著者
春名 苗
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要
巻号頁・発行日
vol.23, pp.19-30, 2015-03

本論文では、旧約聖書や新約聖書で障害者がどのようにとらえられているのかを明らかにしている。旧約聖書には、障害者への配慮を書かれた箇所はあるが、他方で神の戒めに従わない時には障害を持つという罰があると書かれ、障害者への差別とみられる表現も書かれている。そのため、文献研究によって、罪の結果の罰としての障害は、個人に語られたものというより、他宗教が混在する中で一神教を貫くために手段として語られた側面があったこと、障害者への差別的表現も時代背景を踏まえた解釈によって直接の差別的表現ではないことを明らかにした。その上で、イエスの登場によって、だれもが罪びとであり、障害が罰であるという側面が完全に否定されたことを論じている。
著者
春名 苗 寺本 珠眞美
出版者
花園大学社会福祉学部
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
no.24, pp.19-25, 2016-03

高齢者虐待のケースには、市区町村が責任を持ち、地域包括支援センターと連携して対応することになっている。だが、実際には、市区町村がイニシアティブをとって高齢者虐待対応を積極的に行うところと、対応を地域包括支援センターにほぼ任せているところに分かれている。各11 市区町村に1 カ所の地域包括支援センターに聞き取り調査を行い、実態を明らかにした。その結果、虐待の対応の会議の開催については、随時行うところと、定例で行うところに分かれた。また、見守り支援については、計画を立ててフォローアップするところと、地域包括支援センターに見守りを任せているところにわかれた。会議開催と見守り支援等の特徴で類型化し、高齢者虐待の会議開催を随時行い、見守り支援の計画を立てる「随時・戦略型」が進むべき方向であると明らかにした。Local governments are supposed to take responsibilities for the cooperation with communitygeneral support centers in cases of elder abuse. Some local governments, in fact, take initiatives forfacing elder abuses, but some rely completely on community general support centers.Hearing investigations, conducted at eleven community general support centers in nine distinctmunicipalities for understanding the current situations, have revealed the followings: (i) Somelocal governments hold countermeasure meetings at any time if required and others do on aregular basis. (ii) Some follow-up watch support according to the plan and others rely mostly on thecommunity general support centers for the implementation of watch support.In the classification by the mode of meetings and watch supports, "anytime and strategic" type,where the meeting is held at any time and the watch support is conducted according to the plan, isdesired for the future direction.
著者
春名 苗 寺本 珠眞美
出版者
花園大学社会福祉学部
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
no.24, pp.19-25, 2016-03

高齢者虐待のケースには、市区町村が責任を持ち、地域包括支援センターと連携して対応することになっている。だが、実際には、市区町村がイニシアティブをとって高齢者虐待対応を積極的に行うところと、対応を地域包括支援センターにほぼ任せているところに分かれている。各11 市区町村に1 カ所の地域包括支援センターに聞き取り調査を行い、実態を明らかにした。その結果、虐待の対応の会議の開催については、随時行うところと、定例で行うところに分かれた。また、見守り支援については、計画を立ててフォローアップするところと、地域包括支援センターに見守りを任せているところにわかれた。会議開催と見守り支援等の特徴で類型化し、高齢者虐待の会議開催を随時行い、見守り支援の計画を立てる「随時・戦略型」が進むべき方向であると明らかにした。
著者
春名 苗
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
聖隷クリストファー大学社会福祉学部紀要 (ISSN:13481975)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-27, 2007-03

本論文では、在宅介護支援センターの創設から現在までの変遷を、基礎作りがなされた「創設期」、地域に定着し機能が拡充してきた「定礎期」、介護保険導入の検討で混乱した「変動期」、居宅介護支援事業に傾注しながらも再構築が試みられた「再編期」、介護保険の見直しと共に統廃合の危機にさらされてきた「不穏期」、介護保険改正案が出されて地域包括支援センターが法制化された「混乱期」、と6つの時期区分に沿って整理している。それによって在宅介護支援センターが今まで果たしてきた役割を検討するとともに、在宅介護支援センターの機能と地域包括支援センターの機能の違い、地域包括支援センターを取り巻く問題を論じている。