著者
小林 玲子
出版者
京都聖母女学院短期大学
雑誌
聖母女学院短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.36, pp.64-67, 2007

アダムとエヴァの罪の解釈を取り上げたのは、政教分離のなかった頃、キリスト教の信者たちがこの話を操る権力者たちによって、知識は禁断の実であって、何も知らずに神と教会の命令に従う事こそ良き信仰の道であると教え込まれていた後遺症が、今だに残っているからである。しかし、ユダヤ教においてもキリスト教においても、神と人間の決定的な出会いの場は、人間が自分の罪を悔い改めて神に立ち帰る所にあり、先のような誤った解釈は、人々が自分自身の罪と救いを真剣に考えることを妨げるものである。ダビデ王は神の為にと思って様々な大事業を成し遂げたものの、神と最も深い所で出会ったのは自分の犯した罪を悔い改めた時であった。イエスも放蕩息子の喩えで、悔い改めた人と神の出会いを物語っている。教会の規則を守って悪行をしなければ救われる、あるいは善行を積めば救われるというのは、本来のキリスト教の教えではないと言うべきであろう。アダムが罪を犯したからではなく、我々が罪人だからこそイエス・キリストの救いが必要なのだ。キリストは、悔い改める我々と神のコミュニケーションを回復させる。そして人間の善悪の知識は、このコミュニケーションにおいて初めて確かなものとなるのである。本論は3部から成る。まず、聖書の解釈一般について、次にアダム神話の解釈を述べ、その後、アダム神話の人間論的意義について述べる。
著者
浅野 豊美 池田 慎太郎 金 敬黙 李 鍾元 木宮 正史 磯崎 典世 山内 康英 太田 修 林 夏生 吉澤 文寿 西野 純也 金 敬黙 小林 玲子 藤井 賢二 長澤 裕子
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

日韓米三国の資料からなる『日韓国交正常化問題資料集』を刊行し、また新規公開資料を利用した最初の本格的な実証研究を、法政大学出版局から『歴史としての日韓国交正常化』上・下、2分冊として、日本学術振興会の出版助成により刊行することが確定した。さらに、研究成果の社会的還元のため、「日韓国交正常化の現代的意味」と題した公開シンポジウムを、東京大学において朝日新聞・東亜日報の後援を得て開催した。また、2008年日本国際政治学会年次大会日韓合同部会の正式企画を担当・運営し、新たな問題提起と専門研究者との討論を行った。国外の国際学会であるアメリカアジア学会(AAS)では韓国の研究協力者と合同しパネルを組織し、日韓米三国の研究者による討論の場を作って報告した。
著者
森山 茂徳 浅野 豊美 原田 環 堀 和生 永島 広紀 姜 東局 長田 彰文 長田 彰文 新城 道彦 小林 玲子
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、日露戦後の大韓帝国の国際的地位が何ゆえ如何に変化したのかを、日韓両国間の研究者ネットワークに基づき、日本、韓国、および関係各国の史料の収集による実証的かつ斬新な視角による総合的研究である。成果は、(1)包括的史料収集によって新たな決定的史料集完成への展望を開き、(2)2010年8月29日に「韓国併合に関する国際的シンポジウム」(非公開)を開催し、(3)この成果を2011年度中に論文集として、史料集と併せて刊行する予定である。
著者
稲葉 継雄 松原 孝俊 金 〓実 田中 光晴 新城 道彦 入江 友佳子 小林 玲子 花井 みわ 槻木 瑞生 天野 尚樹 三田 牧 アンドリュー ホール
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

基本的に朝鮮・台湾・南洋など各地域研究の形で進行してきた植民地教育研究の枠組みを変え、研究協力体制を簡便に構築できるネットワークを形成することが目的である。いわゆる「外地」と呼ばれた地域の実地調査を進め、コリアン・ディアスポラを巡る問題を教育史を通して糾明し、さらに、各地域の研究者が一同に会する研究会を開催したり、世界韓国学研究コンソーシアム(UCLA、SOAS、ソウル大学校、北京大学、ハーバード大学、オーストラリア国立大学などで組織)を活用することで研究のネットワーク化を進めた。