著者
鈴木 和明 齋藤 豪 張 英夏 近藤 邦雄 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.2961-2972, 2008-12-01

ドット絵とは,1990年代前半までの据置き型ゲーム機や現在でも携帯型ゲーム機などで用いられる低解像度の画像の表現手法であり,その表現手法を用いて制作された画像でもある.ゲーム制作などでドット絵が大量に必要になる場合,アーティストが1枚1枚描かなければならず制作に手間がかかるため,本研究では計算機によってドット絵風のキャラクタ画像を生成する手法を提案する.ドット絵風の画像を生成するために,写真から輪郭線を抽出して,その輪郭線をもつ画像を縮小する.はじめに,抽出される輪郭線がドット絵において頻繁に用いられる形状になるように,Canny edge detectorに対してドット絵作成に特化した変更を行い,そのCanny edge detectorを用いて輪郭線画像を生成する.次に,そのような輪郭線をもつ画像を縮小するが,既存の縮小手法では,画像がぼやけたり,画像の輪郭線が途切れたり,画像の線と線が隣接し潰れてしまう問題があった.これらの問題を解決するために,輪郭線を保護しつつ縮小するアルゴリズムを提案する.これらのアルゴリズムを用いて,ドット絵風のキャラクタ画像を生成した.
著者
瀬谷 政樹 張 英夏 向井 信彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.11 映像表現&コンピュータグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.227-228, 2016-03-02 (Released:2017-09-22)

液体が物体と衝突した際の液体の挙動に関する研究は数多く存在するが,凹面状物体に落下した液体の挙動に関する研究はあまり報告されていない.そこで本稿では,凹面状の物体に落下した液体が形成する薄膜の表現手法について考案する.液体の挙動解析には,流体の解析に広く用いられている粒子法を用いる.粒子法の一つであるSPH (Smoothed Particle Hydrodynamics)法を用いて,流体の支配方程式であるナビエ・ストークスの方程式を解く.また,凹面状物体と液体粒子の距離に応じて,液体粒子は凹面状物体からの影響を受ける.さらに,凹面状物体に落下後,飛散する液体に対して空気抵抗,および表面張力などの外力を考慮することで,より現実に近い液体の落下および飛散を表現する.