著者
大町 達夫 井上 修作 水野 剣一 山田 雅人
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1_32-1_47, 2011 (Released:2011-12-05)
参考文献数
17
被引用文献数
4 12

2008年岩手・宮城内陸地震の際,KiK-net一関西観測点では上下動の最大加速度が4G(Gは重力加速度)に近い驚異的な強震記録が得られた.この加速度時刻歴には自由地盤表面での強震記録とは思えない特徴が認められることから,強震観測点の現地調査や振動台模型実験,数値解析などによって,この驚異的な上下動加速度の成因を調べた.その結果,この強震記録には強大な地震動入力によって地震観測小屋がロッキング振動で浮き上がり,地面と再接触した際の衝撃力の影響が強く反映している可能性が高いことが見出された.またこの影響がなければ,本震時の4Gに近い上下動最大加速度は1.6G程度であることも導かれた.
著者
藤川 太郎 白倉 聡 畑中 章生 岡野 渉 得丸 貴夫 山田 雅人 齊藤 吉弘 別府 武
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.8, pp.1046-1052, 2015-08-20 (Released:2015-09-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

癌治療において低ナトリウム血症はしばしば遭遇する電解質異常である. 今回われわれは, 中咽頭癌進行症例に対してシスプラチン (CDDP) 同時併用放射線治療を行い, 計3回の grade 4 の低ナトリウム血症を経験したので報告する. 初回および2回目の低ナトリウム血症は CDDP 投与後に出現し, 脱水と多尿を伴い, 輸液と塩分の補充により1週間程度で改善した. ナトリウムの排泄過剰の所見から塩類喪失性腎症が原因であると考えられた. 3回目の低ナトリウム血症の原因であった抗利尿ホルモン不適合分泌との比較から, 細胞外液量とナトリウムバランスの評価が低ナトリウム血症の鑑別と適切な治療において極めて重要であると考えられた.
著者
杉山 智宣 別府 武 得丸 貴夫 山田 雅人 小出 暢章 谷 美有紀 金子 昌行
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.30-33, 2019 (Released:2019-06-29)
参考文献数
15
被引用文献数
2

頸部リンパ節腫大を契機に発見されるものの,様々な術前検査を施行しても甲状腺内に原発巣を認めない甲状腺乳頭癌症例が稀に存在する。これは甲状腺内に原発巣がないものであるか,術前検査にて描出できないほど原発巣が小さなものであるかのどちらかである。 2010年1月から2017年12月にかけて当科で手術治療を行った甲状腺乳頭癌216例のうち,術前検査にて頸部外側区域リンパ節への転移を認めたものの甲状腺内に原発と考えられる腫瘤を認めなかった5症例を対象とした。どの症例も,一次治療として甲状腺片葉切除,患側D2b郭清を施行した。5例中1例は甲状腺内に原発巣となる病変を認めなかった。3例は多発の腺内転移を認めた。 術前検査にて甲状腺内に原発巣を認めない乳頭癌症例において,根治性,機能温存の双方を考慮した場合,甲状腺内の腺内転移の有無に関わらず患側の甲状腺片葉切除も選択肢になると考えられた。
著者
牧田 光雄 関根 活郎 山田 雅人
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血学会雑誌 (ISSN:05461448)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.145-146, 1958 (Released:2010-03-12)
参考文献数
3

The classification of the mouse blood types was described and the following results were obtained.1. Applying human anti-A and anti-B sera as agglutinins, the blood cells of the mouse were divided into four groups:a) agglutinated by human anti-A sera (17.4per cent)b) agglutinated by human anti-B sera (13.9per cent)c) agglutinated by human anti-A and anti-B sera (48.2per cent)d) neither agglutinated by human anti-A nor anti-B sera (20.5per cent)2. The blood cells of some mice were agglutinated by human AB blood type sera (69.6per cent). This result indicated that human AB blood type sera included certain agglutinins against mouse blood cells.3. Based on the antigenic analysis of blood types of the mouse by means of anti M I and M II sera of immunized rabbits, the blood cells of mouse were divided into four groups:a) M I type (13.3per cent)b) M II type (40.9per cent)c) M I, M II type (43.8per cent)d) X (non-agglutinated) type (2.0per cent)