著者
村山 菜都弥 村田 伸
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.195-198, 2012 (Released:2012-06-13)
参考文献数
18
被引用文献数
1

〔目的〕健常成人を対象に利き手と,非利き手を使用した際の前頭葉の脳血流量を比較検討した.〔対象と方法〕健常な男女12名(男性9名,女性3名,年齢20.3±0.5歳,対象者のすべてが右利き)を対象に,蚊取り線香をかたどった渦巻きと同じ大きさの円を10秒間書いてもらい,次に渦巻きの壁に当たらないようにできるだけ早く線を書いてもらった.この渦巻き課題を利き手,非利き手で行った際の各所要時間と施行中の酸素化ヘモグロビン(HbO2)の変化をNIRSを用いて測定した.〔結果〕利き手と非利き手を用いた作業時のHbO2に有意な差が認められ,非利き手使用時に有意にHbO2が高まった.〔結語〕利き手よりも非利き手を使用したほうが,前頭葉の脳血流量が増加することが示唆された.