著者
富永 京子
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.27, pp.122-133, 2014-09-10 (Released:2015-09-01)
参考文献数
16

The theory of social movements has studied political protests with regard to their occurrence, duration, development and participants. Previous research has clarified that diverse factors are involved in all of these elements. Although policing, arrests and interrogations are also essential elements, few researchers have examined them as they occur in contemporary Japan. In this paper, the author conducted a case study based on interviews with arrested activists and their colleagues. From the analysis, the author clarified that arrested protesters are labeled as “radical protesters” both by the police and by people they know in their private lives. On the other hand, policing plays a role in an initiation that makes these protesters more committed to social movements. An arrested activist is recognized as a hero by some protesters. In this way, social movements can develop their sense of solidarity. However, other organizations often regard those arrested as deviant fellow-participants.
著者
富永 京子
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.33, pp.85-96, 2020-07-31 (Released:2021-08-24)
参考文献数
24

This study investigates how Japanese youth lost interest in politics after the 1970s. Previous research in youth studies showed great interest in and conducted research into youth culture after the 1970s. The author aims to demonstrate how the youth lost interest in politics through articles by editors and readers of the magazine Bikkuri House, published between 1975 and 1985. From the collected data, the author found that editors and readers mentioned political issues, but that youth interest changed after the 1980s. The youth supported or criticized political actors such as political parties and social movements in the 1970s. However, they came to caricaturize political actors after the 1980s because editors regarded some political topics as things of the past and expressed little interest in politics. This paper concludes that youth culture after the 1970s did not lose interest in politics, but that that interest was based on ridicule and a caricaturized view of politics.
著者
富永 京子
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.27, pp.122-133, 2014

The theory of social movements has studied political protests with regard to their occurrence, duration, development and participants. Previous research has clarified that diverse factors are involved in all of these elements. Although policing, arrests and interrogations are also essential elements, few researchers have examined them as they occur in contemporary Japan. In this paper, the author conducted a case study based on interviews with arrested activists and their colleagues. From the analysis, the author clarified that arrested protesters are labeled as "radical protesters" both by the police and by people they know in their private lives. On the other hand, policing plays a role in an initiation that makes these protesters more committed to social movements. An arrested activist is recognized as a hero by some protesters. In this way, social movements can develop their sense of solidarity. However, other organizations often regard those arrested as deviant fellow-participants.
著者
富永 京子
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
no.12, pp.17-30, 2013-05-18

本研究は、グローバルな社会運動において運動体間の連携がどのように行われるのかを問う。先行研究は「社会問題の被害者=主要従事者」「被害者以外の人々=支援者」と定義して分析を行うが、グローバルな社会運動は被害者と加害者の境界が曖昧であるために、主要従事者と支援者を判別することが困難である。本稿はサミット抗議行動を事例とし、グローバルな運動の中で主要な運動従事者が決定される過程と、運動主体間におけるレパートリーの伝達過程を分析することにより、グローバルな社会運動における運動体間の連携のあり方を考察する。具体的には、サミット抗議行動においてレパートリーの伝達がいかになされたかを参加者50名の聞き取りデータを基に検討する。分析の結果、本運動の主要従事者はサミット抗議行動が行われる地域で普段から活動する人々であり、レパートリーは毎回の抗議行動と同様に定例化・定期化されて行われる。しかし、主要従事者は定例化されたレパートリーを義務的に行う一方、設営や資源調達といった場面で自らの政治主張や理念を反映させることがわかる。グローバルな運動における運動体の連携に関する結論として、第一に、「場所」が主たる運動従事者を決定する要素となり、第二にレパートリー伝達をめぐって「前例」が大きな役割を果たしており、第三に主要な従事者は表立ったレパートリーだけでなく資源調達によって政治的主張を行うことが明らかになる。
著者
富永 京子
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.109-126, 2013-02-28 (Released:2015-05-13)
参考文献数
22
著者
遠藤 理一 佐久眞 沙也加 富永 京子
出版者
西武文理大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

本研究の目的は、ツーリズムが観光者や地域、政府組織や企業のいかなる政治性を浮き彫りにするのかを探るとともに、ツーリズム自体がポリティクスとしてのいかなる性格を持つのかを浮かび上がらせることにある。そのために観光学、地理学、社会学の視点より、1) 占領期・戦後期(1950-60年代)、2)沖縄返還以降(1970年代-)、3)東アジアにおけるツーリズム・モビリティ拡大期(2000年代-)における移動をめぐるポリティクスを検証・比較検討する。
著者
坂本 治也 富永 京子 金澤 悠介
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
pp.NPR-D-22-00013, (Released:2024-02-16)
参考文献数
41

なぜ日本人の政治参加は他国と比べて低水準なのだろうか.なぜこの30年あまりの間に低下し続けているのだろうか.これらの問いに答える新たな理論的説明として,本稿では過去の大規模な社会運動に対する否定的評価が政治参加水準に与える影響に着目する.つまり,日本人の政治参加が他国の人々に比べて低調であり時系列的にも低下しているのは,過去の社会運動に対する悪いイメージが投票参加を除いた政治参加全般に投影されて,政治参加への強い忌避感を生じさせているためではないか,との仮説を立て,その仮説の妥当性を検証した.分析の結果,1960年安保闘争や2015年安保法制抗議行動への否定的評価は,投票参加以外の政治参加(ボランティアや寄付を含む)に対して有意な負の影響を与える関係にあることが明らかとなった.日本人の政治参加水準を向上させるためには,過去の大規模社会運動に対する悪いイメージが政治参加全般に安易に投影されている現状を改めて行く必要がある.
著者
富永 京子
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.17-30, 2013-05-18 (Released:2017-09-22)
被引用文献数
1

本研究は、グローバルな社会運動において運動体間の連携がどのように行われるのかを問う。先行研究は「社会問題の被害者=主要従事者」「被害者以外の人々=支援者」と定義して分析を行うが、グローバルな社会運動は被害者と加害者の境界が曖昧であるために、主要従事者と支援者を判別することが困難である。本稿はサミット抗議行動を事例とし、グローバルな運動の中で主要な運動従事者が決定される過程と、運動主体間におけるレパートリーの伝達過程を分析することにより、グローバルな社会運動における運動体間の連携のあり方を考察する。具体的には、サミット抗議行動においてレパートリーの伝達がいかになされたかを参加者50名の聞き取りデータを基に検討する。分析の結果、本運動の主要従事者はサミット抗議行動が行われる地域で普段から活動する人々であり、レパートリーは毎回の抗議行動と同様に定例化・定期化されて行われる。しかし、主要従事者は定例化されたレパートリーを義務的に行う一方、設営や資源調達といった場面で自らの政治主張や理念を反映させることがわかる。グローバルな運動における運動体の連携に関する結論として、第一に、「場所」が主たる運動従事者を決定する要素となり、第二にレパートリー伝達をめぐって「前例」が大きな役割を果たしており、第三に主要な従事者は表立ったレパートリーだけでなく資源調達によって政治的主張を行うことが明らかになる。
著者
富永 京子
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 佐藤 健二, 東京大学教授 松本 三和夫, 東京大学准教授 赤川 学, 東京大学准教授 出口 剛司, 明治大学教授 大畑 裕嗣