著者
牧野 祐亮 安藤 昌也
出版者
特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構
雑誌
人間中心設計 (ISSN:18829635)
巻号頁・発行日
vol.16, no.Supplement1, pp.25-32, 2020-06-06 (Released:2020-09-01)
参考文献数
9

The divergence and convergence of ideas is one of the most important processes in the general design process, not only in UX design. In particular, idea convergence is the process of narrowing down the design candidates for actual implementation, and it is necessary to select effective ideas effectively. However, there is currently no way to converge ideas specific to UX design. In addition, a survey the authors conducted with UX designers revealed a number of problems with the way ideas converge. Therefore, this study investigates a suitable method for idea convergence in the UX design process. First, we conduct a comparative analysis of the four existing idea convergence methods. After that, we will experiment with the Pugh Concept Selection to apply it to UX design and examine the issues when applying it.
著者
安藤 昌也 齋藤 亨 前川 元貴 小林 英樹
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.382-389, 2023 (Released:2023-03-25)
参考文献数
9

企画段階で創出したコンセプトを想定顧客に対して提示し、その受容性や改善点を把握しようとしたとき、調査協力者は未来の提供価値を想像して反応を返すため、その人の特性をあらかじめ把握することが重要となる。本研究では、解釈レベル理論に着目した心理的距離尺度を作成し、調査協力者の選定に用いることを検討した。
著者
登尾 和矢 安藤 昌也
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.87-96, 2017-02-25 (Released:2018-12-10)
参考文献数
15

In UX designing, we sometimes propose a new concept product or service, focusing on user experience value. In this case, it is desirable to conduct concept evaluation at an early stage to confirm the direction of development. However, the method to reasonably conduct a concept test at a stage when the product or service is not concrete enough remains unclear. In this study, we analyzed the effect of results from the differences in the expressions of the following 3 concept sentences: (A) expression showing only the experience value; (B) expression with usage scene in addition to the experience value; and (C) expression with function in addition to the experience value. As a result, we found that A could reasonably evaluate “the degree of matching the needs” and “novelty”, and that C could reasonably evaluate “sympathy”. In this study, therefore, we suggest a two-stage concept test method in which we first present only the experience value to evaluate the degree of matching the needs and then present the usage scene to evaluate sympathy.
著者
安藤 昌也 伊藤 泰信
出版者
千葉工業大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究は、人や社会を要件として捉え、システム設計を専門とする人間中心設計(以下、HCD)と、集合的な社会・文化に焦点を当てて人間社会を理解することを専門とする文化人類学(以下、人類学)の知見を融合させつつ、人工知能(AI)を適用したシステムの設計において人と社会の調和を考慮したシステム設計思想および設計方法のあり方を検討するものである。本研究では、HCDと人類学の融合する「多元的HCD」という一見矛盾する設計思想を仮説としつつ、2つの学問領域の対話と連携により、実際にAIが導入されている現場(医療支援システムや転職支援サービスなど)のフィールドワークをすることを通し、双方の差異・共通点から課題を整理する。
著者
浅野 志帆 安藤 昌也 赤澤 智津子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.229, 2016 (Released:2016-06-30)

デザイン領域が経験や価値までに広がった今日において、ユーザーエクスペリエンスデザインに対する理解は、デザイナーは勿論のこと、企画職やマーケティング職に従事するデザイナー以外の人々にとっても必要なスキルといえる。本研究の目的はKA法を題材に、入門者がエキスパートからの指導を受けることがなくても手法を理解・実践する方法を検討し、明確化することである。KA法が用いられるワークショップの見学を通し、得た気づきより、KA法自体に関する理解→KAカードの構造理解→KA法の実践→実践結果のフィードバックという4ステップをで最低限の理解・実践ができるパターンとした。今後は体系化したパターンが有効であるかを検討、考察し、必要に応じてパターンの再検討を行う。
著者
安藤 昌也 アンドウ マサヤ Masaya ANDO
出版者
総合研究大学院大学
巻号頁・発行日
2009-03-24

1章 序論<br /> ユーザビリティや人間中心設計は、我が国の産業界だけでなく、世界的にも次第に定着しつつある。しかし近年、ユーザの実利用の実態と乖離したユーザビリティ評価に対する批判がなされるようになった。User Experience (UX: ユーザ体験) に対する議論の広がりや、ユーザビリティ指標の批判的研究などは、その動向の一例である。<br /> 本研究は、インタラクティブな操作を伴う製品 (インタラクティブ製品と呼ぶ) を対象に、製品を購入したユーザが実利用環境において、長期に渡り製品を利用することで形成する製品評価の構造を研究対象とする。<br /> ユーザビリティ研究分野において、実利用環境や長期の利用に関する先行研究には、フィールドユーザビリティやユーザビリティ評価の経時的変化に関する研究などがある。しかし、実利用環境における製品評価構造に関する研究はこれまで行われていない。また、消費者行動論における顧客満足研究では、製品の利用過程そのものが研究の焦点となっておらず、ユーザビリティと顧客満足に関する研究は行われていない。<br /> 本研究の目的は、インタラクティブ製品の実ユーザが、実利用環境での利用経験に基づいて行う製品評価の構造を明らかにすることである。そのため本研究ではまず、実利用環境における製品評価について定性的研究アプローチにより把握し、ユーザの製品評価構造及びの心理的要因を明らかにする。次に、導出した製品評価構造に基づき、定量的に把握可能な変数を定めた上で、定量的研究アプローチによって実際の評価構造を検証する。なお、定量的研究では、ユーザの心理的要因と製品評価との相互関係に着目し分析を行う。<br /><br />2章 実利用経験に基づく製品評価構造<br /> 製品の長期利用の実態と評価の関係を把握するために、7名のインフォーマントに対して、製品利用の来歴を記入する利用年表を用いた回顧的なデプスインタビューを行った。<br /> デプスインタビュー結果の分析から、長期にわたる製品の利用と評価に対する洞察を得た上で、利用経験 (出来事) と評価の関係性に注目し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプーチ (M-GTA) により、共通の事象を概念として抽出し、「製品評価プロセスモデル」を導出した。分析過程では、発話データのコーディングに基づいて20個の概念を抽出し、さらにそれを10個のカテゴリにまとめた。<br /> 製品評価プロセスモデルでは、利用経験と製品評価の関係については把握できたものの、インタラクティブ製品の利用に対するユーザの心理的要因の影響については十分ではなかった。そこで、改めて同一のインフォーマント6名と追加の4名の計10名に対して、インタラクティブ製品を利用する際の態度や感情などに注目して、デプスインタビューを行いM-GTAを用いて分析を行った。<br /> その結果、ユーザの心理的要因として「インタラクティブ製品の利用に対する自己効力感(自己効力感)」と「利用対象製品に対する製品関与(製品関与)」の2つの要因を抽出した。<br /> これら二つの調査と分析の結果から、「実利用環境での利用経験に基づく製品評価構造(製品評価構造)」を導出した。<br /><br />3章 製品利用に関する心理尺度の構成<br /> 3章では、2章で導出した製品評価構造に基づいて、ユーザの心理的要因である自己効力感を測定する心理尺度と製品関与を測定する心理尺度を、それぞれ構成した。<br /> 自己効力感尺度は、1,200件の訪問留置法による質問紙調査によりデータを把握し、因子分析等によって項目選択を行い、最終的に1因子20項目で構成される尺度を作成した。<br /> 製品関与尺度は、製品の普及率のバランスを考慮し、8種類のインタラクティブ製品と2種類の白物家電を取り上げ、それぞれの製品に対する関与度を把握するウェブ調査を実施した。有効回答数は600件である。分析では、因子分析等によって項目選択を行い、10項目の尺度原案を作成した。ウェブ調査はサンプルの偏りが大きいことが指摘されているため、ウェブ調査データの補正法である傾向スコアによる共変量調整法を用いて、データの補正を行った。補正後のデータを用いて、10項目の尺度原案の因子構造が安定的であることを確認した。これらの手続きにより、最終的に3因子10項目による尺度を構成した。<br /><br />4章 ユーザの心理的要因と製品評価<br /> 4章では、2章で導出した製品評価構造に基づいて、実際の製品の製品評価を把握した。対象とした製品はアップル社の「iPod nano」である。iPodはユーザビリティやUser Experienceを考慮した製品だといわれており、また、普及率も高くデータを収集しやすいことから調査対象とした。<br /> 調査方法はウェブ調査とし、サンプリングは2年未満の利用期間を5つの区分に分割して、各期間のユーザの回答を収集した。有効回答数は262件である。<br /> 製品評価は、ユーザビリティ評価に関するものとUser Experienceに関するもので、合計85項目について回答を得た。因子分析を行った結果、「使う喜び・愛着感」「主観的ユーザビリティ評価」「不満感」の3つの評価因子が抽出された。これらの評価因子の因子得点を、利用期間ごとの平均値で比較したところ、利用期間によって大きく異なる傾向があり、2章で示した製品評価プロセスモデルの特徴と類似する傾向が見られた。<br /> また調査では、3章で構成した自己効力感尺度及び製品関与尺度を把握し、尺度得点を算出した。<br /> ユーザの心理的要因と製品評価の関係を分析するために、自己効力感及び製品関与の尺度得点と、3つの評価因子の因子得点を用いて、共分散構造分析を行った。分析モデルは、2章の製品評価構造に基づいてパス図を作成した。その結果、自己効力感は「主観的ユーザビリティ評価」に正の影響があり、製品関与は「使う喜び・愛着感」と「主観的ユーザビリティ評価」の両方に正の影響があった。<br /> また「使う喜び・愛着感」が利用経験に基づく製品評価の総合的な評価であることを示した。<br /> 製品評価の特徴をわかりやすく分析するために、自己効力感尺度得点と製品関与尺度得点の分布に基づいて、ユーザを4群に分割し、製品評価、利用経験 (出来事) 及び利用実態の特徴を分析した。その結果、ほとんどの項目で各群に有意な差があり、ユーザの特性に応じた製品評価の特徴を、的確に把握・分析できることを示した。<br /><br />5章 結論<br /> 本研究で得られた、実利用環境での利用経験に基づく製品評価構造及び、ユーザの心理的要因が製品評価に及ぼす影響に関する知見を整理し、ユーザビリティ活動において実利用環境での製品評価を把握することの重要性を、従来のユーザビリティテストと対比させて考察した。<br /> また、ユーザの心理的要因尺度の尺度得点によってユーザを分類し、製品評価を分析する手法の有効性を示し、実利用環境における製品評価の分析手法として提案した。この手法は、SEPIA手法 (Self-Efficacy & Product Involvement Analysis) と名付けた。またSEPIA手法は、新しいユーザ支援のあり方の検討にも応用することができ、試みとして自己効力感を高めることにより、ユーザビリティの問題点を緩和するアイディアについて検討を行った。<br /><br /> 本研究は、得られた知見の一般化にはなお限界があり、今後の研究により知見を蓄積することが必要である。また他にも検討すべき課題があるものの、今後の研究の基礎となる研究成果は得られており、実ユーザの利用体験をより快適で満足度の高いものとするために、貢献できるものと考えている。
著者
安藤 昌也 伊藤 泰信
出版者
千葉工業大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、人や社会を要件として捉え、システム設計を専門とする人間中心設計(以下、HCD)と、集合的な社会・文化に焦点を当てて人間社会を理解することを専門とする文化人類学(以下、人類学)の知見を融合させつつ、人工知能(AI)を適用したシステムの設計において人と社会の調和を考慮したシステム設計思想および設計方法のあり方を検討するものである。本研究では、HCDと人類学の融合する「多元的HCD」という一見矛盾する設計思想を仮説としつつ、2つの学問領域の対話と連携により、実際にAIが導入されている現場(医療支援システムや転職支援サービスなど)のフィールドワークをすることを通し、双方の差異・共通点から課題を整理する。
著者
浅野 志帆 安藤 昌也 赤澤 智津子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

デザイン領域が経験や価値までに広がった今日において、ユーザーエクスペリエンスデザインに対する理解は、デザイナーは勿論のこと、企画職やマーケティング職に従事するデザイナー以外の人々にとっても必要なスキルといえる。本研究の目的はKA法を題材に、入門者がエキスパートからの指導を受けることがなくても手法を理解・実践する方法を検討し、明確化することである。KA法が用いられるワークショップの見学を通し、得た気づきより、KA法自体に関する理解&rarr;KAカードの構造理解&rarr;KA法の実践&rarr;実践結果のフィードバックという4ステップをで最低限の理解・実践ができるパターンとした。今後は体系化したパターンが有効であるかを検討、考察し、必要に応じてパターンの再検討を行う。
著者
寺村 信介 安藤 昌也 大塚 愛子 翁長 綾 桂木 紫帆 下郷 雅子
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.335-348, 2019-11-25 (Released:2019-11-25)
参考文献数
17

The authors have been trying to introduce and penetrate UX design into RICOH Company by design support approach since February 2017. Through this activity, there have been many findings which would be so useful in many similar cases. For further investigation, we have interviewed 5 persons who received our support to analyze the problems frequently seen under some specific circumstances, as well as the causes and the solutions of the problems. We extracted 9 patterns and organized them by the Pattern Language method. We applied these patterns to the projects supported in 2018 and verified the usefulness of the patterns.
著者
安藤 昌也
出版者
産業技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、家庭環境で使用される家電製品などのインタラクティブ製品の製品評価が、どのような心理的構造によって行われるかを明らかにした。研究の結果、ユーザの製品操作の自己効力感と製品関与が製品評価に強く影響していることが分かった。また、長期利用の間には評価されるポイントが徐々に変化し、使用後1カ月では「ユーザビリティ」が、半年程度では「使う喜び」を感じるかどうかが評価の中心であることが示され、その評価は製品関与が強く影響していることが分かった。