小松 尚久 相沢 清晴 田崎 三郎 酒井 善則 安田 靖彦 JOZAWA Hirohisa YABUSAKI Masami MIKI Toshio SAKURAI Yasuhisa FUKUDA Toshio ALGAZI V. SHAFER R. KOMIYA Kazumi ALGAZI V PROF.H. Musm SHAFER R. 羽鳥 光俊 原島 博 辻井 重男 花村 剛
出版者
早稲田大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

前年度の活動の成果として得られた、シンタックス、ツール、アルゴリズム、プロファイルという4つの異なる要素から構成するフレームワークを基本構造とし、今年度は,主に,具体的要素技術の比較および評価,確認実験モデルの作成,動画像ドキュメントアーキテクチャの概念に基づく符号化方式の具体化作業を行なった。まず、具体的要素技術の比較評価テストについて。Functionality、テスト画像クラス、ビットレートによって評価対象を分類し、比較評価テストを行なった。ただし、テストの際、基準となる比較対象(アンカー)として、CIFフォーマットを用いたMPEG1およびCIFあるいはQCIFを用いたH.263を使用した。比較評価の結果、10kbpsを中心とした低ビットレート範囲ではビットレートが高くなるほどアンカーおよびブロックベース手法の結果が良好であること、低ビットレートにおいてはフレームレートの設定がその画質評価結果を大きく左右する要因であること、Content based functionaliesを有する方式はアルゴリズムの種類が増大し要素としての評価が難しい傾向を示すこと、が主に明らかとなった。良好な性能を示す要素技術の候補としては、long term memory, short term memoryを併用する手法、イントラフレームにウェーブレットを適用する手法、グローバル動き補償とローカルアフィン動き補償の組合わせ、ブロック分割手法、matching pursuits手法等が挙げられた。次に、確認実験モデルの作成について。長期に渡る議論の結果、確認実験モデルとしてはビテオオブジェクト平面という概念で表される複数のビテオコンテントを入力情報源として適用可能なモデルが選択された。この確認モデルは、H.263の拡張動きベクトルおよびアドバンスト予測方式を採用すること、2値形状は4分木符号化、多値形状は4分木符号化+VQを使用すること、コンテント境界はpaddingを行って符号化することを主な条件として作成されることとなった。最後に、動画像ドキュメントアーキテクチャの概念に基づく符号化方式の具体化について。メディアの統合的扱いが可能なフォーマットおよび既存データの再利用機能が将来のマルチメディア情報環境において特に重要であるという観点から、文書の編集加工処理を構造的に行なうデータアーキテクチャであるODAの概念をビデオ・ドキュメントアーキテクチャ(VDA)として動画像符号化への適用を試みた。まず、ビデオコンテントをカメラの光軸に垂直な単一の静止平面(背景のみ)と仮定しこれを入力としてカメラパラメータを分離符号化する方式を検討した。続いて、αマップと原画像情報を入力として、VDAの概念に基づいたプロセッサブル符号化方式を検討した(H.263を基本とし、任意形状に対応した直交変換、αマップ符号化、コンテント・時間単位データ多重化を主に加えた構成)。実験の結果、前者の方式は正確なカメラパラメータが計測できる場合約50[dB]の平均SNRで複号化できる能力をもち、検出するパラメータ誤差が蓄積するに従ってこの値が急激に減少する傾向を子示すことが分かった。また、攻守の方式については、カメラ操作およびビデオコンテントの移動・消去・表示優先度・追加等の編集シミュレーションを行ない、意図した動画像の編集加工機能・データ再利用機能がVDAモデルにより効果的に実現されていることを確認した。また、簡単な加工用データ操作記述言語を試作することにより、編集処理の迅速性、内容の可読性が大きく向上されることを示した。今後は、画像合成を行なう際のMapping処理の高速化、ビテオコンテントのデータのバッファリング処理、透明度を考慮したαマップ符号化、ランダムアクセス機能の実現手法・ドキュメントアーキテクチャの概念で扱えるメディア範囲の拡張などが課題として挙げられた。
著者
引地 謙治 森野 祐直 福田 一郎 松本 壮樹 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.268-278, 2003-02-01
被引用文献数
18

現在,実時間メディアのネットワーク伝送において,ネットワークの状況に適応したサービス品質の提供が問題となっている.音声・動画像メディアにおいては,インターネットにおけるネットワークQoS(Quality of Service)の劣化に対する制御,また劣化がユーザに与える影響などの研究が多く行われている.一方,ネットワークを通じた仮想空間共有システムにおいて触覚をユーザに提示することが可能となっている.しかしながら,このような触覚を含む仮想空間共有システムにおいて,ネットワーク品質の劣化がユーザに与える影響についての検討はほとんど行われていなかった.そのため,本論文ではネットワークの状況に適応的制御が可能な触覚を含む仮想空間共有システムを提案する.本システムにおいては,ネットワークにおける遅延,パケット損失に対する対策を行い,量子化・符号化により伝送情報量を低減させる.また,触覚を含むシステムの評価手法を定め,それに基づいてネットワークにおける遅延,パケット損失,また量子化による情報損失に対する特性を測定することにより,システムに必要とされるQoSパラメータの導出を試みる.
著者
小松 邦紀 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.429-436, 1995-03-25
被引用文献数
51

従来の濃淡静止画像の可逆的なサブバンド符号化に用いられる1次元フィルタバンクにおいては,高域信号が,予測のために両側の画素のうち片側の画素しか用いられていない外挿予測誤差信号,あるいは両側の画素が用いられてはいてもレベル数が入力信号の4倍である内挿予測誤差信号であった.そこで,本論文では,高域信号のエントロピーを小さくして圧縮効率を高くするために,レベル数が入力信号の2倍である内挿予測誤差信号を高域信号とする1次元フィルタバンクを用いる可逆的なサブバンド符号化を提案する.更に,予測を上下左右の4画素により行う非可分型方式の設計も行う.複数の実画像を用いた圧縮効率の比較では,提案方式は従来の可逆的なサブバンド符号化よりエントロピーが0.1〜0.5bits/pel小さいこと,提案方式のうちのいくつかは可逆的な予測符号化より圧縮効率が高いこと,可分型の提案方式は非可分型の提案方式より圧縮効率の高い場合が多いことが示される.また,可分型の提案方式を用いた縮小画像の品質の評価では,低域フィルタのタップ数を大きくすることにより折返しひずみが抑制されることが示される.
著者
石川 伸一 鈴木 龍太郎 五家 建夫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.27, pp.45-51, 1999-04-23
被引用文献数
3

衛星コンステレーションを検討する場合は伝送遅廷、サービス領域、地上の移動端末からの可視衛星の最低仰角そして衛星に対する宇宙放射線の影響からなる多くの要素を考慮する必要がある。我々のプロジェクトでは遅延時間を短くする事がマルチメディア通信サービスを達成するための鍵となる要素の一つであると考えて衛星間リンク機能を持つLEOコンステーションを想定した。ここでは、軌道高度、軌道傾斜角、衛星数、軌道面数等のLEOコンステレーションのパラメータについて検討した。例えば、バンアレン帯やサウスアトランティックアノマリ(SAA)での放射線の影響は軌道高度と軌道傾斜角の選定において考慮した。また、衛星間リンクの配置の観点からコンステレーションのパラメータについて検討した。
著者
有本 勇 引地 謙治 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.662, pp.25-29, 2003-02-21

現在,我々は共有仮想空間において触覚インタフェイスを用いた実時間協調作業を行うシステムの研究を行っている.触覚インタフェイス同士での協調作業の研究は多くなされているが,触覚インタフェイスと非触覚インタフェイス間においての協調作業についての研究はほとんどなされていない.本稿では,非触覚インタフェイスとしてマウスを用いたクライアントと,触覚インタフェイスPHANToMを備えたクライアント間において,実時間協調作業を実現するシステムを提案する.本システムでは,触覚インタフェイスのように非触覚インタフェイスであるマウスにおいても仮想的な力を算出し,その力により仮想オブジェクトを操作することによって,両クライアントで違和感のない協調作業を実現した.また,本システムを用いて仮想オブジェクトの配置タスクを行うことにより,マウスにおける仮想的な力の生成手法の検討,および各クライアントの作業効率の評価を行った.