著者
佐藤 好恵 藤井 徹也 佐伯 香織 新實 夕香理 篠田 貢一 小澤 由紀 中野 隆
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.91-96, 2009-06-05 (Released:2016-08-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

殿部筋肉内注射部位である 「四分三分法の点」 および 「クラークの点」 における上殿動脈 ・ 静脈, 上殿神経損傷の危険性について, 実習用遺体 29 体 53 側を対象に形態学的検討を行った. 「四分三分法の点」 は, 皮下組織の直下に大殿筋が分布していた例, および大殿筋の上外側縁部に近接していた例が 24 側 (45. 3%) で認められた. また, この 24 側のうち, 注射針を中殿筋表層まで刺入した場合, 中殿筋表層を走行する上殿動脈 ・ 静脈に近接する例が 10 側 (41. 7%) でみられた. さらに, 「四分三分法の点」 では中殿筋深層まで注射針を刺入した場合, 中殿筋深層を走行する上殿動脈 ・ 静脈, 上殿神経への近接例が 40 側 (76. 9%) でみられ, 「クラークの点」 に比べて 1. 7 倍多かったことから, 神経 ・ 血管損傷の危険性が二重に高いことが示唆された. よって, 大殿筋を貫通する頻度の少ない 「クラークの点」 が, より神経 ・ 血管への注射針刺入の危険性が低い安全な注射部位であることが考えられた.
著者
新實 夕香理 塚田 トキヱ 神郡 博
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.71-86, 1999-03
被引用文献数
2

妊娠各期における不安の反応と程度およびその変化を明らかにし, 妊娠中の保健指導の受講状況と不安との関連を明らかにすることを目的に, 各期に合わせた保健指導のあり方を検討した.妊婦146名の各期における追跡調査より, 以下のことが見出された.1.一般不安と母性不安は正の相関を示し, 初期が高く, 妊娠の経過と伴に低くなった.2.母性不安は初期に高く, 初産婦に強く見られた.3.一般不安, 母性不安ともに30代後半以上の妊婦に強く見られた.4.初産, 経産に関わらず, ほとんどの妊婦は保健指導を受けていたが, 初期に受けている妊婦はわずかであった.5.妊娠初期の指導を強化するには, 妊娠と診断された時から個人指導を受けることを勧め, また相談窓口の存在を知らせる必要性があった.