著者
千田 譲 伊東 慶一 大山 健 米山 典孝 原 一洋 中村 亮一 野田 智子 橋詰 淳 熱田 直樹 伊藤 瑞規 渡辺 宏久 安井 敬三 小竹 伴照 木田 義久 岸本 秀雄 祖父江 元
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.441-447, 2013-11-25 (Released:2013-11-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

要旨:【目的】回復期入院リハビリテーション(リハビリ)での脳梗塞branch atheromatous disease(BAD)の治療成績を検討した.【対象と方法】レンズ核線条体動脈領域(LSA-BAD)90 例と傍正中橋動脈領域(PPA-BAD)21 例に対し,入院時・退院時の脳卒中重症度(NIHSS),機能的自立度評価法(FIM),上肢・手指・下肢各Brunnstrom stage(BRS)を検討した.【結果】LSABAD群はPPA-BAD 群に比べ入退院時NIHSS は有意に重症であり,手指・上肢の機能改善は不良であった(p<0.05).LSA-BAD 群は入院時上肢・手指BRS の退院時3 段階以上の回復は稀だったが,両群とも退院時FIM は多くが100 点以上であった.【結論】回復期リハビリでのBAD を分類し検討することで,皮質脊髄路障害部位の違いによる運動麻痺と機能的自立度評価の回復過程を評価できた.