著者
早川 洋行
出版者
滋賀大学教育学部
雑誌
滋賀大学教育学部紀要, 人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:05830044)
巻号頁・発行日
no.45, pp.37-46, 1995

This paper is a study on "rumors of rats in Thai rice" in Japan. These rumors circulated in Japan in March, 1994. I have published two papers on theories of modern rumors. This paper is based on those theories. In thispaper I discuss the conditions and socio-psychological background in which the rumors occurred, what the functions of the rumors were and the relation between the rumors and the modern journalism in Japan. I pointed out that there were three conditions (objective, subjective and social)at that time which persuaded the people that the rumors were fact. There rumors were urban rumors, rumors people made up to confirm theirIn-group, and to develop and express an ideology. Also discussed is the fact that the rumors were cultivated by sensationalism in the mass media.
著者
早川 洋行
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.65-88, 2016-10-31

本論文は,人気マンガを題材にして,戦後日本社会におけるジェンダーの変化を考察したものである。1では,ジェンダーの形式的次元と実質的次元を区別して,後者に注目することに重要性を論じる。2では,知識社会学からのアプローチを説明した後に家族を描いた人気マンガを紹介して,そこに描かれた家族像と時代との関連を考察する。3では,家族ではなく個人に注目して,人気マンガの主人公に表現されている男性ジェンダーと女性ジェンダーの特徴をまとめる。そして4では,これまで論じてきたことを振り返り,現代日本社会におけるジェンダーの歴史的位相を総括する。
著者
早川 洋行
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 社会科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.31-66, 2018

本論文は,戦後期の双六を題材にした知識社会学的研究である。1では,双六を研究する視角と,とくに戦後期を扱ううえでの留意点を説明する。2では,双六のテーマに注目し「モビリティ」と「冒険」を描く双六について,いくつかのタイプに分けて分析するとともに,双六にあらわれた「アメリカニゼーション」,「女性ジェンダー」の問題について考察を行う。そして3では,これまでの分析を踏まえて,戦後期双六がもっていたイデオロギーとそれがその後の日本社会に与えた影響について考える。
著者
早川 洋行
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.31-66, 2018-03-31

本論文は,戦後期の双六を題材にした知識社会学的研究である。1では,双六を研究する視角と,とくに戦後期を扱ううえでの留意点を説明する。2では,双六のテーマに注目し「モビリティ」と「冒険」を描く双六について,いくつかのタイプに分けて分析するとともに,双六にあらわれた「アメリカニゼーション」,「女性ジェンダー」の問題について考察を行う。そして3では,これまでの分析を踏まえて,戦後期双六がもっていたイデオロギーとそれがその後の日本社会に与えた影響について考える。
著者
早川 洋行
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 社会科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.65-88, 2016

本論文は,人気マンガを題材にして,戦後日本社会におけるジェンダーの変化を考察したものである。1では,ジェンダーの形式的次元と実質的次元を区別して,後者に注目することに重要性を論じる。2では,知識社会学からのアプローチを説明した後に家族を描いた人気マンガを紹介して,そこに描かれた家族像と時代との関連を考察する。3では,家族ではなく個人に注目して,人気マンガの主人公に表現されている男性ジェンダーと女性ジェンダーの特徴をまとめる。そして4では,これまで論じてきたことを振り返り,現代日本社会におけるジェンダーの歴史的位相を総括する。
著者
早川 洋行
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大学教育学部紀要. II, 人文科学・社会科学 (ISSN:13429264)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.11-23, 2004

This article examines the citizens' campaign about the industrial waste plant from the view point of 'A Theory of Citizens' Campaigns as Drama'. It will provide an outline of the drama after an examination of the social structure and political situation in Ritto City, Shiga Prefecture, which provides the stage for this drama, as well as of the character of the citizens' group and the local government, who are its actors. In addition, as well as establishing the relationship between the actors and pointing out the inevitability of the social structure of the local community spawned by the protest movement, it classifies the development of the movement into three stages. these are when the citizens' group finds out about the problem, when the citizens' group and the local government cooperate, and when the two find themselves in opposition. What becomes clear through this process is that the citizens' group and the local government developed the protest movement via very different social networks, and that the different structural objectives of the two types of organization made their split inevitable. However, this split did not result solely from the discrepancy in the movement's goals, but also from differences in opinion between the administration, specialists and citizens on how the relationship should be structured. In conclusion, it is contended that such movements have the power to build a new community and that it is wrong to judge them only on how they solve a specific problem.
著者
早川 洋行
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.97-112, 2016-03-31

本論文は,政治学者神島二郎の業績を社会学理論の観点から再評価するものである。1では,問題の所在を明らかにし,2ではこれまでの研究と評価を紹介して,その不十分さを指摘する。3では,神島の業績の中から7つの概念群を抽出して解説する。4では,それら7つの概念群を使って,神島の近代化論を再構成した後に,そこから読み取れる神島の視点の特徴を論じる。そして,これら7つの概念群が現代社会の理解にも有効なものであると主張する。
著者
早川 洋行
出版者
日本社会学理論学会
雑誌
現代社会学理論研究 (ISSN:18817467)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.28-40, 2015 (Released:2020-03-09)

今日、実証データを示すことは、学問の世界のみならず世間一般でも重要視されている。しかし、実証すること自体が価値を帯びたり、データが捏造される事件も起きている。本稿はそうした現状を踏まえて、社会学史における実証研究に関する議論を整理し、社会学研究(社会学者)と「実証すること」の関係について考察したものである。 コントは、社会学は形而上学的段階から実証的段階に進化すべきだと考えていた。その際、重視されるのは何より「観察」だった。J. S. ミルはコントの主張に対して、概念が客観的世界から遊離してしまう点と、眼に見えない心理的なものの観察方法が示されていない点を批判した。またドイツ実証主義論争において、アドルノは、内容に対する方法の優位、方法の多様性による社会の全体性の解体、イデオロギー化を指摘するとともに、哲学の復権を主張し、一方、ポパーは、主観による観察の構築を指摘して、批判的合理主義を主張した。 以上4人の議論を見田宗介が用いた言葉を再定義して整理すれば、「引出されたデータ」に固執する問題、「引出されたデータ」「見出されたデータ」「未知のデータ」の関係の問題、「引出されたデータ」の恣意性の問題に整理できる。結論として、社会学者は「見出されたデータ」の世界に身を置きつつ、「引出されたデータ」と「未知のデータ」に関心を保ち続けることが大切であると主張する。