著者
大澤 博隆 江間 有沙 西條 玲奈 久保 明教 神崎 宣次 久木田 水生 市瀬 龍太郎 服部 宏充 秋谷 直矩 大谷 卓史
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

オンラインサービスでは、ユーザーのコミュニケーション活動とコンテンツが公開される。 このオンライン情報は、ユーザー生成コンテンツの作成サイクルを加速するのに貢献する。 さらにこれらのサービスは、研究者がオンラインテキストを、社会活動の調査研究とも呼ばれる、人間活動を容易に分析するための公的な資源として利用することを可能にする。 しかし特に創造に関わる分野では、コンテンツが公開されている場合においても、プライバシーに関する論争の的になる問題が存在することを認識する必要がある。 本研究では、オンラインファンフィクション小説における性的表現の抽出とフィルタリングを試みた研究が起こした炎上事件のケースを通し、オンライン研究のための新しいガイドラインを作成しようと試みる。 本研究では法と倫理を含む工学と人文学の両方の分野の研究者が、それぞれの専門分野に応じて倫理的、法的、社会的問題を抽出した。
著者
江間 有沙
出版者
北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.3-16, 2015-12

科学技術と社会の関係が複雑化している現在,「科学技術と社会」関連の授業を開講する大学は今後増えていくだろう.本報告では,科学技術を支える制度や仕組みを理解するための授業プログラムを紹介する.本授業プログラムでは,大人数(300人以上)でピアレビューなどのグループワークを行ったり,実験レポートを作成する課題をこなしたりすることによって,文科系の学部学生にテクノロジー・アセスメントや研究倫理について体験的な理解を促すことを目的としている.これらのグループワークやレポート課題には,大学生として身につけてほしいリサーチリテラシーやビジネスメール・告知ビラの書き方など実践的方法を学べる工夫も施されている.また授業で扱った概念や事例を4コマ漫画で説明する課題をこなすことによって,文科系の学部学生が科学技術を身近に感じ,彼らの日常生活に引き寄せて考えられるような「科学技術と社会」の授業とすることを目的としている.
著者
江間 有沙 長倉 克枝 田中 和哉 藤田 卓仙 工藤 郁子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

「技術が発達することでどういう社会になるか」ではなく「どういう社会を作りたいか」を考えるとき、倫理的、法的、社会的課題(ELSI)は一つの切り口となる。また、AIやロボットが普及する分野・時期、雇用や働き方への影響なども重要な論点である。本報告では、異分野・異業種の人たちからなるワークショップでの議論をもとに、人と人工知能・ロボットを取り巻く社会における論点と課題を整理・紹介する。
著者
江間 有沙 秋谷 直矩 大澤 博隆 服部 宏充 大家 慎也 市瀬 龍太郎 神崎 宣次 久木田 水生 西條 玲奈 大谷 卓史 宮野 公樹 八代 嘉美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.322-330, 2016-08-01 (Released:2016-08-01)
参考文献数
10

人工知能技術の「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」のためには多様なステークホルダー間による対話・協働が不可欠である。本研究では,情報学系研究者のほか情報学の倫理的・法的・社会的問題を考える人文・社会科学研究者,政策系の専門家やSFなど創作/編集活動関係者,メディア,一般市民など多様なステークホルダーにアンケート調査を行った。10年後の運転,育児,介護,人生選択,健康管理,創作活動,防災,軍事の8分野では,全体として運転・防災・軍事分野など「知的な機械・システム」の導入に社会的合意が必要とされる分野の機械化には積極的な意見が多い。一方,ライフイベントにおける意思決定や健康管理など個人選択に委ねられる分野は「人間が主体で機械を活用する」傾向にあった。回答者の専門や価値観,経験によって意見は多様であり,個別の技術導入場面において機械と人間の関係をいかに創造的に組み替えていくかの議論が重要である。
著者
アファナシエワ オルガ 翻訳:江間 有沙
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, 2021-03-01
著者
塩瀬 隆之 加納 圭 江間 有沙 工藤 充 吉澤 剛 水町 衣里
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2016-EC-39, no.6, pp.1-4, 2016-03-09

協力型ボードゲームの舞台は 「制度疲労を起こした縦割り組織」.プレイヤーはその一員となり,次々と発生するハプニングを処理し,新人を鍛え,他部署の人間と情報やリソース共有しながら,全員で事業成立を目指す協力ゲームである.しかし,現実世界の協力の困難さを表す意味で,ボードゲームの中でも情報共有のチャンスはあえて希少に,協力型ボードゲームに不慣れな日本人には全員達成という終了条件そのものの難易度も高い.この困難を乗り越えた協力・対話スキルの獲得こそ,組織間の利害関係や専門家-非専門家の知識格差などの見えない壁の克服に寄与するとして,筆者らが社会対話技術研究の一環としてボードゲーム開発に取り組んだ過程について報告する.
著者
江間 有沙 長倉 克枝 藤田 卓仙
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

現在、様々な現場で人工知能(AI)利用に関する議論と同時に、プライバシーやセキュリティ、アカウンタビリティなどに関する原則作りが国内外行われている。いかに「信頼できるAIシステム」を構築できるかに関しては期待も多いが課題も多い。保健医療分野において活用されるAIを、技術的な観点ではなく医療の診療プロセスの観点から整理するため、本研究では医師による診療のワークフロー図を作成し、セミナーに参加する医療従事者に対して、AIの診断補助ツールに対してどのような課題があるかの自由記述の調査を行った。その結果、技術の有用性(精度)、安全性、利便性、セキュリティ、コストの他、いくつかのジレンマ状況に対する課題が指摘された。今後はこの質的なデータをさらに大人数を対象としたアンケート調査などによって深堀をしていく予定である。
著者
大澤 博隆 江間 有沙 西條 玲奈 久保 明教 神崎 宣次 久木田 水生 市瀬 龍太郎 服部 宏充 秋谷 直矩 大谷 卓史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS25b04, 2018 (Released:2018-07-30)

オンラインサービスでは、ユーザーのコミュニケーション活動とコンテンツが公開される。 このオンライン情報は、ユーザー生成コンテンツの作成サイクルを加速するのに貢献する。 さらにこれらのサービスは、研究者がオンラインテキストを、社会活動の調査研究とも呼ばれる、人間活動を容易に分析するための公的な資源として利用することを可能にする。 しかし特に創造に関わる分野では、コンテンツが公開されている場合においても、プライバシーに関する論争の的になる問題が存在することを認識する必要がある。 本研究では、オンラインファンフィクション小説における性的表現の抽出とフィルタリングを試みた研究が起こした炎上事件のケースを通し、オンライン研究のための新しいガイドラインを作成しようと試みる。 本研究では法と倫理を含む工学と人文学の両方の分野の研究者が、それぞれの専門分野に応じて倫理的、法的、社会的問題を抽出した。
著者
藤堂 健世 江間 有沙
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.81-95, 2018-12-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
18

現在,IT人材育成とそれに伴う「創造性」の習得が幅広い年齢層に求められている.本研究では,「プログラミング教育」で育む創造力を「タスクわけワークショップ」の作業を用いて可視化できるか検討した.中学生,人工知能学会全国大会学生企画セッションの参加者,大学院生を対象にしてワークショップを行った.そのタスクわけ作業の結果を,①タスクの増え方の特徴,②集団ごとのタスクわけの特徴,③感想文の読み取りの3点から分析した.その結果,特に中学生は「経験からタスクを広げる」能力が他の集団に比べて低いことがわかった.またすべての集団において,タスクを構成しているサブタスクに分割する力が同程度であることが読み取れた.このように,タスクわけ作業の分析をすることで各グループの持っている創造力を可視化することができた.これらの知見を利用し,プログラミング的思考に必要な創造力の可視化を行うことで,児童・生徒の主体的な学びにつながることを示唆した.
著者
吉添 衛 服部 宏充 江間 有沙 大澤 博隆 神崎 宣次 久木田 水生 小川 祐樹
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.501-512, 2021-11-25 (Released:2021-11-25)
参考文献数
25

We are now faced with the wall of the diversity of values. We are often required to consider or respect the values of other people though, it is not easy to sense them since we tend to think within our scope of knowledge, experience, and imagination. We have worked on how to exchange values and achieve a synergetic effect among people. In this paper, we are presenting our prototype system, called AIR-VAS, aiming to support becoming aware of values in group discussion. AIR-VAS has been developed as the system which recognizes characteristic opinions of a group and shares them among all engaging groups on the discussion. The recognized and shared opinion is based on the values of the people of the group. Through the sharing of opinion, people can know the different viewpoints on the issue of the current discussion, so that AIR-VAS can provide stimulation to people for idea generation. We have developed AIR-VAS on the approach that visualizing statements, which are presented during a discussion, as the word co-occurrence network. We implemented opinion sharing as the process of the network re-construction including presented sub-network as an opinion of a certain group. According to the experimental usage of the developed system, we analyzed the relationship between discussion and visualized information, and discuss what information gives awareness.
著者
江間 有沙
出版者
サービス学会
雑誌
サービソロジー (ISSN:21885362)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.4-9, 2017-04-28 (Released:2020-03-28)
参考文献数
15
著者
標葉 靖子 江間 有沙 福山 佑樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.161-169, 2017 (Released:2017-07-15)
参考文献数
15

Tremendous developments in science and technology have brought prosperity and an affluent lifestyle to mankind, but scientific and technological progress has also generated social issues related to the environment, security, ethics, and socioeconomic activities. Under these circumstances, a Science, Technology, and Society (STS) education that emphasizes the teaching of scientific and technological developments in their cultural, economic, social, and political contexts is required in order to cultivate human resources capable of making decisions about how to address these issues. In this study, we developed “nocobon,” a game-based teaching material for thinking on STS issues from various perspectives. “Nocobon” is a detective card game that can be played by a group of three to six people. The results of its prototype test for high school students suggest that players could acquire new knowledge and learn to think from different perspectives on STS issues through unlocking the mysteries in a series of “nocobon” cards. The results also indicate that “nocobon” could be a simple and convenient teaching material from the viewpoint of the time management.
著者
標葉 靖子 福山 佑樹 江間 有沙
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.45-54, 2018-12

近年,科学技術が高度に発展していることに伴い,科学技術と社会を取り巻く問題もまた複雑化してきている.本研究では,そうした科学技術と社会を取り巻く問題への多角的視点を涵養することを目指し,大学1,2年生を対象とした,学生自らが科学技術と社会をテーマとしたシリアスゲームを作成する「科学と社会をつなぐゲームデザイン」授業の開発・実践を行った.本稿では,当該授業の実施概要を報告するとともに,当該授業を受講した学生のふりかえり・レポート記述の内容から,「科学技術と社会」について考える上で,ゲーム作成というプロセスを活用することの可能性と課題について考察する.
著者
江間 有沙
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1002-1008, 2018-10-15

現在,北海道の酪農業界では経営の大規模化と効率的な経営を目指す変化が起きている.特に,(1)牛の繁殖管理に使われる情報技術と,(2)牛の選抜を行うためのゲノム技術とデータベース化がすすめられている.獣医師かつ酪農コンサルタントへのインタビューをもとにした本稿では,酪農の現場で使われている技術の詳細を紹介し,今後の展開への期待を示す.さらには情報技術を用いて牛を効率的に管理する方法だけではなく,病気を減らす・予防するという観点からカウコンフォートを高める検討が進められている事例を紹介し,技術だけではなく現場のニーズとの相互作用が重要であることを示す.
著者
定松 淳 花岡 龍毅 田野尻 哲郎 田中 丹史 江間 有沙 廣野 喜幸
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.3-15, 2017-06

科学技術コミュニケーションの重要な課題のひとつとしてリスクコミュニケーションがあり(廣野 2013),そのなかでも一般市民にも広く接点のある領域として医薬品のリスクコミュニケーションがある.特に医薬品の副作用は身近で,重大なものになりえるにもかかわらず,その事実は社会的に十分認知されているとは言えない.医薬品リスクについてのコミュニケーションを活性化させ, リテラシーを向上させる必要がある.本稿では,医薬品についてのリスク情報を掌握している薬剤師の専門性に注目し,一般市民の薬剤師との関わりの実態についての探索的調査を行った.その結果から,医薬品リテラシーの向上のために薬剤師の専門性を活用する余地があること,その際には 前提としての「薬剤師が医薬品についての専門性を持っている」という点についての社会的認知を 高める必要があることを指摘する.これは,一般市民に対して知識の増進をつい求めてしまいがちな科学コミュニケーション一般に対しても,社会的なインデックス情報の重要性を指摘するものとして示唆するところが小さくないと考えらえる.
著者
江間 有沙 秋谷 直矩 大澤 博隆 服部 宏充 大家 慎也 市瀬 龍太郎 神崎 宣次 久木田 水生 西條 玲奈 大谷 卓史 宮野 公樹 八代 嘉美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.322-330, 2016

<p>人工知能技術の「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」のためには多様なステークホルダー間による対話・協働が不可欠である。本研究では,情報学系研究者のほか情報学の倫理的・法的・社会的問題を考える人文・社会科学研究者,政策系の専門家やSFなど創作/編集活動関係者,メディア,一般市民など多様なステークホルダーにアンケート調査を行った。10年後の運転,育児,介護,人生選択,健康管理,創作活動,防災,軍事の8分野では,全体として運転・防災・軍事分野など「知的な機械・システム」の導入に社会的合意が必要とされる分野の機械化には積極的な意見が多い。一方,ライフイベントにおける意思決定や健康管理など個人選択に委ねられる分野は「人間が主体で機械を活用する」傾向にあった。回答者の専門や価値観,経験によって意見は多様であり,個別の技術導入場面において機械と人間の関係をいかに創造的に組み替えていくかの議論が重要である。</p>