著者
田浦 太志 正山 祥生 森元 聡
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.178-184, 2005 (Released:2005-07-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

Cannabis sativa produces novel secondary metabolites called cannabinoids. Among them, Δ1-tetrahydrocannabinol (THC), the psychoactive component of this plant, has attracted a great deal of attention, because this cannabinoid is shown to exert a variety of therapeutic activities such as the relief of nausea caused by cancer chemotherapy. To reveal the mechanism of THC formation in Cannabis sativa, we attempted biosynthetic studies. Consequently, we established that Δ1-tetrahydrocannabinolic acid (THCA), the precursor of THC, is derived from cannabigerolic acid and that this reaction is catalyzed by the novel oxidocyclase, THCA synthase. Here, we show the biochemical and structural properties of THCA synthase.
著者
森元 聡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.832-836, 2016 (Released:2016-09-02)
参考文献数
9

大麻の基原植物であるアサは、幻覚活性にかかわる化合物としてΔ9-tetrahydrocannabinolic acidを生産している。アサはなぜ・どのようにこのような成分を生産しているのか不明であった。様々な検討を行った結果、Δ9-tetrahydrocannabinolic acidはアサ中で細胞死誘導因子として機能することが明らかとなった。さらにΔ9-tetrahydrocannabinolic acidはcannabigerolic acidの酸化閉環によって生合成された。この反応を触媒するTHCA合成酵素であり、X線結晶構造を解析により、酵素反応メカニズムを詳細に解析することに成功した。
著者
田浦 太志 正山 祥生 森元 聡
出版者
一般社団法人日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.178-184, 2005-07-25
被引用文献数
1 2

大麻に含まれるTHCは幻覚作用を有するが, 優れた鎮痛作用を示すことから医療への応用が期待されている重要な化合物である.THCの前駆体であるTHCAの生成機構を解析した結果, 本化合物は新規な性質を有する酸化酵素(THCA合成酵素)の触媒作用によって生合成されることが明らかとなった.