著者
フォード・丹羽 順子 小林 典子 木戸 光子 松本 哲洋
出版者
筑波大学留学生センター
雑誌
筑波大学留学生センタ-日本語教育論集 (ISSN:13481363)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-12, 2000

既存の中上級者向け日本語教材の多くは、読解を中心にした総合教科書や、4技能の養成を主眼とした教材である。これらの教材は、文法シラバスに基づいたものではないために、文法に関しては、偶然その中に出てきた表現(および関連表現)を取り上げるというやり方になっている。日本語を母語としない学習者には、このような教材だけではなく、基本的構造に関わる文法を体系的に教える文法の教科書も必要だと考える。本稿は、なぜその文法形式を使って頭の中にある概念を言語化するのかという「構文動機」を、日本語教育のための文法記述の中に示すことを提案する。
著者
松本 哲洋
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.8-9, 1993

本稿は、一段活用動詞の可能動詞化について、日本語教育でどのように取り扱うかを考察したものである。日本人の学生を対象に行なった実態調査の結果、「見る」「着る」「起きる」などの動詞は可能動詞化が進んでいる一方、「居る」「教える」「比べる」などの動詞は「られる」を使用する割合が高いことがわかった。またこれまでの日本語教育においては、規範的な文法に従い、一段活用動詞の可能動詞を認めない立場のものや、使用頻度の高い一段活用動詞のみを提示するもの、一段活用動詞の可能動詞だけを提示するものなどがあり、取り扱いがまちまちであることがわかった。