著者
山田 貴代 信崎 良子 藤原 雅弘 澤田 昌宏 松田 正司 小林 直人
出版者
Co-medical Research Society of Structuer and Function
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.99-109, 2008

愛媛十全医療学院理学療法学科・作業療法学科では、愛媛大学医学部の協力により2004年度から学生が"自らメスを持って"行う人体解剖実習を行っている。それに伴い、人体解剖実習を行うにあたって必要とされる医の倫理について、少人数グループ学習形式のセミナー授業を導入した。本報では、人体解剖実習とセミナー授業による学生の意識の変化を把握するためアンケートを行い、その結果について考察した。対象は2005年~2006年度の理学療法学科1年生及び2007年度の理学・作業療法学科1年生である。2007年度の結果は、「人体解剖実習で献体 (ご遺体) を見るのは怖い」と「人体解剖実習はできればやりたくない」と「自分がPT・OTになった時に、人体解剖実習は役に立つと思う」という項目には関連性があり、人体解剖実習の意義は理解できていても、実際に経験してみると精神的な負担が大きいと感じる学生がいることが示された。2005年度から2007年度にかけて、「自分の身近な人が、自分の死を他人のために活かすことは賛成できる」や「自分が死亡したときに、献体として自分の身体を提供しても良いと思う」の項目に肯定的な回答の減少が認められた。これにより、「死」に対する考え方や捉え方の個人差の広がりが示唆され、実習を担当する教員が学生個人の倫理観を把握することや、人体解剖実習前の医の倫理セミナーの必要性が考えられた。
著者
飯田 博之 磯田 豊 小林 直人 堀尾 一樹
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.155-174, 2018-07-15 (Released:2018-07-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1 3

2016 年夏季に宗谷暖流沖合域で実施したCTD ならびにXBT とADCP を用いた25 時間連続往復断面観測で得られた詳細な流れ場と水温場の時間変化データの解析によって,冷水帯を伴った日周期渦流が宗谷暖流沖合を横切る様子を初めて捉えた。観測された冷水帯下部は,ほぼ均一な高塩分水で占められており,その起源は日本海中層水であることが示された。数値モデル結果を使用したトレーサー実験によって,日本海中層水は,岸向きの移流と湧昇により宗谷海峡へ供給された後,卓越した日周潮流により励起された反時計回りの孤立渦流に取り込まれ,冷水帯下部の海水の大部分を構成するとともに,宗谷暖流沖合水となって移流されることが示唆された。
著者
河原林 直人
出版者
大阪市立大学経済学会
雑誌
大阪市立大学経済学会經濟學雜誌 = Journal of economics (ISSN:04516281)
巻号頁・発行日
vol.120, no.2, pp.79-93, 2020-03

はじめに : 筆者は,これまで,日本植民地期台湾の「工業化」を巡る議論,中でも工業化「構想」について幾つか考察を重ねてきた。これらの研究と先行諸研究との最大の違いは,実際の「工業化」の様態を分析対象とするのみならず,台湾總督府(以下,総督府と略す)が抱いた「構想」を俎上に載せて,通説的に理解されてきた当時の台湾「工業化」について,異なる理解を導き出し得る可能性を見出したことにある。……
著者
小林 直人 中村 修 大井 健太
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-25, 2011 (Released:2011-03-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

この論文では研究戦略の形成とそれに基づく構成的な研究評価について考察した。特に研究遂行にあたっては、戦略形成の一環として研究プログラムの目標とそれを達成するためのシナリオの設定が大切であることを強調し、その研究戦略に沿った研究評価を行うことの重要性を指摘した。また研究評価にあたっては、研究の進展(progress)、深さ(depth)、位相(phase)の3側面から評価を行うとともに、それらを研究戦略と対比しつつ演繹・帰納・仮説形成(アブダクション)用語1による推論を組みあわせて構成することの重要性や、最終的に総合的な評価を形成する際にも構成的な評価法が重要なことを述べた。さらに産総研における研究ユニット評価および長崎県における公的研究機関の研究プログラム形成と評価の実情を紹介して、構成的な評価法との対比を試みた。構成的な評価法は、研究の価値を引き出し、次の進化に向けるために必要な創造的営みの一つとして捉えることができる。
著者
浅野 竜太 磯田 豊 小林 直人 中村 知裕 伊藤 薫
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:24353353)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.63-76, 2020-08-24

A new type of mechanism for the generation of vertical circulation is revealed with the use of numerical experiments for the bended channel model. In the steady passage-flow experiment with a flat bottom and no bottom friction, a remarkable vertical circulation is formed only at the downside of bended corner where a negative horizontal shear flow dominates. Specifically, we call this type circulation “Negative Shear induced Vertical Circulation (NSVC)”, which is caused through the dynamical unbalance of gradient flow and the vorticity balance between the lateral vorticity advection and the sea surface divergence. A field observation was carried out around the Ooma-zaki area in the eastern Tsugaru Strait to confirm an enhanced downward flow expected by the realistic experiment including the bottom slope and friction. The spatial istributions of water temperature support the existence of this downward motion.
著者
堀尾 一樹 磯田 豊 小林 直人 千葉 彩
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:24353353)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.41-62, 2020-08-24

If there is the coastal upwelling, it is common to think that the upward advection of cold deep water will make the coastal side cooler than the offshore side. Shelf slope upwelling (SSU) presented in this study, however, occurs only when the shallow coastal side is rather warm due to a continuous sea surface heating in summer. The present study investigated the formation process of such SSU using a numerical model driven by surface heating. From the results of examining unsteady state of heat budget and dynamic balance, SSU was found to be a kind of compensation flow, not the bottom Ekman flow. That is, to satisfy continuity in a vertical section, the offshore flow caused by the horizontal density/temperature gradient was supplemented by the shoreward flow strongly confined to the sloping seabed. This SSU will probably be one of the important flows contributing to material transport, e.g., unused nutrients and anoxic water etc., from deep to near coast in summer, while it is difficult to prove the existence of SSU even indirectly from the observed water temperature.
著者
根本 充貴 増谷 佳孝 野村 行弘 花岡 昇平 三木 聡一郎 吉川 健啓 林 直人 大友 邦
出版者
一般社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.29-34, 2016-05-31 (Released:2016-11-30)
参考文献数
25

Machine learning algorithms are to analyze any dataset to extract data-driven model, prediction rule, or decision rule from the dataset. Various machine learning algorithms are now used to develop high-performance medical image processing systems such as computer-aided detection (CADe) system which detects clinically significant objects from medical images and computer-aided diagnosis (CADx) system which quantifies malignancy of manually or automatically detected clinical objects. In this paper, we introduce some applications of machine learning algorithms to the development of medical image processing system.
著者
野々村 美宗 小林 直人 中川 直樹
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.435-438, 2011-12-20

固体粒子が液液界面や気液界面に吸着してエマルションや泡を安定化する場合がある。これまでの研究の多くは,単純な球状のエマルション/泡に関するものばかりだったが,最近では固体粒子がネットワーク構造や共連続構造などの複雑な構造も構築することが明らかになった。本解説では,固体粒子を使ってサツマイモ状エマルションや梅干し状エマルション,非球形多相エマルションを調製する方法を紹介する。これらの知見は,医薬品や食品,化粧品,塗料などの製剤や材料を開発するうえで有用である。
著者
野々村 美宗 小林 直人 中川 直樹
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.435-438, 2011-12-20

固体粒子が液液界面や気液界面に吸着してエマルションや泡を安定化する場合がある。これまでの研究の多くは,単純な球状のエマルション/泡に関するものばかりだったが,最近では固体粒子がネットワーク構造や共連続構造などの複雑な構造も構築することが明らかになった。本解説では,固体粒子を使ってサツマイモ状エマルションや梅干し状エマルション,非球形多相エマルションを調製する方法を紹介する。これらの知見は,医薬品や食品,化粧品,塗料などの製剤や材料を開発するうえで有用である。
著者
大谷 竜 加茂 真理子 小林 直人
出版者
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.118-125, 2013
被引用文献数
4

現在英国では、高等教育機関で実施されている研究の評価の新たな枠組みであるREF(Research Excellence Framework)の実施が準備されている。REFでは、高等教育機関で行われる卓越した研究が、その潜在的な効果を最大限に発揮できるよう、評価軸として、アウトプットの質、インパクト、研究環境の3つの要素が設定された。特に着目される点として、大学等での研究評価にも関わらず、社会的なインパクトも明示的に取り入れられていることである。また、アウトプットの質の評価においても、専門家パネルによるレビューとともに、論文被引用情報を中心とする計量書誌学的な定量的データを参考として用いることが提案されている。本稿では、REFにおける、アウトプットからインパクトまでの評価の考え方について紹介するとともに、わが国の研究評価や大学評価への示唆について考察する。