著者
江藤 裕之 岸 利江子 岩崎 朗子 坂本 ちより 頭川 典子 青木 三恵子 久保田 智恵 杉浦 絹子 八尋 道子
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.31-39, 2002-03-31
被引用文献数
1

医療職者間の専門用語や隠語には外国語からの借用語,造語が多いことはよく知られる.特に,ドイツ語起源の隠語が使われることが多く,会話内容の秘密保持という点に一役買っている.しかし,頻繁に使われる隠語であっても,中には借用した語の原形をとどめていないものも多く,また,その起源がドイツ語であるとの認識がなされていない語も多く存在する.本稿では,日本における医療職者間で使われるドイツ語隠語研究の第一段階として,いくつかの隠語を取り上げ,それがどのような起源を持ち,またいかなる形で今日の日本の病院内で使われているのかを概観し,医療職者間ドイツ語隠語の特徴を造語法という点からまとめてみた.情報開示が問題になる今日の医療・看護の現場で,第三者には理解不能な語がどのような形で扱われ,また今後どのように扱われるべきなのか.このような問題意識を踏まえ,今後の研究の出発点としたい.
著者
竹村 英二 伊東 貴之 江藤 裕之 Kornicki Peter Francis Elman Benjamin A. Tortarolo Edoardo Domanska Ewa Guthenke Constanze Grafton Anthony Pollock Sheldon Collcutt Martin C. Tankha Brij Mohan 佐藤 正幸 大川 真 尾崎 順一郎
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本科研研究では、(1) 18~19世紀日本の儒学世界において発展した実証主義的学問の解明、(2) その清代考証学との比較検討と日中間の学問特性の相違点の考察、(3) 日本考証学と西欧のフィロロギーとの比較研究が目指され、これらを、分野の異なる研究者との共同研究、海外の研究者との国際研究連携をもってすすめ、下記「研究成果」に列挙したごとくの成果が産出された。またその過程では、ヨーロッパ日本研究協会(EAJS、欧州最大の日本研究学会)を含めた主要な国際学会での研究発表、英ケンブリッジ大学に於ける国際研究集会の開催も実施され、これらを通じ、高い水準の日本思想史研究の海外への発信にも寄与した。
著者
江藤 裕之
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.95-99, 2002-03-31

意味的連鎖という視点からの語源研究の有効性を,healthを例に検証してみた.「健康」を意味するhealthは,「完全な」を意味する古英語halを語源とする.このhalからは,whole,hale,holy,heal,hallow等の語が派生するが,これらの語はすべてhealthと語源を同じくする同族語であり,意味的に関連する.その背景には,「完全なるもの」を崇高なものと讃える古代ゲルマン人の宗教的イメージがある.このように,語の源へと意味的に遡ることで,その語の持つ文化史的背景から,その本質的な根本イメージに触れることができ,今日的意味の奥底を理解する糸口をつかむことができる.また,言葉を手がかりに,物証の残っていない古代人の頭の中,すなわち「人間により認識されたもの」を認識し,そのイメージの世界が言葉の中に残っていることを理解する手がかりを得ることができる.
著者
江藤 裕之 岸 利江子 岩崎 朗子 坂本 ちより 頭川 典子 青木 三恵子 久保田 智恵 杉浦 絹子 八尋 道子
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.31-39, 2002-03-31

医療職者間の専門用語や隠語には外国語からの借用語,造語が多いことはよく知られる.特に,ドイツ語起源の隠語が使われることが多く,会話内容の秘密保持という点に一役買っている.しかし,頻繁に使われる隠語であっても,中には借用した語の原形をとどめていないものも多く,また,その起源がドイツ語であるとの認識がなされていない語も多く存在する.本稿では,日本における医療職者間で使われるドイツ語隠語研究の第一段階として,いくつかの隠語を取り上げ,それがどのような起源を持ち,またいかなる形で今日の日本の病院内で使われているの
著者
江藤 裕之
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.95-99, 2002-03-31

意味的連鎖という視点からの語源研究の有効性を,healthを例に検証してみた.「健康」を意味するhealthは,「完全な」を意味する古英語halを語源とする.このhalからは,whole,hale,holy,heal,hallow等の語が派生するが,これらの語はすべてhealthと語源を同じくする同族語であり,意味的に関連する.その背景には,「完全なるもの」を崇高なものと讃える古代ゲルマン人の宗教的イメージがある.このように,語の源へと意味的に遡ることで,その語の持つ文化史的背景から,その本質的な根本イメ
著者
江藤 裕之
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-9, 2004

トーマス・マンの小説『ヴェニスに死す』の「死」の意味は何か.本稿では,ニーチェのギリシア悲劇論に見る「アポロ的-ディオニソス的」という象徴的対立概念を補助線として,主人公アッシェンバッハの「死」についての解釈を試みるものである.ヴェニスはアッシェンバッハを主人公とする悲劇の劇場であり,その「死」は「アポロ(理性)的日常」からの解放であり, 「ディオニソス(芸術)的世界」への再生であった.『ヴェニスに死す』に見るギリシア的耽美の世界と,本作品の主題である人間の生と芸術との運命的な関係を見ることは,合理的世界を是とする近代社会に生きる人間の苦悩を理解し,ファンタジーという精神の逃げ場の世界の重要性を考えるヒントになる.そして,ディオニソス的芸術美に殉じることで自らの生を永遠のものとしたアッシェンバッハの姿とギリシア悲劇の本質とを重ねあわせることで,芸術活動を通しての人間精神の永遠性への志向を理解することができよう.
著者
江藤 裕之
出版者
国士舘大学21世紀アジア学会
雑誌
21世紀アジア学研究 = Bulletin of Asian Studies (ISSN:21863709)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.75-94, 2019-03-20

はじめに1.シンガポールとマレーシアの英語環境2.香港の大学における英語教育と英語学習支援おわりに――日本人の英語を考える
著者
松田 義幸 江藤 裕之
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 (ISSN:13413244)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.73-100, 2007-03-29

In the rapidly globalizing world, we are facing a heap of complicated and challenging social problems in various areas regarding family, community, environment, education, health-care, work conditions, industrial economy, politics, defense, international relations, etc. In order to examine the nature of such problems that may have originated in the traditional patriarchic social structure, the present authors pay special attention to the ancient matriarchic society preceding the patriarchy. By means of scrutinizing the matriarchic society before the patriarchic domination, focusing on the people's view of nature, world, and life expressed in their myths and languages, we will be able to have some clues to tackle and solve our problems in the modern world. From this perspective, the present authors speculate what we can and should learn from the ancient archaic society in an interpretative approach of the myths and an etymological analysis of ancient words referring to the indispensable related literature, particularly J. J. Bachofen's Mutterrecht (1861), R. Graves's The Greek Myth (1955), B. G. Walker's The Women's Encyclopedia of Myths and Sectrets (1983), E. Fromm's Love, Sexuality and Matriarchy (1994), and Yasutoshi Ueyama's Myths and Science (2001).
著者
江藤 裕之
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.9-17, 2003-03-31
被引用文献数
1

教養・人格形成の場としての大学教育を見直すことを目的とし,大学教養課程における一般教育の理念と実践とを考察する.まず,西洋におけるLiberal Arts教育の歴史と意味,及びその精神を現代に活かしたMortimer J. AdlerのGreat Books Seminarを概観する.そして,実践編として,今日のわが国の大学におけるLiberal Arts教育実践のために,「言語・思考・人間」というテーマでのDialogue型授業モデルプログラムを示し,1)基本テーマの設定,2)プログラム構成とテキスト選定,3)各セッションの議論テーマ,4)到達すべきIdeasについて考察を加えながら,Great Books Seminarの可能性と有効性を考える.ひとつのテーマについて複数のテキストを読み議論することで,より普遍的な問題へと到達し,目には見えないものの価値を認め,生涯にわたる学習を動機づける学習の方法論を考えてみたい.