著者
松田 康子
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.132, pp.149-165, 2018-08-30

This paper attempts to consider current issues and future visions of a qualitative study on the livedexperience of people with mental health consumers/survivors/ex-patients. Note that no differenceexists between the collection of data regarding their lived experience and exploitation or plunder.Though model stories based on their lived experience, they were confined to acceptable stories in society.If lived experience explains model stories, I fear that social environment may not take diversityinto account, causing not inclusion but exclusion. In future visions, I suggested that researchersshould be cognizant of recognizing diversity, asking a primary research question."what is it"in orderto discover and give a name again. Another important point is that researchers attempt to adopta caring perspective in their studies.
著者
松本 仲子 松田 康子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.58-65, 2000-02-20
被引用文献数
3

料理方法の簡便化を目的として,いくつかの料理を従来行われてきた方法と簡便な方法とで調理し,それらの調理法の間に差がみられるか否かについて検討した。かぼちゃの煮物,さといもの煮物,ふろふきだいこんでは,従来は下処理として野菜を下茄でしてから煮るのが普通であるが,下茄でせずに煮汁で直接煮たものとを比較すると,両者の問には有意差は認められなかった。 じゃがいもの妙め煮となすの揚げ煮において,加熱前に水さらしするかしないかを比較した結果についても両者の間には有意差はみられなかった。 麻婆豆腐では,予め豆腐を茄でたものは,茄でないものに比べて有意に低く評価された。 ぶりだいこんでは,ぶりを水洗いする,湯煮するなど5方法の下処理を行ったが,いずれの方法にも有意差はみられなかった。 あじの煮つけにおいては沸騰した煮汁にあじを入れるのと沸騰させないであじを入れて煮た場合を比較した結果,二方法の間には有意差は認められなかった。 稲荷ずしの油揚げの煮時間を変えて比較した結果,煮時間が5分と短いものは有意に評価が低かった。 茶碗蒸しについては,卵液を濾したものと濾さないものまた,蒸し器で蒸したものと地獄蒸ししたものとをそれぞれ比較した結果は,いずれの比較においても有意差はみられなかった。 炊き強飯では加熱前の浸水時間を変えて比較した結果,浸水時間が18時間と長いものは,低く評価された。
著者
沼崎 麻子 湯浅 万紀子 藤田 良治 鈴木 誠 松田 康子 吉田 清隆 斉藤 美香
出版者
北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.73-89, 2014-06

As a place of science communication, museums are being expected to encourage all citizens to avail and participate in its activities. This paper focuses on adults with ASD (Autism Spectrum Disorder) with whom a questionnaire survey was carried out. 80% of them answered they liked museums. There were two main reasons behind this: the appreciation for the museum’s side of satisfying intellectual interests and its less burdening atmosphere and environment for people with ASD who are hypersensitive. On the other hand, it became clear that services for improving learning effect are not being sufficiently used by them. They also face some difficulties when using museums: museums might be inconveniently located, do not match well with their hypersensitivity, and often have hard to understand indications and instructions. The result of the survey reveals that there is an expectation for museums to improve usability to match better with people with ASD’s characteristics. Such improvement will have to take into consideration different positions that people have and obstacles they face, in order to incorporate universal design to museums and develop educational programs that utilize minorities’abilities. On a long-term basis, museums’contribution will be expected for the development of science communication and community.
著者
高橋 敦子 松田 康子 駒場 千佳子 奥嶋 佐知子 吉田 企世子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.122-131, 2006-04-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
10
被引用文献数
4

Sensory tests and textural measurements were made of komatsuna grown in normal soil, soil enriched with chemical fertilizers and soil enriched with organic fertilizers. Uncooked komatsuna grown in normal soil achieved the highest overall score, while komatsuna grown in soil enriched with chemical fertilizers and soil enriched with organic fertilizers achieved lower scores because of the grassy smell and harsh taste. Significantly more energy was required for chewing komatsuna grown in soil enriched with chemical fertilizers (p<0.05), suggesting high consistency. Uncooked komatsuna grown in normal soil was most favored. No difference was apparent among the komatsuna samples grown in different soil types after cooking by hitashi (parboiling and pressing). Ni-bitashi (boiled and seasoned) komatsuna grown in soil enriched with organic fertilizers was significantly favored (p<0.05)in its overall evaluation. Stir-fried komatsuna grown in soil enriched with chemical fertilizers was slightly more favored than the samples grown in the other two types of soil according to the overall evaluation and results of tests on tastiness and texture.
著者
室橋 春光 河西 哲子 正高 信男 豊巻 敦人 豊巻 敦人 間宮 正幸 松田 康子 柳生 一自 安達 潤 斉藤 真善 松本 敏治 寺尾 敦 奥村 安寿子 足立 明夏 岩田 みちる 土田 幸男 日高 茂暢 蓮沼 杏花 橋本 悟 佐藤 史人 坂井 恵 吉川 和幸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

発達障害は生物学的基盤を背景とし、社会的環境の影響を強く受けて、非平均的な活動特性を生じ、成長途上並びに成人後においても様々な認知的・行動的問題を生ずる発達の一連のありかたである。本研究では発達障害特性に関する認知神経科学的諸検査及び、社会的環境・生活の質(QOL)に関する調査を実施した。脆弱性と回復性に関連する共通的背景メカニズムとして視覚系背側経路処理機能を基盤とした実行機能やワーキングメモリー機能を想定し、事象関連電位や眼球運動等の指標を分析して、個に応じた読みや書きなどの支援方法に関する検討を行った。また、QOLと障害特性調査結果の親子間の相違に基いた援助方法等を総合的に検討した。
著者
川端 輝江 古 息珠 柴田 茂男 長谷川 恭子 澤井 廣量 李 寧遠 劉 麗雲 村上 秀親 小川 久恵 矢ヶ崎 信子 松田 康子 岩間 範子
出版者
社団法人 日本循環器管理研究協議会
雑誌
日本循環器管理研究協議会雑誌 (ISSN:09147284)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.109-117, 1993

循環器疾患死亡率に各々特徴を持つ日本の2地区 (山梨県および沖縄県) と沖縄県に隣接している中華民国 (台湾) における計3地区に在住する中高年齢者を対象とし, 健康診断を行った。そこで, 我々はこれらの地区において, 循環器疾患の指標となりうる肥満度, 血圧, 血清脂質の諸検査結果を主成分分析法により検討した。<BR>主成分分析の結果, 得られた2次元図の各象限の特徴を表現すると, 1.高血圧型, 2.肥満, 血清中性脂肪高値, HDL-コレステロール低値型, 3.低血圧, 血清HDL-コレステロール低値型, 4.やせ, 血清中性脂肪低値, HDL-コレステロール高値型となった。<BR>男性では, 山梨県対象者は血清中性脂肪高値および肥満の者が約2割いた。沖縄県対象者では全体の3割強が高血圧型であった。台湾対象者では軽度の肥満および中性脂肪高値型と低血圧および血清HDL-コレステロール低値型が, あわせて約3割以上であった。<BR>女性では, 山梨県対象者に対して, 沖縄県対象者では血清総コレステロール, HDL-コレステロールの平均値が従来の成績同様高かったが, その他の項目においては, 極端に正常値からはずれた検査値を持つ者は少なく, 特徴的な分布はみられなかった。台湾対象者では, 肥満, 血清中性脂肪高値およびHDL-コレステロール低値型に属する人は約4割であり, 循環器疾患のリスクが高い集団と推察される。
著者
駒場 千佳子 松田 康子 加藤 和子 河村 美穂 木村 靖子 島田 玲子 土屋 京子 徳山 裕美 名倉 秀子 成田 亮子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】日本調理科学会特別研究平成24〜25年度「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の調査を通して,昭和30-40年代の行事食の特徴を明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】東部低地:加須市,北足立台地:さいたま市,比企:東松山市,大里・児玉:熊谷市,入間台地:日高市,入間山間部:飯能市,秩父山地:秩父市,川越商家:川越市の8地域9か所で、対象者は食事作りに携わってきた19名(居住年数平均72.3年)である。当時の地域環境と共に、食料の入手方法、調理・加工・保存方法、日常食や行事食、食に関連する思い出や伝え継ぎたいと考える料理について聞き書き法で調査を行った。</p><p>【結果】食が関連する行事は、正月や盆などの年中行事や節句を祝うもの、農作業などの節目(収穫の願いや収穫祝い、農作業や養蚕業のひと段落した際の地域の祭事)、人寄せをする地域の祭事などがあった。</p><p>赤飯やおはぎ(ぼたもち)、いなり寿司や巻きずし、ちらし寿司は、多くの行事で作られ、祝い、楽しまれた様子が伺える。海なし県であるが、正月にはお頭付きの海の魚が利用されるなど、日常にない料理も多かった。埼玉県は、里芋の栽培が多く、芋がら(ずいきの茎)を甘酢漬けにしたり(十日夜)、芋は雑煮(角餅・すまし汁)の具としても利用されていた。地域の野菜を使ったかて飯、七福なます、ゆず巻きなども食べられている。また、小麦の栽培も多いことから、行事食にはうどんだけでなく、小麦を使ったお菓子(酢まんじゅう、炭酸まんじゅう、ゆでまんじゅう)がつくられた。特徴的な料理は、穀倉地帯のいがまんじゅう(季節の節目)、塩あんびん(十日夜)、山林地帯のとち餅(正月:栃の実を利用)、つとっこ(端午の節句:栃の葉を利用)などがあった。</p>
著者
伊藤 詩菜 松田 康子 加藤 弘通
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.5-12, 2015-03-25

本研究では、援助要請行動生起における利益とコストの関係性を検証するため、中岡・兒玉(2011)の援助要請期待尺度の信頼性・妥当性の検討を行うとともに、援助要請不安尺度を元に援助要請行動生起における心理的コスト尺度を作成し、その信頼性・妥当性の検討を行った。そのため、大学生、大学院生208名を対象とし、既存の援助要請期待尺度(中岡・兒玉,2011)と、本研究で作成した心理的コスト尺度を合わせた計46項目を「カウンセリングに対する印象」として質問紙を用いて調査した。その結果、心理的コスト尺度は「スティグマへの懸念」因子、「カウンセラーの対応への懸念」因子、「強要への懸念」因子の3因子となり、中岡・兒玉(2011)と同様の結果となった。一方、援助要請期待尺度については、「内面の安定への期待」因子、「カウンセラーの対応への期待」因子、「知識習得への期待」因子の3因子となり、中岡・兒玉(2011)と異なる結果となった。また、Cronbachのα係数と2つの尺度の下位尺度との相関により、本研究で作成された心理的コスト尺度は十分な信頼性と妥当性が示された。援助要請期待尺度(中岡・兒玉,2011)についても再検討され、因子構造は中岡・兒玉(2011)とは異なる結果となったものの、より多くの項目数からなる、より信頼性・妥当性を有した尺度が作成されたと考えられる。
著者
島田 玲子 加藤 和子 河村 美穂 名倉 秀子 木村 靖子 徳山 裕美 松田 康子 駒場 千佳子 土屋 京子 成田 亮子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】日本調理科学会特別研究平成24~25年度『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』の調査を通して,昭和30~40年代に定着した埼玉県の家庭料理について検証し,主菜の特徴を明らかにすることを目的とした。<br>【方法】埼玉県の東部低地:加須市,北足立台地:さいたま市,比企:東松山市,大里・児玉:熊谷市,入間台地:日高市,入間山間部:飯能市,秩父山地:秩父市,川越商家:川越市の8地域9か所における対象者は,家庭の食事作りに携わってきた19名で,居住年数は平均72.3年である。当時の地域環境と共に,食料の入手法,調理・加工・保存方法,日常食や行事食,食に関連する思い出や,次世代に伝え継ぎたいと考える料理について,聞き書き法で調査を行った。<br>【結果】埼玉県は内陸県(海なし県)である一方,荒川や利根川などの一級河川が流れ,川魚を入手するには恵まれた環境であった。そのため,動物性の食材にはコイやフナ,カジカ,ハヤなどの川魚のほか,ウナギ,タニシなど,川で獲れる魚介類を利用している地域が多かった。ウナギは現在でも名物であるが,昭和30~40年頃には,家庭で調理するよりも,中食・外食としての利用が多かった。その他の魚は,家庭で甘露煮や焼き魚,天ぷらなどにしていた。一方,海産魚は缶詰や干物,塩蔵品が利用され,昭和40年頃から家庭で作られるようになったカレーライスには,畜肉ではなく,サバの水煮缶やちくわが用いられていた。日常的な畜肉の利用は少なく,卵を得るために鶏やアヒルを飼育し,特別なときにつぶして食べることが行われていた。昭和40年代になると流通網の発達や冷蔵庫の普及などによりとんかつやハンバーグなどの洋食として畜肉も食べるようになった。
著者
松田 康子
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.151-155, 1996-04-01 (Released:2019-07-01)

ヘミングウェイのIn Our Timeが出版されたのは1925年で, 世界大戦の間の世界中が混迷している時代であった.この作品は15編の短編から成っているが, そのなかの8編に登場するNick Adamsは物語をおうごとに少年から青年へと成長していく.なにもかも未経験のNickは父や母の影響ばかりでなく人間の生と死に直面し, なにか大きなものに導かれながらはっきりとした目的を持った大人になっていく.作者のHard-boiled非情な文体で描かれた我らの時代は, 戦争の悲惨さや無秩序な社会を読者に伝えている.たんたんと描かれたシーンであればあるほど読者の想像力を刺激する.この作品の中のとても短いイタリック体で書かれた部分は特に悲惨な戦争や闘牛士の場面が多いが, 作者は題名のないこの部分とNickの成長のようすを意図的にちりばめて短く鮮烈な印象を読者に伝えている.世界大戦後の先の見えない時代にNickの成長の姿が明るい希望となっている.
著者
松田 康子
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.132, pp.149-165, 2018-08-30

This paper attempts to consider current issues and future visions of a qualitative study on the lived experience of people with mental health consumers/survivors/ex-patients. Note that no difference exists between the collection of data regarding their lived experience and exploitation or plunder. Though model stories based on their lived experience, they were confined to acceptable stories in society. If lived experience explains model stories, I fear that social environment may not take diversity into account, causing not inclusion but exclusion. In future visions, I suggested that researchers should be cognizant of recognizing diversity, asking a primary research question.“what is it”in order to discover and give a name again. Another important point is that researchers attempt to adopt a caring perspective in their studies.
著者
松田 康子 松本 仲子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.249-256, 2000-05-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

調理素材の変化や新しい調理器具の出現によって、従来の調理法とは異なる、より望ましい方法があるものと考えられる。そこで日常の料理をもとに、簡便化を主目的に、各料理をいくつかの器具や操作で調理し、官能評価して、それらの間に差がみられるか否かについて検討した。あじの塩焼き、さけのムニエルでは、降り塩の時間を変えて比較したが、時間の間に有意差はみられず、またみそ漬け前の降り塩の時間の違いについても有意な差は認められなかった。ハンバーグについては、パン粉を牛乳に浸すものと浸さないもの、タマネギを炒めるのと炒めないものとを比較したところ、パン粉を牛乳につけるか否かについては有意差はみれなかったが、タマネギについては嗜好が二分した。厚焼き卵については、卵液を濾したものと漉さないものを比較した結果、有意差はみられなかった。ソテーに用いるホウレンソウの下処理については、適当な長さに切ってから茹でたものが有意に良いと評価された。かぼちゃのコロッケでは、かぼちゃを裏漉す、すりこ木で潰す、フードプロセサーで潰すの三方法に好みが分散した。豚カツについては肉叩きで叩く、叩かないの間には有意差は認められなかった。こんぶとかつお節のだし汁のとりかたについては、こんぶを沸騰直前に取り出さず、かつお節とともに加熱してから濾し取る方法が有意に高く評価された。みそ汁に用いる油揚げについて油ぬきしたものと、しないものについて比較した結果は、両者間に有意差はみられなかった。
著者
松田 康子
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.151-155, 1996-04-01

ヘミングウェイのIn Our Timeが出版されたのは1925年で, 世界大戦の間の世界中が混迷している時代であった.この作品は15編の短編から成っているが, そのなかの8編に登場するNick Adamsは物語をおうごとに少年から青年へと成長していく.なにもかも未経験のNickは父や母の影響ばかりでなく人間の生と死に直面し, なにか大きなものに導かれながらはっきりとした目的を持った大人になっていく.作者のHard-boiled非情な文体で描かれた我らの時代は, 戦争の悲惨さや無秩序な社会を読者に伝えている.たんたんと描かれたシーンであればあるほど読者の想像力を刺激する.この作品の中のとても短いイタリック体で書かれた部分は特に悲惨な戦争や闘牛士の場面が多いが, 作者は題名のないこの部分とNickの成長のようすを意図的にちりばめて短く鮮烈な印象を読者に伝えている.世界大戦後の先の見えない時代にNickの成長の姿が明るい希望となっている.
著者
田中 康雄 内田 雅志 久蔵 孝幸 福間 麻紀 川俣 智路 伊藤 真理 美馬 正和 金井 優実子 松田 康子
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター = Research and Clinical Center for Child Development, Faculty of Education, Hokkaido University
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-9, 2010

2009年に行ったわれわれの「発達障害のある方々への生涯発達支援の実践研究」について報告した。まず、発達障害は生活障害である。その視点に立つことで、われわれの実践研究を(1)養育者支援に関する研究、(2)保育・教育現場における支援研究、(3)特殊な生活環境における支援研究、(4)ADHDに関する調査研究と分類して、生活環境を中心に包括的な検討をした。われわれが向き合う「あなた」は、当初は養育者、次に当事者、さらにかれらを取り巻く関係者となる。同時に、われわれには、関係者といかに手を携えて総合的な支援策を構築するか、ということも求められる。最後に連携・ネットワーク作りからノットワーク作りへという移行を提案した。