著者
堀江 俊治 田嶋 公人 松本 健次郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.8, pp.1003-1009, 2018-08-01 (Released:2018-08-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Capsaicin is a constituent of chili pepper, and induces the burning sensation on the tongue. The site of action for capsaicin has been discovered as transient receptor potential vanilloid receptor subtype 1 (TRPV1) that resides on the membranes of pain- and heat-sensing primary afferent nerves. The immunohistochemical study on the stomach revealed that nerve fibers expressing TRPV1 exist along gastric glands in the mucosa, around blood vessels in the submucosa, in the myenteric plexus, and in the smooth muscle layers. High numbers of TRPV1-immunoreactive axons were observed in the rectum and distal colon. Therefore, capsaicin stimulates TRPV1 not only on the tongue but also in the gut. In this review, the mechanism of gastrointestinal mucosal defense enhanced by capsaicin was summarized. TRPV1 plays a protective role in gastrointestinal mucosal defensive mechanism. Hypersensitivity of afferent fibers occurs during gastrointestinal inflammation. Abnormalities of primary afferent nerve fibers are strongly associated with the visceral hypersensitive state in inflammatory bowel disease (IBD). The alteration of TRPV1 channels in mucosa contributes to the visceral hypersensitivity in colitis model mice. TRPV1-expressing neurons in the gut are thought to be extrinsic sensory afferent neurons that operate to maintain gastrointestinal functions under physiological and inflammatory states.
著者
松本 健佑
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2022年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.106, 2022 (Released:2022-03-28)

本研究の目的は,地方選挙が同時に行われると国政選挙の投票率が上がるのかを検討することである.2004~2013年の参議院選挙が地方選挙と同時に行われた際にどの程度投票率が上昇したのか,差の差法によって分析した.分析の結果は以下の3点にまとめられる.第1に,地方選挙が同じ日に行われると平均で6.65ポイント参議院選挙の投票率が上がる.第2に,都道府県レベルの選挙よりも市区町村レベルの選挙が同時に行われたときの方が参議院選挙の投票率が大きく上がる.第3に,市区町村レベルの選挙については,首長選挙よりも議会選挙が同時に行われたときの方が参議院選挙の投票率が大きく上がる.また,同日選挙の効果は地域によって異なるのかについても分析した.その結果,市区町村レベルの選挙が同時に行われる場合は,農村的な地域であるほど参議院選挙の投票率が上がることがわかった.
著者
大神 勝也 中才 恵太朗 畑 秀明 松本 健一
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.2_93-2_105, 2019-04-26 (Released:2019-05-24)

アプリケーションのパフォーマンス改善において,実行時間を解析するプロファイラは有用と思われる.しかし,既存のプロファイラは特定の実行シナリオのもとプロファイリング時間を事前に設定する必要があり,実行シナリオなしでシステムのボトルネックを見つけることは難しい.また,各メソッドごとの実行時間を表示するインタフェースはソフトウェアの階層構造上における実行モジュールの位置などを把握することが難しい.これらの課題に対処するため,リアルタイムでパフォーマンス分析可能なソフトウェア都市可視化ツールHeijoを提案する.提案するプロファイラでは,アプリケーションの実行は3次元のソフトウェア都市として可視化され,アプリケーションのソフトウェア構造と実行のパフォーマンスが表現される.提案するプロファイラを使用して実際のJavaアプリケーションおよびAndroidアプリケーションのプロファイリングを行い,提案するプロファイラの有用性と実用性を確認した.
著者
松原 優里 阿江 竜介 大矢 幸弘 穐山 浩 今井 孝成 松本 健治 福家 辰樹 青山 泰子 牧野 伸子 中村 好一 斎藤 博久
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.767-773, 2018 (Released:2018-07-18)
参考文献数
24

【背景・目的】日本における食物アレルギー患者数は年々増加しているが,食物アレルギー患者数の頻度分布(有病率)は,未だ明らかではない.本研究では,それらを明らかにし,新たな調査方法を検討する.【方法】政府統計等利用可能な資料を用いて,食物アレルギー患者数を推計する.【結果】乳幼児期では「自己申告」で約80万人,「医師の診断」で約30万~50万人,学齢期では「自己申告」で約60万人,「医師の診断」で約35万人と推計された.成人では,消費者庁が即時型症状の受診者数を調査しているが,対象が限定されており,患者数の推計は困難であった.【結語】乳幼児はエコチル調査に症状や診断の有無・血液検査を追加することで,年次変化を把握でき,学齢期では文部科学省の調査が有効である.成人期では大規模調査は少なく,国民健康・栄養調査や国民生活基礎調査などに付随した調査が有効である.一方で個々の情報源の抱える問題点も明らかにした.
著者
武田 隆之 牛窓 朋義 山内 寛己 門田 暁人 松本 健一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-8, 2010-03-11

本稿では,学生の演習課題のような小規模なソースコードを対象とした盗用の検出を目的とする.インデント,演算子などのコーディングスタイルに着目し,59 項目の特徴量として抽出し,盗用の発見に用いる.盗用関係にあるソースコード間において 59 項目の特徴量の差分を測定し,盗用関係にないソースコード間における特徴量の差分と比較したところ,28 項目の特徴量が盗用検出に有効であること,28 項目のうち 8 項目の特徴量はプログラムの内容によらず盗用検出に有効であること,8 項目のうち 3 項目の特徴量はソースコード整形ツールによるインデント整形に対して耐性を持つことが分かった.The goal of this paper is to detect software plagiarism in small-size source code like exercise assignments at school. This paper focused on coding style elements, such as indents and operators, and computed 59 quantitative measures from these elements. To evalute the usefulness of measures for plagiarism detection, we compared measures of suspected pairs (of plagiarism) and nonsuspected pairs. As a result, we found that 28 measures were effective to detect plagiarisms. Especially, 8 of 28 measures were effective for different program specifications, and 3 out of 8 measures were effective even after source code indentation tools were applied.
著者
松本 健一
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

関節可動亢進(III)型エーラス・ダンロス症候群(EDS)の診断法の確立のために、III型EDSの原因遺伝子の一つであるテネイシンX(TNX)の血清濃度の定量系の開発を、ESI-TSQ質量分析計を用いて行った。その結果、健常人の 血清型TNX 濃度は144 ng/mLであることが明らかとなった。また、III型EDS患者血清における病態バイオマーカーの同定のために、III型EDS患者の血清を用いて、健常人血清と比べて発現差異を示すタンパク質の解析をMALDI-TOF/TOF質量分析計を用いて行った。その結果、補体関連の6個のタンパク質が患者血清中において発現増加していることが明らかとなった。
著者
松本 健吾
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.259-278, 2001-07-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
92
被引用文献数
1
著者
松本 健次
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維工学 (ISSN:18838731)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.P341-P347, 1966-05-20 (Released:2010-09-27)
参考文献数
14
著者
東郷 正美 長谷川 均 後藤 智哉 松本 健 今泉 俊文
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.111, 2010

ヨルダン高原の北西端部に位置するウム・カイスは、古代都市ガダラに起源もつ遺跡の町である。ガダラは63 BCのポンペイウスよる東方遠征後、デカポリスの中心的都市となって大いに栄えた。しかし、749年に起こったパレスティナ大地震によって壊滅し、以後再興されることはなかったとされる。749年の大地震は、死海トランスフォーム断層に沿う活断層帯の活動で生じたM 7クラスの地震とみられている(Marco et.al, 2003など)。<BR> ウム・カイス遺跡を調査する機会に恵まれた演者らは、749年大地震のガダラ壊滅への関与を示す明確な証拠を求めて、発掘調査で露出した多数のローマ円柱に注目し、その出土特性を調べた結果、以下のような知見を得た。<BR><BR> 1)底面の縁が欠けている円柱が多数見いだされる。<BR> 2)このような底面縁に欠損部が認められる円柱を、64例見つけたが、その 多く(53例)は、円柱表面に特徴的な溶食帯(ひとつの接線に沿い一定の幅 をもって柱の両端に達するように生じている)を伴っていた。<BR> 3)このような溶食帯が上記の底面縁欠損部と対置するように発達するもの が、36例もある。<BR> 4)倒れた方向が判定できる円柱が36例あった。それらの方向性に注目する と、12例がほぼ東西方向、13例が南北方向を示し、この2方向への集中度 が高い。残りの11例はいろいろな方向に分散している。<BR> 5)倒壊した円柱とローマ時代の生活面との間に、10~数10cm、ところによ ってはそれ以上の厚さを持つ堆積物が存在することが多い。<BR> 6)倒壊円柱包含層の年代を把握するため、その上・下位層準中より年代 測 定試料を採取して14C年代測定を試みたところ、1870±40yBP、1740 ±40yBP(以上、下位層準)、1760±40yBP、1730±40yBP(以上、同または 上位層準)とほぼ同時代を示す結果が得られた。<BR><BR> 上記1)の底面縁の欠損部は、円柱が倒れる際に支点となった部分にあたり、この時柱の全過重がここに集中することで破壊が生じて形成されたと推定される。上記2)3)の溶食帯は、円柱が倒れた後、風雨にさらされてその頂部(嶺線付近)から溶食が進行したこと、しかし、溶食は円柱全面に及ぶことなく、また、浸食量も大きいところでも深さにして1cm程度であることから、円柱はまもなく埋没したものと思われる。多くの事例が以上のように同じような痕跡をとどめていることは、建物の倒壊が同じ原因で一斉に生じたことを示唆する。<BR> 上記4)は、倒壊した円柱群に、大地震の地震動による倒壊を思わせる全体的に系統だった方向性が明確に認められないことを示している。上記5)は、建物の一斉倒壊事件に先立ち、ガダラは市街地への大量の土砂に侵入を許していたことを意味しており、この時にはすでに都市維持機能は失われていたことを表している。その時代は、上記6)から4C初頭を前後する頃と推定されるので、ガダラの終焉に749年パレスティナ大地震は無関係と考えられる。
著者
森田 大夢 平尾 俊貴 石尾 隆 新田 章太 小西 俊司 森 康真 松本 健一
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.253-254, 2019-08-22

ソフトウェア開発者の育成を目的としたプログラミング研修では,プログラミングスキルの向上が期待される.本研究では,研修の効果を測定する試みとして,あるソフトウェア開発企業の新人研修で収集した 22 名のソースコードを用いて,研修前後でのプログラミングスキルの変化をソフトウェア品質の観点から調査した.その結果,研修前後でソースコード内の複雑度はあまり変化せず,宣言命令数が増加する傾向にあることを確認した.その要因として,研修後は変数を必要になった時点で宣言すると同時に初期化して使用するようにプログラムを記述する傾向が見られた.
著者
尾上 紗野 畑 秀明 松本 健一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.715-719, 2015-02-15

オープンソースソフトウェア(以下,OSS)開発には多くの開発者が携わっており,異なる特徴を持つ開発者が存在すると考えられる.開発者の特徴を明らかにすることで,OSSプロジェクトの成功に必要な開発者を明らかにできるなどのソフトウェア工学における新しい観点の発見が期待される.本稿ではGitHubで活発なOSSプロジェクトであるhomebrewとnodeに参加する開発者を活動履歴からクラスタリングし,その結果から開発者を分類した.クラスタリングで得られた樹形図を分析した結果,活発なOSSプロジェクトには迅速・議論型,迅速・総合型,悠然・総合型などの異なったタイプの開発者がいることが分かった.