著者
山下 慶子 喜友名 朝春 山口 雅浩
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.124-132, 2015 (Released:2015-05-26)
参考文献数
17

免疫染色を用いた病理診断において,Ki-67陽性率は良性・悪性の鑑別,悪性度や予後の推定などの目的で広く用いられている.免疫染色画像における細胞核を解析するシステムとして,whole slide image(WSI)の解析を人手を介することなく,自動で解析領域を選択し,画像パターンごとに検出条件設定を必要としない方法を提案する.提案手法を組み込んだ免疫染色画像計測システムを開発し,本システムによって算出されたKi-67陽性率は,目視カウントによる計測と相関が高く,解析法として有効であることが示された.
著者
枝廣 正人 山下 慶子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.603, pp.19-24, 2007-03-08

マルチコア向けの並列ソートアルゴリズムMap Sortを提案する.今後単体CPUの性能向上が鈍化し、プロセッサがマルチコアによって性能向上する時代では、並列対応されていないソフトウェアは計算機が進歩しても性能は向上しない。従って単体CPUでは従来と同等処理時間で、かつ並列CPUではスケーラブルに性能向上するようなアルゴリズムが必須となるが、我々はそれをスケーラブルアルゴリズムとよんでいる。本論文ではソート問題を取り上げ、新しいスケーラブルアルゴリズムMap Sortを提案する。Map Sortの時間に関する計算複雑度はN個のデータ、P台のCPUで0((N/P) log N)であり、単体CPU上での下界値0(N log N)の(1/P)である。また計算機実験の結果、単体CPU上のクイックソートと比較し、単体CPUでは同等性能、4CPUでは3倍の性能向上であることが示された。
著者
嶋田 将之 山下 慶之 梅末 正芳
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.406-411, 2023-11-15 (Released:2023-12-09)
参考文献数
18

三尖弁は非対称的な3次元構造であり,posteroseptal portionが最も心尖部寄りにあり,anteroseptalportionが最も心尖部から遠くにある.完全内臓逆位では心腔内構造は正常解剖心の鏡像となるが,posteroseptal portionが最も低い位置に,anteroseptal portionが最も高い位置にあることは変わらない.そのため完全内臓逆位の症例における三尖弁形成術において,通常使用される3次元構造のrigid ringを裏返して使用するとposteroseptal portionが高い位置にanteroseptal portionが低い位置に誘導され,弁尖のcoaptationが不良になる恐れがある.今回,右胸心,完全内臓逆位における三尖弁閉鎖不全症,僧帽弁閉鎖不全症,慢性心房細動に対してflexible bandを用いた三尖弁輪縫縮術,僧帽弁形成術,左房縫縮術,左心耳閉鎖術を施行したので文献的考察を加えて報告する.
著者
山下 慶子 浅野 孝夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.31, pp.33-40, 2000-03-21
被引用文献数
1

配送計画問題は近年活発に研究されている問題で,経済活動のさまざまな状況でおこる.この問題には幾つかの種類があり,容量kの巡回路被覆問題,容量kの配送巡回路問題,電話予約送迎問題などがその代表例である.本稿では最も一般的な枠組での配送計画問題である容量kの配送巡回路問題の代表的なアルゴリズムを実装し,その実際的性能を評価する.さらに,複数デポーの配送計画問題に対する近似アルゴリズムを提案する.このとき従来の目的である配送に要する総距離最小という指標から少し離れ,現実的に乗組員の仕事量均等化を考慮に入れることも試みる.そして配達時間帯指定の配送計画問題にも取り組み,ベンチマークデータを用いて計算機実験を行い,提案するアルゴリズムの実際的性能評価を行う.The vehicle routing problem has received much attention in recent year and occurs in many practical settings. There are several variants of this problem: the k-tour cover problem, the k-delivery TSP and the dial-a-ride problem or stacker crane problem. In this paper, we try to evaluate the practical performances of representative algorithms for the k-delivery TSP. Furthermore, we propose approximation algorithms for the multi-depot vehicle routing problem and the vehicle routing problem with time windows and evaluate their practical performances through the computational experiments based on bench-mark data.