著者
川勝 邦浩
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 看護学・リハビリテーション学編 = Studies in nursing and rehabilitation (ISSN:18825788)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-7, 2012-03-18

本来、理学療法は治療技術であり、リハビリテーションは理念である。理学療法とリハビリテーションは全く意味の違う用語であるが、新聞紙上やテレビ放送のニュース、病院内や教育場面で同義語のように使用されていることは多い。スポーツ選手の外傷後の機能回復を指して「リハビリ中です」と使われることはよくある。理学療法士が治療内容を患者に説明する時、「リハビリを行います」という言葉はよく聞かれる。理学療法士養成校へ入学してくる学生は、理学療法士が行うことは「リハビリ」だと思っている者は多い。何故、それらが同義語として使用されているのであろうか。少なくともリハビリテーションに関わる者は、その意味を正しく理解し広める責務がある。本稿では、「理学療法」と「リハビリテーション」の本来の意味を明確にし、これらの用語の適切な使用について、理学療法とリハビリテーションの歴史から考察する。