著者
田中 ふみ 井上 潤一 中村 武人 松村 陽子 前田 倫
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.341-344, 2017-10-25 (Released:2017-11-08)
参考文献数
12

がんへの放射線治療により発生する口内炎などの粘膜炎の薬物治療には,抗炎症薬や局所麻酔薬の含嗽,非ステロイド性抗炎症薬や麻薬などの鎮痛薬があるが,その効果は十分といえない.粘膜炎による痛み,感染,栄養状態の悪化のために放射線治療を中断することは予後に直結するため,新たな治療薬が期待されている.今回,放射線治療による肺腺がん患者の食道粘膜炎と頬粘膜がん患者の口内炎に対し,桔梗湯を使用することで症状の改善を認め,放射線治療を完遂した症例を経験した.桔梗湯は桔梗と甘草からなる漢方薬であるが,桔梗・甘草それぞれに抗炎症,抗潰瘍効果があることが報告されており,桔梗湯にも同様の効果があると想定され,放射線性粘膜炎に対する有効な支持療法になりうると考えられる.
著者
木内 淳子 安部 剛志 松村 陽子 野坂 修一 前田 正一
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.702-706, 2005 (Released:2005-11-29)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

2003年末までに, 判例時報などの法律雑誌に掲載された麻酔科関連領域の判例について検討した. 全身麻酔および硬膜外麻酔に関しては, 麻酔専門医による麻酔管理も訴訟の対象となっていた. 病院開設者とともに, 麻酔担当医も被告となっている症例が半数を占めた. 救急医療の領域では, 過失と結果の因果関係に関して, 医療側に厳しい判例が平成12年に最高裁判所から出された. この判断の影響でその後の救急医療領域で, 同じような判断が3判例みられた. 説明義務については, 過失がない場合においても, 十分な説明に基づく同意がない場合は下級審判決が覆り, 最高裁で医療側有責とされた. 今後麻酔科医には, 医療水準に合致した医療と十分な説明が求められると考える.