著者
藤幡 士郎 坂本 宣弘 松尾 洋一 佐藤 幹則 木村 昌弘 竹山 廣光
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.617-621, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
8

患者は24歳,女性.食後の悪心を主訴に近医を受診し,腹部CT検査にて左傍結腸溝付近に45×24mm大の嚢胞性腫瘍を指摘され,当院消化器外科を紹介された.腹部は平坦・軟であり腫瘤は触知されず,圧痛も認めなかった.紹介後に当院施行の腹部造影CTにて60×20mm大の嚢胞性病変が指摘され,MRI T2強調画像では50×32mm大の高信号域が前述の部位に指摘された.内部に結節等の充実性病変は認められなかったが,徐々に増大する良性嚢胞性疾患の診断の下予防的切除に同意され手術を施行した.腹腔鏡下に手術を施行,下行結腸外側の後腹膜に境界明瞭な嚢胞性の腫瘤を確認し被膜を損傷することなく摘出した.嚢胞内容物は粘液様で細胞診は陰性であったが,生化学検査ではCEA・CA125が高値であった.病理組織学検査の結果,粘液嚢胞腺腫の診断を得た.術後9カ月の現在,再発の兆候を認めていない.
著者
金盛 弥 古澤 裕 木村 昌弘 西園 恵次
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.475-482, 1995-06-09 (Released:2010-06-15)
参考文献数
10

狭山池は我が国最古のダム形式の農業用のため池であり、多くの文献によってその築造の歴史や改修の記録が残されている。現在、大阪府ではこの池を新たに洪水調節機能をもつ治水ダムとして活用する事業に取り組んでいる。今回の事業を進めるなかで、これまで数々の貴重な土木遺構が発掘され、狭山池の築造の歴史と過去の土木工事の様子が我々の目前に姿を現してきた。古墳時代から昭和の時代までの狭山池の用水による農業生産によって生活を支えられてきた多くの農民や当時の指導者達のこの池の築造と改修への努力と貢献が遺構や文献から明らかとなっている。以下の文ではこれら歴史的ダムの保全の事業の一部を紹介し、また改修の歴史を刻む堤体断面や数々の土木遺構を通じて、それぞれの時代での取り組みの有様を明らかにするとともに、今回発掘された貴重な歴史的土木遺構を将来へ継承するため、建設を計画している狭山池ダム資料館 (仮称) の概要を紹介するものである。
著者
木村 昌弘 斉藤 和己 大原 剛三 元田 浩
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

ソーシャルネットワーク内での意見形成に関して、その代表的な数理モデルである投票者モデルに時間減衰ダイナミクスを組み込ん だ確率モデルを提案する。ソーシャルメディアの実データを用いた実験により、その有効性を示す。
著者
木村 昌弘 斉藤 和巳
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.363-388, 2008-09-25
被引用文献数
1

文書ストリームデータにおける主要潜在トピックの抽出を,文書のBOW表現に基づいて効率よく行う,PMM-PCA法と呼ぶ新たな教師なし学習法を提案する.PMM-PCA法は,PCA法と異なり,単語頻度ベクトル群の時系列として表現された文書ストリームデータに対して,その適切な確率的生成モデルに従うという性質を有している.実際の文書ストリームデータを用いた実験により,提案法の有効性を実証する.
著者
岩渕 聡 熊野 雅仁 亀井 貴行 小野 景子 木村 昌弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.AM-02, pp.09, 2012-11-15 (Released:2021-08-28)

近年,ソーシャルメディアの繁栄により,インターネット・ユーザによる大量の意見を集約し,応用する研究が注目され,観光へ応用する試みも始まっている.見知らぬ土地への観光計画支援を想定した場合,検索システムや推薦システムでは,いくつかの想定される問題が考えられる.本研究では,インターネットに潜在するメタバースの一面を3D情報空間として可視化し,空間に没入することで,この問題に取り組む観光支援システムを提案する.
著者
八田圭斗 小野景子 熊野雅仁 木村昌弘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.369-370, 2014-03-11

ソーシャルメディアにおける信頼ネットワークの成長を,その観測データを用いて予測する問題を考える.本研究では,バランス理論とステータス理論に基づき信頼リンクに関するユーザ3人のトライアド構造に着目する従来アプローチを拡張して,ユーザ間の信頼リンク媒介者の数が,そのユーザ間の信頼リンク生成に及ぼす影響を分析する.製品レビューサイトEpinionsの実データを用いた実験により,媒介者数に基づく信頼リンク予測法が,ユーザアクティビティの観測データのみを用いる手法よりも有効であることを実証する.また,ユーザ間に信頼リンクが生成される前後において,そのユーザ間の媒介者数に特徴的変化パターンが見られることを明らかにする.
著者
笠野晃平 熊野雅仁 小野景子 木村昌弘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.81-82, 2014-03-11

近年、ウェブ空間に観光情報が溢れるに従い、自ら旅行計画を立てるユーザが増えつつある。しかし、旅行前の調査では主要な情報が得られるものの、得られた情報は断片的で観光先相互間の移動や、相互の距離感ならびに関係において調査不足が弊害を招く場合や、事前調査では見逃した興味が湧く対象に出くわしても、突然の経路変更に対応できない場合もあり得る。本研究では、3D模擬地球に没入し、嗜好に合う観光先周辺を実環境を考慮してより詳しく調べ、旅行前に観光経路のプランを練り上げ得る、没入型3Dシステムを提案する。京都市を観光先と想定し、京都の主要交通機関のうち、バス路線に沿った実験を通じて、提案システムの有効性を検証する。
著者
佐藤 篤司 桑原 義之 篠田 憲幸 木村 昌弘 石黒 秀行 春木 伸裕 杉浦 弘典 田中 直 藤井 義敬
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.607-612, 2004-03-31 (Released:2010-09-24)
参考文献数
20

1992年1月から2002年12月までのステロイド投与患者に対する腹部救急手術18例を対象とした。ステロイド投与適応疾患は関節リウマチ7例, 進行性全身性硬化症+皮膚筋炎1例, 全身性紅斑性狼瘡1例, 悪性リンパ腫2例, 骨髄性白血病2例, 再生不良性貧血1例, 潰瘍性大腸炎2例, 急性呼吸循環不全1例, 脳外科手術後1例であった。1日平均ステロイド投与量はprednisoloneに換算して54.5mg, 平均投与期間は41.9ヵ月, 平均総投与量は10.9gであった。術後合併症は, 14例 (77.8%) にみられ, 創部感染, 縫合不全, MOF, DICなどであった。在院死亡を6例 (33.3%) に認めた。ステロイド投与患者では合併症を起こしやすいことから, 原疾患の活動性, ステロイド投与歴を十分把握した上で腹部救急疾患の治療を行うことが重要と思われた。
著者
松谷 貫司 木村 昌弘
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2016-MPS-111, no.3, pp.1-6, 2016-12-05

ソーシャルメディアでは,ユーザは様々な情報を手軽に発信および共有することができ,ユーザが投稿したアイテムは,他のユーザからの共有や賛意メッセージなどのアテンションの数が増えるにつれてポピュラリティを獲得していく.最近 Shen ら [10] は,個々のアイテムへのアテンションの到着過程の確率モデルとして RPP モデルを提案し,それが既存のポピュラリティ予測法よりも精度が高いことを示した.本論文では,対象とするソーシャルメディアのアイテム群全体に対するアテンションの到着過程の確率モデルとして,ディリクレ過程と RPP モデルを融合した DPM-RPP モデルを提案し,アテンションダイナミクスの観点からそれらアイテム群の関係の分析を目指す.我々は,観測データに基づく DPM-RPP モデルの効率的な学習法および,DPM - RPP モデルによる各アイテムの将来ポピュラリティの予測法を与える.料理レシピ共有サイトの実データを用いた実験により,DPM-RPP モデルはポピュラリティ予測において RPP モデルを含む従来モデルよりも精度が高いことを示す.また,アテンションダイナミクスの観点における料理レシピ群のコミュニティ構造を明らかにする.
著者
木村 昌弘 小林 俊三 田中 宏紀 江口 武史 工藤 淳三 杉浦 弘典 杉戸 伸好
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.1729-1732, 2000-09-01
被引用文献数
2

症例は64歳の男性.腹痛を主訴に近医を受診し, 腹痛が増強, 嘔吐も出現したため当院緊急入院.来院時腹部は平坦, 軟であったが全体に圧痛を認めた.腹部単純X線, 小腸造影にて絞扼性イレウスを疑い開腹術を施行した.術中所見は, 回盲弁より約5cmの回腸に狭窄を認め, 狭窄した回腸の腸間膜前葉および後葉にそれぞれ索状物が存在した.索状物の切除により狭窄は解除された.病理検査で, 索状物内の脂肪織に動静脈を認め, 卵黄動静脈の遺残によるmesodiverticular bandと診断した.左右の卵黄血管の遺残によるイレウスの本邦報告例は今回検索した範囲では本症例を含めて2例のみで, 極めてまれと考えられた.
著者
東野 正行 熊野 雅仁 木村 昌弘 斉藤 和巳
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.51, pp.1-8, 2009-12-10

文書ストリームからホットトピック文書群を抽出する手法として,ネットワークコア抽出法である SR 法を拡張した手法を提案する.新聞記事ストリームデータ及び人工文書ストリームデータを用いた実験により,提案法は従来法よりも高精度であることを示す.We propose a method for extracting hot-topic documents in a document stream. The proposed method extends the SR-method for network-core extraction. Using real and synthetic document stream data, we experimentally demonstrate that the proposed method outperforms convetional methods.
著者
水田 昌孝 熊野 雅仁 小野 景子 木村 昌弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.10, pp.1-6, 2010-12-09

我々は以前に,文書ストリームからバースト潜在トピック抽出する t-LDA 法を提案した.t-LDA 法は,潜在トピックを抽出するために文書生成確率モデル LDA (Latent Dirichlet Allocation) を用い,バーストトピックを同定するために時間フィルタを導入している.そして,LDA と時間フィルタに基づいて,時間情報を持つ 2 つの文書間の類似度を構築し,階層的クラスタリング法を適用することで文書ストリームからバースト潜在トピックを抽出している.本稿では,人工データを用いた実験により t-LDA 法の定量的な有効性を検証し,オンラインニュースデータを用いた実験により t-LDA 法の有効性を実証する.We previously proposed the t-LDA method that extracts bursty latent topics from a documet stream. The method utilizes Latent Dirichlet Allocation (LDA), which is a probabilistic generative model of documents, for extracting latent topics, and introduce a time-filter for identifying bursty topics. It constructs a measure of similarity between two documents with time-stamps on the basis of LDA and the time-filter, and extract bursty latent topics from a document stream by applying a hierarchical agglomerative clustering method. In this paper, we quantitatively verify its effectiveness by using synthetic data, and demonstrate its effectiveness by using real online news data.
著者
吉川 友也 斉藤 和巳 元田 浩 大原 剛三 木村 昌弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.1899-1908, 2011-11-01
被引用文献数
2 5

本論文では,非同期時間遅れ付き独立カスケード(AsIC)モデルと非同期時間遅れ付き線形しきい値(AsLT)モデルのそれぞれの場合を仮定して,観測した単一の拡散系列から各時刻における期待影響度(期待影響度曲線)を高精度で推定する問題に取り組む.単純な方法として,観測した拡散系列のアクティブノード数を数えて期待影響度曲線とすることが考えられるが,拡散系列は情報拡散の確率的な動作によって多様な結果になるため,この方法での期待影響度曲線推定には本質的な限界がある.本論文の提案法では,観測した拡散系列から各モデルのパラメータをEMアルゴリズムによって学習し,学習したモデルパラメータを使って,シミュレーションによって期待影響度曲線を推定する.提案法を評価するために,現実のソーシャルネットワーク構造データを用いて人工的に拡散系列を生成して評価実験を行う.生成される拡散系列の長さは,同じ条件であっても多様な長さになる.我々は,提案法を使うことによって,多様な長さの拡散系列からでも期待影響度曲線を高精度で推定できることを示す.
著者
木村 昌弘 斉藤 和己 上田 修功
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.85, pp.155-162, 2004-08-04
参考文献数
12

Web上で日々流通する大量の情報に基づいて,米国同時多発テロのようなある種の例外的な社会現象を検出する問題を考察する.本稿では特に,あるカテゴリーに属する文書群の時系列データに基づいて,その中でアウトブレークしたトピック(ホットトピック)と,その存在期間を抽出する手法を提案する.社会ニュースの実データおよび,国際ニュースの実データを用いた実験により,提案法の有効性を検証する.
著者
水田 昌孝 熊野 雅仁 小野 景子 木村 昌弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.10, pp.1-6, 2010-12-09

我々は以前に,文書ストリームからバースト潜在トピック抽出する t-LDA 法を提案した.t-LDA 法は,潜在トピックを抽出するために文書生成確率モデル LDA (Latent Dirichlet Allocation) を用い,バーストトピックを同定するために時間フィルタを導入している.そして,LDA と時間フィルタに基づいて,時間情報を持つ 2 つの文書間の類似度を構築し,階層的クラスタリング法を適用することで文書ストリームからバースト潜在トピックを抽出している.本稿では,人工データを用いた実験により t-LDA 法の定量的な有効性を検証し,オンラインニュースデータを用いた実験により t-LDA 法の有効性を実証する.We previously proposed the t-LDA method that extracts bursty latent topics from a documet stream. The method utilizes Latent Dirichlet Allocation (LDA), which is a probabilistic generative model of documents, for extracting latent topics, and introduce a time-filter for identifying bursty topics. It constructs a measure of similarity between two documents with time-stamps on the basis of LDA and the time-filter, and extract bursty latent topics from a document stream by applying a hierarchical agglomerative clustering method. In this paper, we quantitatively verify its effectiveness by using synthetic data, and demonstrate its effectiveness by using real online news data.
著者
東野 正行 熊野 雅仁 木村 昌弘 斉藤 和巳
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.51, pp.1-8, 2009-12-10

文書ストリームからホットトピック文書群を抽出する手法として,ネットワークコア抽出法である SR 法を拡張した手法を提案する.新聞記事ストリームデータ及び人工文書ストリームデータを用いた実験により,提案法は従来法よりも高精度であることを示す.We propose a method for extracting hot-topic documents in a document stream. The proposed method extends the SR-method for network-core extraction. Using real and synthetic document stream data, we experimentally demonstrate that the proposed method outperforms convetional methods.
著者
木村 昌弘 斉藤 和巳 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.253, pp.61-66, 2002-07-19

本論文では、成長ネットワークモデルとその学習アルゴリズムを提案する。従来のスケールフリーモデルと異なり、WWWを含む多くの実世界ネットワークの重要な特徴である、コミュニティー構造を組み込む。提案モデルが巾則後部をもつ次数分布を示すこと、および、我々の方法がコミュニティーの情報をもたないデータから新リンク生成確率を正確に推定できることを、実験により確認した。さらに、動的ハブ度という量を導入することにより、コミュニティー間のハブ度の変化を予測できた。