著者
酒井 俊太 星野 公彦 多田 祐美子 井野 威 関山 達也 宗像 一雄 早川 弘一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.187-191, 1993-02-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
11

症例は44歳の男性,主訴は動悸.18歳より歩行困難,20歳より上腕,大腿筋の萎縮と筋力低下,某病院にて肢帯型筋ジストロフィー症と診断.30歳時霧視,一過性視力低下出現し,近医にてベーチェット病と診断.1989年5月,胃潰瘍にて某病院入院.入院中心室頻拍を認め,精査のため当科入院.諸心機能検査にて著明な心機能障害,心筋生検にて心筋の萎縮・変性を認めた.肢帯型筋ジストロフィー症ではDuchenne型に比し心病変は軽度なことが多く,重篤な心筋障害を認めた報告は少ない.また,筋ジストロフィー症とベーチェット病との合併例は我々が調べ得た範囲ではいまだ報告なく極めて稀な症例と考え報告する.