著者
惠良 友彦 松枝 美智子 江上 千代美 増滿 誠
雑誌
福岡県立大学看護学研究紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.5-15, 2020-03-31

【目的】抑うつ状態に対するアロマセラピーを用いた介入研究の現状を明らかにし、今後の研究課題を考察することを目的とした。【方法】研究デザインはマトリックス法を用いた文献研究である。医学中央雑誌Web版Ver.5を使用し、「原著論文」and「アロマ」and「抑うつ」or「うつ病」のキーワードで検索し、31件を対象とした。マトリックスの横軸には、研究デザイン、研究目的、抑うつ状態の評価尺度、施術者、施術方法など14項目を設定した。【結果】研究デザインは、実験研究が9%と少なく、研究目的は生理的・心理的効果の検討が全体の38%で最も多かった。抑うつ状態の評価尺度は、POMSまたはPOMS短縮版が全体の59%で最も多かった。研究対象者自身が施術者となりセルフケアを行った研究は13%と少なく、その場合の施術方法は一定していなかった。【考察】抑うつ状態の軽減を目的に、抑うつ状態の評価に特化した尺度を用いたシングルケースデザインやランダム化比較試験等エビデンスレベルの高い研究の必要性が示唆された。また、うつ病の発症や再発予防を視野に入れた、アロマセラピーによるセルフケア方法の確立が必要だと考える。
著者
清原 智佳子 梶原 由紀子 尾形 由起子 小野 順子 田中 美樹 石村 美由紀 江上 千代美
雑誌
福岡県立大学看護学研究紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.47--53, 2018-03-31

目的:効果的な子育て技術を習得することを目的に発達障がいの子どもをもつ12名の親を対象にステッピングストーンズトリプルPの介入を行い親のストレスの変化、子育て技術の役立ち頻度、終了後の受講者満足度について調査を行った。方法:受講前後のDASS、25の子育て技術の質問紙、受講者満足度の質問紙の調査を行った。DASSはWilcoxon符号順位検定を行った。結果:対象者12名のDASSの受講前後の評価の結果はDASS総点において改善をみとめた(P<.05)。技術総点(6.47±.08)であり、すべての技術を使用していた。満足度は総点(5.82±1.0)であり、満足感があったと推測できる。考察:トリプルP受講前と比較し、トリプルP受講後は子育て技術の知識が増え、技術を使って子育てを行ったことで、親の抑うつ状態は軽減した。